コロナ収束後「犯人逮捕へ」?紀州のドン・ファン怪死事件に新証拠 | FRIDAYデジタル

コロナ収束後「犯人逮捕へ」?紀州のドン・ファン怪死事件に新証拠

新型コロナウイルス感染拡大で捜査が遅れていた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さんの怪死事件。ついに重大局面を迎えそうだ。市に寄付するとされた遺産を巡るトラブルにも新展開が

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田辺市内にあるドン・ファンの豪邸は空き家になっており、水を与えられていない庭の木が寂しく枯れていた
田辺市内にあるドン・ファンの豪邸は空き家になっており、水を与えられていない庭の木が寂しく枯れていた

爽やかな五月晴れとなった5月24日の日曜日。和歌山県田辺市内の小高い丘にある墓地に、熱心に手を合わせる高齢男性の姿があった。

この男性は、「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏(享年77)の実兄である豊吉さん。三回忌にあたるこの日、豊吉さんは弟の冥福を祈りに墓を訪れたのだ。

「昨年は幸助の妻のSさんも来ていましたが、三回忌である今年は何の連絡もない。いまどこにいるのかすら知りません。事件後、Sさんは幸助のベンツで東京へ戻ったんですが、そのベンツの自動車税の支払い通知書が、最近、私のところに届きましたよ……」(豊吉さん)

2年前の5月24日、野崎氏が田辺市内の自宅で死亡しているのが見つかった。死因は急性覚醒剤中毒。遺体の第一発見者である妻のSさん(24)と家政婦は連日、執拗な取り調べを受けたが、決定的な手がかりは得られなかった。和歌山県警はドン・ファンの会社の従業員や友人にまで捜査の手を広げたが、今日にいたるまで犯人逮捕には至っていない。

このままドン・ファン怪死事件は迷宮入りか。いつしかそんな声も聞こえるようになった。しかし、県警による執念の捜査は続いていたのだ。「ドン・ファンの家政婦」こと竹田純代さんが語る。

「今年の年明けに、和歌山県警の男女二人組の刑事から久しぶりに事情聴取を受けました。聞かれたのは、社長の自宅にあった掃除機について。どこで買ったのか。最後にいつ使ったのか。そういったことを細かく聞かれました」

なぜ、いまになって掃除機について調べているのか。その理由は何と、掃除機から覚醒剤が検出されたからだという。竹田さんと同じく、最近になって事情聴取を受けた関係者が言う。

「刑事から掃除機の写真を見せられたんで、『何で調べているんですか?』と聞きました。そしたら『出たんです』と。『覚醒剤が?』と尋ねると、刑事ははっきりと頷きました」 

野崎氏の墓に手を合わせ、冥福を祈る実兄・豊吉さん。弔いに訪れない田辺市にも不信感を持っているようだった
野崎氏の墓に手を合わせ、冥福を祈る実兄・豊吉さん。弔いに訪れない田辺市にも不信感を持っているようだった

事実、県警の刑事たちも「いつでも逮捕はできる」と自信満々だったという。県警担当記者が語る。

「そんなときに新型コロナウイルスの感染拡大が起き、捜査どころではなくなりました。しかし、緊急事態宣言が解除されたことを受け、捜査も再開されるようです。さすがに犯人に関する情報は漏れてきませんが、掃除機から覚醒剤が出たのが事実だとすれば、野崎氏の家に入れるごく近しい人間の犯行でしょう」

コロナ後に犯人逮捕、しかもドン・ファンに近しい関係者の犯行だったとなれば、再び事件は大きな注目を集めることになるだろう。

捜査の進展に加えて、気になることがもう一つ。30億円ともいわれるドン・ファンの遺産の行方だ。事件から3ヵ月後には、〈全財産を田辺市に寄付する〉という遺言書も見つかり、市も遺産の受け入れを発表した。しかし、そう簡単に事は運ばないようだ。前出・豊吉さんが言う。

「大の役人嫌いだった幸助が田辺市に寄付するとはどうしても思えない。我々遺族は遺言書の無効を求めて、訴えを起こしています。裁判は6月の初旬に始まる予定です」

犯人逮捕と遺産の行方はいかに。令和になっても、ドン・ファン事件は終わらない。

『FRIDAY』2020年6月12日号より

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