『エール』二階堂ふみのツヤのある豊かな髪がもたらす、音の幸福感 | FRIDAYデジタル

『エール』二階堂ふみのツヤのある豊かな髪がもたらす、音の幸福感

音が輝いて見えるのには意外な理由があった!

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『エール』で主人公の妻、音を演じる二階堂ふみ。2018年のこの写真でも、やはり髪が綺麗
『エール』で主人公の妻、音を演じる二階堂ふみ。2018年のこの写真でも、やはり髪が綺麗

朝ドラ『エール』(NHK総合・8:00〜・月曜〜土曜放送)を初回放送から追い続けて、子どもから成長した音(二階堂ふみ)が登場した時に目が離せなくなったものがある。それがツヤとボリューム、どちらも兼ね備えた二階堂ふみの髪の毛だ。

ドラマ内では売れない作曲家の古山裕一(窪田正孝)を妻として支えながら、自身も音楽の勉強中というやや苦労人を感じさせる役。それでも音から幸せそうな雰囲気や、エネルギーが伝わってくるのはあの豊かな髪の毛のおかげなのかもしれない。

女性が憧れて止まない、厚みのある内巻きボブヘア

まずはドラマの簡単なあらすじを説明しよう。

“古山裕一は作曲家を目指して、愛する妻・音と一緒に上京。レコード会社に所属してヒット曲や、愛娘にも恵まれて生活していた。そんな時に一度は捨てて飛び出してしまった故郷・福島へ帰郷することとなる。自分たちの東京での順風満帆な暮らしとは違い、苦労している実家の姿を目の当たりにする”

これが放送第11週を迎えた『エール』だ。これから古山夫妻は大きな力を携えていくのだが、始まったばかりの道で苦戦している。特に音は学生兼主婦、という昭和初期にしては珍しい、多忙の身。男尊女卑のあった時代背景から察すると、裕一は家事をしていないだろう。それでも音からは苦労をしている雰囲気は伝わってこない。

裕一は幼少期から音楽家らしい繊細さを持ち、何度も挫けそうになってきた。その度に音は、裕一の側に駆け寄って自分が持つ才能の高さを褒めて、再び立ち上がらせる。保証もないのに愛する人の才能を信じて、契約するレコード会社を探す。さらに契約後、年収が下げられるかもしれないと分かると夫を差し置いて、会社に乗り込んで交渉をする。こうして並べてみると、なんと愛のあるマネジメントだろうか。

このエネルギーと充足感はどこから……? と考えると、二階堂の登場後、ずっと気になっていた、ツヤと毛量バッチリの髪の毛から目が離せなくなった。

見たらクセになる“間”が絶妙な二階堂の演技

実は私、女性誌の編集者〜ライター時代に美容班を担当していた。昔取った杵柄の知識からつい気になったのだけど、二階堂の髪質はトップクラスだと思う。まずは自然な艶のある黒髪は簡単に演出できるものではない。ヘアメイクや艶出しスプレー、オイルなどを駆使すれば、一定の艶は作ることができるけれど、彼女のように全方位どこから見ても美しさを保つのは、本来の髪質があってこそ。

そして、圧倒的にボリュームもある。他の出演女優と見比べると、その豊かさは歴然。ウィッグやエクステの手に頼らない毛量、これは女性として宝物だ。

というのも『女性の幸せは髪の毛に宿る』という俗説がある。今まで私が女性の髪の毛をチェックしてきた限りでは、真実だと思う。幸せそうに見える女性は髪の毛が豊か。やはり精神的バランスは髪、もしくは肌へ顕著に現れてしまう。それが規則正しい生活や、心が満たされた状態になると、髪と肌が輝き出す。恋愛初期の女性がきれいになるという説と同じだ。

おそらく二階堂は今、充実している。髪の毛がそう教えてくれる。その天然充足感こそが音の役にいい影響を与えているのだと思う。

それもそのはず、彼女は女優としてものすごい才能の持ち主だ。今回は歌手を目指す音の役として、ドラマで披露している歌声がプロの歌手以上と話題に上がったほど。そこに私が見た才能を加えるとすると、彼女は“間の置き方”と“タメの作りかた”が演技において絶妙すぎる。

第25話でこんなシーンがあった。うまく歌声が出ないで悩んでいる音を裕一が励ましていると、その様子を見ていた姉の吟(松井玲奈)

「裕一さん、なんか今日はかっこよくない?」

と不思議そうに話す。そこですかさず、

「いつもかっこいいから!」

と音。この間のタイミングの良さに驚いて、いまだにそのシーンを鮮明に覚えている。セリフの話し方も『今まで口にはしたことがなかったけど、本当は365日彼のことを思っているんです! ウチのダーリンは最高なんです!!』と、ため込んでいた裕一への愛を爆発させた雰囲気のように感じた。あの演技、練習を重ねて手にできるものではない。髪の毛と同じく、生まれながらにして備わったものだと思う。

さて『エール』。6月27日(土)をもって放送が一時休止になる。その前に一度、音ちゃんの幸せ溢れる髪の毛に目を留めてほしい。

  • 小林久乃

    エッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター、撮影コーディネーターなど。エンタメやカルチャー分野に強く、ウエブや雑誌媒体にて連載記事を多数持つ。企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊を超え、中には15万部を超えるベストセラーも。静岡県浜松市出身、正々堂々の独身。女性の意識改革をライトに提案したエッセイ『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)が好評発売中。

  • 写真Rodrigo Reyes Marin/アフロ

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