『テラハ』出演木村花さんへの誹謗中傷を放置したフジテレビの罪 | FRIDAYデジタル

『テラハ』出演木村花さんへの誹謗中傷を放置したフジテレビの罪

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女子プロレスラーとしても人気を誇っていた木村花さん
女子プロレスラーとしても人気を誇っていた木村花さん

恋愛リアリティー番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演中の女子プロレスラー・木村花さんが5月23日に亡くなったと発表された。22歳だった。所属団体のスターダムは公式サイトで「当社所属選手 木村花選手が本日5月23日逝去いたしました」と報告した上で、死因などについては「いまだ把握出来ていない部分もあり、引き続き関係者間の調査に協力してまいります」と結んでいる。

遺書が見つかったとも一部では報じられた。異変が起きたのは23日未明。木村さんが、

《毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから。死ね、気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました。お母さん産んでくれてありがとう。愛されたかった人生でした。側で支えてくれたみんなありがとう。大好きです。弱い私でごめんなさい》

とツイート。ただごとではない様子に気付いた母親やレスラー仲間が連絡を取り合い、慌てて住まいに駆け付けたが、間に合わなかった。

「薬品を使った自殺とみられています。その手際から、衝動的に自殺を図ったというよりは、準備していたようにも映ります。彼女の死は海外でも衝撃を持って伝えられ、多くのレスラーが哀悼コメントを寄せています」(スポーツ紙プロレス担当記者)

彼女を苦しめたのはアンチによる誹謗中傷だ。木村さんはフジテレビとネットフリックスで放送されている『テラスハウス』に19年9月(第20週)から出演。当初は応援コメントが多く寄せられる“愛されキャラ”だったが、第38週で起きた“コスチューム事件”で潮目が大きく変わった。

これはコメディアン志望の男性出演者が、木村さんのプロレス衣装を洗濯に回して、収縮させてしまったことが原因で起きた。激怒した木村さんは罵声を浴びせ、男性は謝罪の上、数日後にテラスハウスを去った。

この時の彼女のふるまいを不快に感じたアンチがそれから連日、SNSで「死ね」「消えろ」「気持ち悪い」などと執拗に罵詈雑言を浴びせた。

「一部で『彼女は繊細な性格だった』とする報道もありましたが、毎日100件以上『死ね』と言われていたら、誰でも追い込まれます。彼女の母親で元女子プロレスラーの木村響子さんのSNSにも、アンチから『あなたの娘はモラルの欠片もない』という中傷が殺到。異様な光景でした」(テレビ局関係者)

壮絶なネットリンチ――。“主犯”は大量の中傷メッセージを送り続けたアンチだが、同番組を放送するフジテレビや制作会社の責任も重い。木村さんを知る関係者が憤る。

「彼女のSNSが荒れていたことは、局側も把握していた。ファンもしきりに『あまりに酷いので取り締まるべき』と訴えていた。それなのに、一切の対策を講じてこなかった」

前出スポーツ紙記者も、

「テラハはリアリティー(現実味)であって、リアル(現実)とは違う。セリフの書かれた台本はなかったが、物語の方向性や出演者のキャラ設定などはあった。コスチューム事件で炎上する中、5月に番組のユーチューブチャンネルで未公開シーンが公開され、そこでも彼女の感じの悪さをダメ押しする映像が含まれていた。普通逆でしょ!? これが更なる燃料投下となり、ここ1~2週間の彼女に対する人格攻撃は苛烈さを極めた」

と指摘する。木村さんの死を受け、番組公式ツイッターは今後の放送予定を休止すると発表。亡くなった方が出ている以上、番組は打ち切り濃厚だろう。

もっかネット上では彼女を追い込んだ“アンチ狩り”が行われている。しかし、これはこれでプレイヤーチェンジしただけで、問題の根本的な解決にはならない。

「この世論の感じだと、国会でネット上の誹謗中傷に関して議論されるでしょう。政権の支持率が急落していることもあり、急ピッチで法規制が進められるはずです」(全国紙記者)

相手を傷つけるだけの言葉は、もういらない……。

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