稲川会が「特殊詐欺に関与したら破門」の文書配布 驚きのウラ事情

新型コロナに便乗し、振り込め詐欺、オレオレ詐欺が急増中

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〈特殊詐欺は、何ら落度なく判断能力が低下している老人等を狙い撃ちにし、個人的な生活資金を騙し取るもので有って、誠に卑劣である〉

まるで警察が貼る啓蒙ポスターの文章である。これが、関東を拠点とする指定暴力団「稲川会」が構成員に配布した文書の中身だというから驚きだ。

「5月の連休明けに稲川会では執行部会が開かれ、その直後にナンバー3である理事長の名前で『特殊詐欺への関与を禁止する』文書が直参の組織に配達証明で送付されました。月1回の定例会で、口頭で注意されることは3〜4年前からありましたが、文書として配られるのは前代未聞です」(稲川会関係者)

通知書には、関与が明らかになれば「破門・絶縁」などの厳重な処罰が下されることが明記され、さらにこれを各事務所に掲示するようにという指示まである。

今年5月付けで、稲川会の構成員らに総本部から配布された文書。重々しい文面だが、内容は実にシンプル

なぜ暴力団がこんな「お触れ」を出すのか。元産経新聞社会部記者でノンフィクションライターの尾島正洋氏が語る。

「外出自粛のご時世、飲食店からのみかじめ料や花見や祭りのテキ屋の商売など、ヤクザのシノギは激減しています。そんな状況で、末端の組員は自分たちの稼ぎに不安を感じて、新型コロナウイルスに便乗した振り込め詐欺やオレオレ詐欺に入れ込んでいる。いまの時期に取れるだけ取ろうというのが現状なんです。

執行部も本気で特殊詐欺を禁止するつもりはないでしょう。ですが、’17年9月に特殊詐欺の被害者が『使用者責任』があるとして稲川会の清田次郎総裁らを相手に損害賠償請求訴訟を起こし、今年3月には東京高裁が計約1600万円の支払いを命じました。警察当局は今回の文書配布は、組員による特殊詐欺によって、幹部に責任が及ばないようにするためのアリバイ作りだと考えています」

残念ながら今後も卑劣な特殊詐欺が撲滅されることはなさそうだ。

『FRIDAY』2020年6月5日号より

  • 写真濱崎慎治

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