パパ活で身体を売り始めた学生キャバ嬢「コロナ不況が深刻で…」

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コロナ不況によりバイト先から解雇された大学生の千葉さん。細身で髪の長い美女だ

新型コロナウィルスの感染拡大による、雇止めや失業、休業で困窮する人たちが増加している。「コロナ禍の影響をモロに受けて、人生の歯車が狂いました」と語る女性たちも後を絶たない。困窮した先には、一体どんな風景が待っているのだろうーー。

都内近郊に住む大学4年生の千葉由美香さん(仮名・21歳)は、今年の1月に路上でスカウトされ、キャバクラで週3日から5日の割合で働くことにした。その前は、都内の居酒屋週3日ほど、午後7時から早朝までバイトしていた。手取り10万円。バイトが終わってからそのまま学校に直行し、徹夜で授業に臨んだこともあった。半年間働いたが、千葉さんによると就活と両立できないと断念した直後の勧誘だったという。

「キャバクラの時給が4000円だったので、即決しました」

キャバクラ店の収容数は最大50人ほど。勤務は夜の10時から深夜の3時までで、一日2万円ほど稼いでいた。

「映像学科専攻のため、機材などの費用がハンパないんですよ。同居している母親との折り合いが悪くて、学費も自分で払うことになって。おカネが必要なんです」

父親が昨年から地方に単身赴任になってからは、2歳年下の弟を溺愛する母親との溝が深まり、自宅では孤立していた。

「大学が春休みから休校状態だったので、キャバクラの仕事に専念していました」

ところが、コロナの感染拡大で事態は暗転する。非常事態宣言が発令された1週間後の4月15日に、店長から突然「コロナの影響で客が半分以下に激減しているから、時給を1000円下げる」と一方的に言われたという。

「ヒドイと思いました。でも他の店を探すにもコロナのため求人も少ないので、やむなく減給をのみました。仕方ありません。だったら、自分の力で取り返そうと。翌16日から5月14日まで21日間連続で働き、営業も頑張って、指名もバンバン取りました」

5月15日、給料明細を見て千葉さんは驚く。計算では40万円は<稼いだはずなのに、給料袋に入っていたのは、わずか5万円。青ざめた千葉さんは、店長に問いただした。

「店長は『デリヘリに登録して働いているそうだな、違反だから減給した』と激怒していました。でもそれは事実無根。他のキャバ嬢からの噂話が、ネジ曲がって店長に伝わっていたんです」

千葉さんは誤解を解こうと必死に訴えたが、聞き入れられない。一方な解雇だった。その日の日給が5000円。1万円のはずが半分カットされていた。結局、21日間の給料と合わせ、もらったのは5万5000円だったという。

「その日の所持金は3000円でした。減額された給料と合わせて、5万8000円。もうどん底です……。今さら親にも頼れない。『明日からどうやって生活しよう、どうやって稼ごう』と頭を抱えていました」

ソープ店で働くことも検討

千葉さんが多額のおカネを求める理由は、学費や機材だけでない。好きな男性のためにも必要だった。飲食店に勤務する2歳年上の彼氏は、コロナで休業を余儀なくされ、ほぼ無収入だったという。

バイト先から解雇され、途方にくれる千葉さん。そんな時、1本の連絡が入る。

「キャバクラを解雇された2日後のことです。前からメールなどでコンタクトを取っていた映像サイトの社長から、『働いてみないか』という連絡がありました。てっきり映像の仕事かと思ったんですが。それが……パパ活でした」

待ち合わせ場所に現れたのは40代の男性。映像だけでなく、出会い系サイトに登録した女性をサポートする売春業務も行っていた。

「躊躇している余裕などありません。おカネに困っていたので仕方ない。稼ぐ方法が他にないんですから。社長のスタッフがフォローしてくれるというので、すぐに登録しました」

パパ活サポートチームは、千葉さんの代理としてハッピーメールに「特別な関係」を求める募集をする。閲覧した男性のうち、具体的なお誘いがあると、メール担当者が男性と交渉し、成立すると合流するまでメールを打つ。引率の男性が成立後に、車を運転して千葉さんを合流先まで送る。終わると千葉さんは車に戻り、待機。次の客が見つかると、合流先まで送ってもらうというシステムだ。

千葉さんは19時から夜中まで、一日平均3~4人、多い時は一日5人の客をとった。パパ活の地域を東京から関東の地方都市に移すと、稼ぎが倍増した。

「『ホ別3ゴムあり』で平均3万円。サクッと30分で終わる人もいますが、平均すると2時間ぐらい。最初はイヤだなとか、自分に対する嫌悪感は当然ありました。でも経験するうちに、そんな感情も薄れていきましたね」

「ホ別」とはホテル代は別、「3」は3万円、「ゴムあり」は避妊のことを表す。パパ活はおカネを稼ぐための手段と割り切った千葉さん。半月ほどで50万円を稼いだ。だが最近は、不安がどんどん大きくなっているという。

「確かに儲かるけど、パパ活は一時的。安定して収入を得られる訳ではありません。募集者がいなければ、一日ゼロの時もあります。『この先どうなるんだろう』と、将来のことを考えるとたまらなく不安になる。食欲もありません。昼にコンビニで買ったきゅうりを、一本口にするだけという日もあります。彼氏に打ち明けたら、AVへの出演を勧めてきました。でもAVはネットに残るので怖いので……。最近は、ソープ店で働くことも真剣に考えています」

コロナで歯車がおかしくなってしまった、女子大学生の人生。千葉さんに、軌道修正の道筋はまだ見えていない。

  • 取材・文・撮影夏目かをる

    コラムニスト、小説家、ライター。秋田県出身。立教大学文学部日本文学科卒。2万人以上のワーキングウーマンの仕事、恋愛、婚活、結婚を取材。女性目線のコラム「”賞味期限”が女を不機や嫌にする」(現代ビジネス)などや映画コラムも。ルポ「同窓会恋愛」(婦人公論)、「高学歴女性の貧困」(サンデー毎日)など。「戦略的に離婚しない女たち」(週刊朝日)などで夫婦問題にも言及。「33歳女の壁その後」(朝日新聞社telling)では40万以上のPVを獲得。2020年4月日刊SPAの記事でYahoo!ランキング総合第一位に。連載小説「眠れない夜」(Wome)ランキング第一位。2007年10万人に一人の難病・ギランバレー症候群を後遺症なしに完治。

  • 取材協力宮 建行

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