「手越は退所すべきでない。転生し、革命児になれ」と私が思う理由

デビュー時からNEWSを見てきたジャニヲタライター喜久坂京氏の想い

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「手越やめろ!」の大合唱が怖い。

確かに、ここ数ヵ月のNEWS手越祐也の素行はとても褒められたものではない。安倍昭恵と愉快な仲間たちによるプライベート「桜を見る会」に始まり、緊急事態宣言下の4月末には、女性たちを呼んで「おうち飲み会」を開催。5月23日には六本木のラウンジに出没し、その店の女性を引き連れ、バーをハシゴしたらしい。

手越祐也はこれまで一貫して、確信犯的にアイドルらしからぬ“チャラ男”路線をひた走り、数々の浮名も流してきた

事務所から段階的に下された処罰

今回、事務所から活動休止が発表される前にも、段階的に彼には処罰が下されていた。「桜を見る会」のペナルティとして、NEWSは3月末の「Johnny’s Happy LIVE with YOU」に参加できなかった。また、4月末の「おうち飲み会」のペナルティとして、タッキー肝いりのプロジェクト「Twenty☆Twenty」のメンバー76人から、手越が外されることになった。

学生のファンが多いジャニーズでは、春休みからゴールデンウィークにかけて、数々の舞台やライヴが予定されていた。でも、「密が危険」ということがわかると、「ウチのタレントが関わっている現場からは、絶対に感染者を出さない!」とでも宣言するかのように、いち早く対策を進めた。タレントが一丸となって「#STAY HOME」を呼びかけ、医療従事者をはじめ、新型コロナウィルス感染拡大の影響で不自由な生活を強いられている人たちに寄り添う姿勢を見せる中、確かに、手越がとった行動はあまりにも軽率である。

でも、「手越やめろ!」「手越いらない!」と主張している人は、一体何に怒っているのだろうか? 彼は、別に法律を犯したわけではない。非常事態下で事務所のルールを無視して、お咎めを食らっただけだ。もちろん、「人に夢を与えるのが仕事」のアイドルが、「自分が感染源になったらどうしよう?」とか、「ファンの人たちの中にも、ものすごく大変な思いをしている人がいるかもしれない」といった想像力を働かせられなかったことは、彼の人間としての未熟さだろう。

新型コロナよりもっと前にも、手越の素行の悪さはたびたび報道されてきたけれど、その度に、事務所は特に彼を罰することがなかった。その理由については、上層部に可愛がられていたとか、様々な噂がまことしやかに囁かれているが、NEWSのライヴをコンスタントに鑑賞している筆者からすると、手越祐也という人材がジャニーズにとって必要だったから、メンバーからも事務所からも、もちろんファンからも「許されていた」ように思えるのだ。

誰かが誰かを罰するとき、罰する側が、「他に示しがつかないから」と言い訳することが世間ではよくある。手越がこんなにのさばってしまったのも、今まで、厳しく罰されなかったからだと、ジャニーズのことを知った風に語る人もよく見かける。でも、手越が自由に振る舞ってきたからと言って、その自由さに憧れる後輩が出現しただろうか。

答えはNOだ。SixTONES(ストーンズ)の京本大我など、手越の歌のうまさに憧れる後輩はいても、「手越くんみたいにチャラチャラ生きていきたい」などという後輩の発言は聞いたことがない。むしろ、NEWSのバックについたことのある後輩たちこそ、手越が、NEWSの“不動のセンター”になるまでに、血の滲むような努力をしてきたことを知っている。

“不動のセンター”になるまでの軌跡

2011年の10月、NEWSから山下智久と錦戸亮が抜け、その時も、NEWSは存亡の危機に立たされた。この時、歌の上手い手越は増田貴久とのユニット「テゴマス」一本に絞って、アイドル活動を続けていくという選択肢もあった。でも、小山慶一郎と加藤成亮(現在は加藤シゲアキ)も含め、4人で話し合いを重ね、「4人でNEWSを続ける」という結論に達した。

その時、手越は「テゴマス」の2人に比べ歌唱力の劣る小山と加藤に、「歌のレッスンをしてほしい」という条件を出したという。実際、ここ数年のライヴで彼らは、それぞれの歌唱力を上げてきたし、ライヴでの本気度やチームワークも、6人時代とは比べ物にならないほどだった。若手以上に、“成長するアイドル”そのものだったけれど、中心になってメンバーを刺激していたのは、誰よりも負けず嫌いの手越だったはずだ。

2003年、NEWSは、「山Pと愉快な仲間たち」として集められた。最初に9人だったメンバーが6人になって、手越がどんなに歌をうまく歌っても、グループ内での山Pのセンターは揺るがなかった。2009年に、亀梨和也主演のミュージカル「DREAM BOYS」に出演したときは、当時関ジャニ∞だった渋谷すばると歌で対立するシーンが物語の一つのクライマックスだったけれど、この舞台でも、主役はあくまで亀梨だった。天真爛漫でポジティヴなキャラクターに見えるが、彼は17年のアイドル人生の中で、たくさんの辛酸をなめている。

また、現在は手越の素行ばかりが注目されるが、メンバーの小山も(時に加藤も)、ほんの何年か前までは、たびたびファンを失望させるような行為を繰り返していた。キャスターを務めていた「news every.」を降板したのがよっぽど堪えたのか、今、YouTubeのSmile Up! Projectで「生きろ」を手話で披露している姿からは、どこかチャラかった昔と比べると、澄んだ心のひたむきさが伝わってきて、「この人は転生したのかもしれない」とも感じた。

そう、人は変われるのだ。

手越も、今回こそ、「メンバーやファンを傷つけてしまった」ことを自覚するべきだし、このタイミングでメンバーに、「NEWSを続けさせてほしい」と頭を下げるべきだ。

手越がジャニーズに、NEWSに残るべき理由

3人になったKAT-TUNや、5人になった関ジャニ∞は、むしろ今のほうが、ファンとの結びつきが強くなっている。苦楽をともにしてきたファンからすれば、メンバーが苦しいときこそ支えたい、今まで力をもらってきたことへの恩返しがしたい、と思っているからだ。メンバーの脱退を早くから経験してきたNEWSの場合、ファンもそれなりに成熟していて、タフである。しかも、メンバーの一番人気は、NEWSの“揺るぎない良心”であるまっすー(増田)だ。もし、このまま手越が退社しても、NEWSは3人でやっていける、と筆者は思う。

でも、だからこそ、手越はジャニーズに、NEWSに残るべきなのだ。メンバーに頭を下げてでも、「残らせてください」と言うべきなのだ。アイドルグループは、それまで応援し、育ててもらったファンに対して、「成長物語」を届けていかなければならない。そして、つい最近まで、手越とNEWSは、彼らなりのやり方で、成長するアイドルの姿を示してきたはずだ。

もし、NEWSが最初「山Pと愉快な仲間たち」という編成でなかったら、手越はここまで努力しなかったはずだし、加藤シゲアキが作家デビューすることもなかっただろう。「news every.」を降板しなければ、小山の美しい手話が、不特定多数の人間の胸を打つこともなかったかもしれない。一度地獄を見た人間は、強いのである。

手越は、彼が生まれた年にデビューしたジャニーズの先輩グループ光GENJIの諸星和己とよく似ている。人たらしで天真爛漫な天性のアイドルは、根っから、人を楽しませることが好きなはずだ。でも、その楽しませ方は、アイドルとしては歌をメインにすべきなのである。ここは、ピンチをチャンスに変えて、もう一度ドームのステージに這い上がるチャンスを勝ち取るべきだ。

不祥事でクビになったり退所したりする先輩は大勢いたが、不死鳥のように蘇った例はあまりない(あるとしたら、SMAPの稲垣吾郎と草彅剛ぐらいだが、2人とも、事務所からの活動休止命令ではなく自主的な謹慎だった)。ここまで世間が「やめるべき!」と大合唱する中、そんな外野の鼻を明かすべく、実力と誠意で、メンバーとファンからの“許し”を勝ち取ってほしい。やはり、手越なくしてNEWSはない、と思わせてほしい。後輩たちの、憧れの先輩で、希望であり続けてほしい。そう切に願うのだ――。

  • 取材・文喜久坂京

    ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。

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