過激系YouTuberエドが回答「クリーンだけが正義ですか?」 | FRIDAYデジタル

過激系YouTuberエドが回答「クリーンだけが正義ですか?」

GPS付きカバンを置き引きさせたり、マスク転売業者に乗り込んだりと過激な動画をアップする理由とは……

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本誌編集部を訪れたエド。ヤンチャなイメージとは異なり、本人は礼儀正しい好青年だった。初対面の人には「隠し撮り」をしていないか、必ず聞かれるとか
本誌編集部を訪れたエド。ヤンチャなイメージとは異なり、本人は礼儀正しい好青年だった。初対面の人には「隠し撮り」をしていないか、必ず聞かれるとか

「ユーチューバーにとっても新型コロナウイルスの影響は大きいですよ。まず撮影ができないですから。僕のような『過激系』はリモートで動画を作ったとしてもファン層は喜んでくれない。僕も高いクオリティの動画しか世に出したくない。収入面では、数百万円あった月の売り上げが半分以下になりましたね」

謙虚な語り口だが、不敵に見える表情で語るのは、チャンネル登録者数約100万人のユーチューバー・エド(25)だ。

エドの動画のウリは先がまったく予想できない破天荒な展開だ。路上で泥酔したフリをしてGPS入りのカバンをわざと置き引きさせ、犯人の自宅に突撃する。あるいは闇金を装った違法業者からおカネを借りて返済しないとどうなるのか、などスリル満点。続編のアップも不定期で、視聴者を惹(ひ)きつけて離さない。チャンネル設立からわずか2年で動画の総再生回数は1億6000万を超えた。

日本人の父とポルトガル人の母を持ち、「元ヤン外国人」を自称。動画内では型破りなエドだが、実は緻密な戦略の上で、セルフプロデュースを行っているという。

「約1年半かけて、YouTubeの分析をしました。いろんなジャンルの動画をアップしては再生のグラフを細かくチェックしたんです。その結果、辿(たど)り着いたのが過激系。勝負ネタとして作った『GPSシリーズ』は、再生数が伸びやすい5月のGWに投稿するのをあえて避けました。GWは他のユーチューバーもこぞって自信作を出すので埋もれてしまいます。それで手薄になってくる6月まで温存して、そこで勝負を賭けたんです」

コロナショック後も、いち早く「悪質なマスク転売業者の自宅に突撃する」という“らしさ”を忘れない動画を投稿して話題を集めた。

「マスクの企画は一瞬で浮かびました。フリマアプリで高額なマスクを買って、自分の住所を書いて送ってきた人のところに行ってみようって。ちゃんと自宅住所を記載する出品者は反社会勢力じゃないだろうと思って。

以前、闇金の関係者に連れ去られそうになったことがありましたが、僕みたいにカッコつけて調子に乗っているヤツが痛い目に遭うって、見れば楽しいと思うんです(笑)。好かれたいと思う人が多いYouTubeに、嫌われるヤツが一人ぐらいいてもいいでしょ」

エドはアフターコロナにおけるYouTubeの世界を冷静に見つめている。

「今回の『ステイホーム』で初めてYouTubeを見たという人もいて、広く世間が受け入れてくれるようになったと思います。その半面、日本では再生数のアベレージはそこまで上がっていない。結局、ちょっとした暇な時間に見るもので、長い自由時間がある場合は、映画やドラマを見たり、読書する人も多い。長い尺ではユーチューバーは勝てないんです。その課題が浮き彫りにもなりました。

その一方で、今後のYouTubeは、手軽に作る動画がさらに主流になっていくと思います。芸能人も進出してきて、かなりふるいにかけられるようになる。昔と違って、素人が入る隙(すき)がなくなっています。

その中で、とにかく面白いことをするっていうルーツを忘れずに活動している僕たちのようなユーチューバーが『和を乱すな』と言われ始めました。動画の世界で『クリーンが正義』ってことになると、それは違うな、とは思います」

エドのように時間をかけて過激な動画を制作するタイプには厳しい時代になりつつあるようだ。だが、エドは新たなステージをすでに考えていた。

「本当はGWの後はしばらく活動を休止するつもりでした。起業に興味があるんです。もちろんYouTubeはやめませんよ。過激なネタは月1~2本にしてレア感を高めつつ、再生数は少なくてもかまわないので、ややソフトなネタも入れ込んでいくことも考えています。海外を拠点にして長期の撮影もしたい。スラム街でギャングにストリートファイトを挑んだり、ベーリング海でリアルな『蟹工船』に乗る企画なんていいかな(笑)」

すべては視聴者に楽しんでもらうため。エドの次の企画が待ち遠しい。

5月にアップされた悪質なマスク業者の自宅をアポなしで訪問する動画。時事的な問題を取り扱うところも人気の理由の一つ
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エドが広く知られるようになったのが、この「GPSシリーズ」。クセになる音楽や絶妙なテロップなど編集の巧さも光る
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FRIDAY2020619日号より

  • 撮影小松寛之

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