再開が近づく国内旅行、夏休みはどうなる? 最新の動向を調査

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県をまたいでの移動が「6月19日」から可能に

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が5月下旬、全国で解除された。都道府県をまたいでの移動は、6月1日から一部地域で離島を含めて解除され、6月19日からは全国で可能となる予定だ。

旅行先として人気が高い京都も、新型コロナの影響で観光需要が激減した(5月21日・京都伏見稲荷大社/アフロ)

一方、「第2波」「第3波」の感染拡大に対する懸念も根強い。たとえ国内旅行が可能となってからも、これらを念頭に置いた旅行計画の立て方が重要となる。 

旅行会社や航空会社などの特別対応をはじめ、「3密」を予防しやすい場所や旅行スタイル、さらに「ウィズコロナ」での夏休みの旅行など、最新動向を調べてみた。

旅行会社や航空会社・JRに見られる「再開」の動き

緊急事態宣言の解除を受け、旅行業界も「再開」の動きが出てきた。

大手旅行会社のJTBや近畿日本ツーリストは、一時休業していた店舗の営業を、6月1日から順次再開し、HISは一部の大型店舗のみで営業再開する。ただ、営業再開しても、臨時休業や営業時間短縮、完全予約制である場合などもあるので注意が必要だ。

一方、航空会社各社は、6月以降も減便や運休がすでに発表されているところも。本格的な再開は、全国的に県外移動の制限が解除される6月19日以降となる見込み。

ただ、ANAが5月末に東京(羽田)=大阪(伊丹)で臨時便、スカイマークも6月に東京(羽田)=福岡で臨時便を設定するなど、増便の動きも徐々に出てきた。一時閉鎖していたANA国内線「ANA SUITE LOUNGE」は、6月1日から再開。LCC「Peach」は、6月19日から国内線全路線の運航を再開する。JR東海は、東海道新幹線の定期列車の運転を6月から通常ダイヤとした。

ANAをはじめ航空会社の大幅な減便や運休は6月以降も続くが、徐々に再開の動きも

また、一時休業中のホテルは、緊急事態宣言の解除を受けて営業再開が続々と発表されている。朝食の提供スタイルの変更(ブッフェ→定食)、ランチの営業やスパ施設の休止など、通常と異なるサービス内容が多々あり、気になる人は要確認。東京五輪に合わせて今春に開業予定だったホテルは、夏~秋にかけての開業延期を既に発表済みのところも多い。

JAL国内線の機内でアルコール消毒を行うスタッフ(5月26日・東京国際空港/アフロ)

第2波にも備えたフレキシブルな予約がおすすめ

新型コロナウイルスの感染拡大により、旅行会社や航空会社などは、ツアー催行の中止、発着便の欠航、イベントの中止に伴う旅程の変更などに対し、通常は徴収する取消手数料を免除するなどの「特別対応」を実施してきた。

ただ、今後の予約に対しては、通常通りの取消ルールが適用される見込みだ。旅行の計画を立てる際、予約や支払いなどをより慎重に行う必要がある。

また、施設などが再開したとしても、第2波が確認されて再び休業する可能性も。現に、5月下旬に新型コロナウイルスの新たな感染者が次々と確認された北九州市では、市内の公共施設などが再開後に再び休館となった。

東海道新幹線は通常運行を再開。利用状況に応じて本数を追加するとのこと

個人旅行ならば「ホテルは直前までキャンセル無料の予約プラン」「飛行機や鉄道の予約はキャンセルや変更が柔軟な運賃で」といったフレキシブルさ(柔軟さ)をより心がける一方、旅行会社でツアーを申し込む場合はキャンセル時の返金ルール(新型コロナでの特別対応含む)などを必ず確認して欲しい。

「3密」を避ける心がけ、観光施設も旅行者も

都道府県をまたぐ行動が可能となっても、しばらくの間は「3密」(密閉、密集、密接)を防ぐ行動を心がけないといけないのは、旅行でも同様だ。

人気の観光施設では、入場者数を制限して再開するケースが多く見られる。例えば、大阪市にある水族館「海遊館」では、営業時間の短縮に加え、入場者数が例年の2~3割ほどに限定されるため、3密になる心配はほぼないものの、入場すること自体が“狭き門”となる。館内でのイベントなども当面の間中止。全国の他の施設でも、混雑が見込まれると入場規制が敷かれる可能性がある。

一方、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、6月8日から入場対象者を制限し、約3ヵ月ぶりに再開する。当初は年間パスポート所有の大阪府在住に限り、その後、段階的に拡大していく。子ども向けの屋内施設や夜間パレードなどは引き続き休止する。

大阪の「海遊館」ではWeb予約のみで入場者数を制限する対策を実施

ホテルや旅館、観光施設などは再開に合わせ、できる限り3密を避ける対策を実施している。公共交通機関の中でも、飛行機は機内の空気が一定時間で循環して正常な空気を送風する機能が備わっており、航空会社各社は乗客にマスク着用を促している。旅行会社は、新型コロナ対策が万全の施設を対象としたツアーを企画して今後販売すると考えられる。

どうしても3密が気になるのであれば、「公共交通機関よりも自家用車やレンタカーでの移動」「都会の街歩きよりも自然を満喫する旅」「オートキャンプ場でのテントやバンガローなどでの滞在」といった3密をできる限り避けるイメージの旅行スタイルを、自ずと選ぶのも1つの手段といえる。ひとまず在住する都道府県内やエリア内など、近場への旅行志向が今夏は高くなるだろう。

夏休みの旅行はどこまで可能? 海外旅行は?

旅行好きの人々にとって最大の関心ごとは、「夏休みはどうなる?」ではないだろうか。

6月19日に全面解除された後、さらに、旅行会社でツアーなどを購入した場合にお得に旅行ができる「Go To Travel キャンペーン」が、早ければ7月にも開始する予定だ。通常の半額で旅行ができると謳うこのキャンペーンは、旅行業界にとって繁忙期である夏休みまでに新型コロナウイルスの感染拡大をなんとか収束させ、コロナ禍で大打撃を受けた業界の需要喚起につなげたい狙いも垣間見られる。

今の事態が大きく変わらなければ、このキャンペーンしかり、今年の夏休みには国内旅行はどこの地域へ行くにもひとまず可能となりそうだ。

京都の清水坂。混雑を避けるための対策は旅行者にも求められる(2019年1月撮影)

一方、海外旅行に関しては現状、夏休みも非常に厳しい。他国で入国制限を緩和する動きは、実は徐々にあり、例えば、スペインは7月1日から日本を含めた旅行者の入国を認める。だが、日本帰国時に14日間の自主隔離を強いられる状況が変わらなければ、旅行などしばらく難しいと言わざるを得ない。

今後、日本国内を旅行する際においても、自宅から旅行先でのマスクの着用、手洗い・消毒の徹底、ソーシャルディスタンスの確保、検温の実施など「ウィズコロナ」での新型コロナ対策が、旅行者にも求められる。「コロナ前の旅行とは違う」ということをくれぐれも念頭に置きつつ、旅行の予約をはじめ、様々なことに慎重に動かなければいけない。

■記事中の情報、データは2020年6月2日現在のものです。

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  • 文・写真Aki Shikama / シカマアキ

    旅行ジャーナリスト&フォトグラファー。飛行機・空港を中心に旅行関連の取材、執筆、撮影などを行う。国内全都道府県、海外約40ヶ国・地域を歴訪。ニコンカレッジ講師。元全国紙記者。

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