維新の会・大阪府議団の内部から聞こえる「意外な不協和音」 | FRIDAYデジタル

維新の会・大阪府議団の内部から聞こえる「意外な不協和音」

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吉村知事の耳にも届いているだろうか…?(写真・AFLO)
吉村知事の耳にも届いているだろうか…?(写真・AFLO)

コロナ禍の対応が称賛を集め、この数カ月で人気を確立した吉村洋文・大阪府知事。しかしその足下で、代表代行を務める「大阪維新の会」の府議団にゴタゴタが起こっているようで……。

「大阪維新の会は、所属議員の出自がバラバラでも一枚岩でもあることを誇りにしてきた。ところがいま、その団結力がちょっと衰えてきてると感じています」

こう話すのは大阪維新の会・大阪府議会議員団の一人。2010年に誕生し、現在は大阪市長の松井一郎氏が代表を務める「大阪維新の会」は、大阪選出の国会議員と市長、大阪府議、各市の市議などで構成されている。生え抜きばかりではなく、元々は他の政党で育った議員も多いが、大阪都構想の実現という目標のもとに一致団結してきた。

ところが、その中核を担う「大阪府議団」の団結に揺らぎが生じているという。

この議員が続ける。

「去る5月11日に、府議団の代表選挙があったんです。候補となったのは、当選4回の鈴木憲さんと、ベテランの横倉廉幸さん。2人とも府議団の中核メンバーですし、色は違えど熱い議論を交わして、どちらが府議団の未来を担っていくのか、選挙を通じてみんなで決めればいいと思ってたんです。

ところが、両者の間でいわゆる派閥争いが起こった。それで、水面下でいろんな動きがあったんです。

僕は横倉派やったんですが、選挙の前に、鈴木派の議員から横倉派の議員に対して『お前らこっちに票入れへんと、どうなるか分かっとるやろな?』と圧力ともとれるような連絡がありました。

また、鈴木派の議員から『松井(一郎)さんから、鈴木さんを団長に推すようにというメールが来たので、みなさん鈴木さんでいきましょう』というような内容の一斉メールが送られてきた。

松井さんは誰かに肩入れするような人じゃないので不思議に思っていたら、後ほど別の議員からメールで『松井さんは中立です』という連絡が送られてきた。

どちらが正しいかはこの際もうどうでもよくて、いままではこんな内部抗争はほとんどなかった。それがメールでの伝達合戦や、圧力のようなことが生まれているのが悲しいんです」

代表選挙の水面下でこうした動きがあったことを嫌ってか、候補の一人であった横倉氏は、選挙直前の最終演説で「私は降ります」と出馬を辞退したという。

結果、鈴木議員が府議団代表に決まったわけだが、この議員はこう憤る。

「代表が決まった後、鈴木派の議員同士が『狙い通り、横倉さんが降りたな』と嬉しそうに話していたんです。そんな喜び方はさすがにおかしい。この話も結果的に議員の間に広まり、代表選挙を通じて一丸となるどころか、さらにギクシャクしてしまっていると感じています」

また府議団の別の議員は、「この選挙の前に、もうひとつ、どうしても腑に落ちないことがあったんです」と明かす。

「まだ日本でコロナが深刻化する前の今年2月下旬のこと。当時、中国のコロナ被害が大変なことになっていたから、府議団の総会で、中国に向けての見舞金を募ろうという呼びかけが出されたんです。

中国だけじゃなくて、アメリカや台湾・韓国でも被害があるのに、なぜ中国だけ? という疑問はありましたが、当時、中国領事館の新任総領事が着任するタイミングだったので、そういう政治的な狙いもあるのかな?と理解しました。あくまで議員個々人の判断でひと口5000円の寄付を募り、集まった額を見舞金として渡すということになりました」

この議員によると、約50人いる議員のうち30人前後が寄付をし、16万円ほどが集まったという。

「ところがその10日後の総会で、見舞金を中国新総領事に渡したという報告があったんですが、その金額が明かされなかったんです。寄付を募っておいて金額を明かさないのはおかしいですよ。それで、調べてみたところ、寄付額は50万円だと。50万円なんて額が議員からのカンパだけで集まるはずがない。

そのうえ、『みなさんから預かったおカネはいったん返金する』と言われたんです。では、その50万円はどこから出てきたのか。われわれが積み立てている団費から出されているのではないか――そのことについて、党幹部からの説明はありませんでした。

見舞金を出すのはいいですよ。しかし集まった額が想定より少なかったからなのか、万一それが団費から出されるのなら、説明が必要でしょ。不透明な形で進めたことはまったく納得できません」

この議員は、謎の見舞金と代表選挙のゴタゴタで、府議団への不信感を募らせているという。

「府議団の最大の良さは、議論と過程の透明性にありました。そこが、自民党など古い政党との最大の違いだったんです。

しかし、ここ最近の府議団はちょっとおかしい。グループ争いや不透明な決定が散見されるようになった。11月には大阪都構想の是非を問う住民投票が行われますが、内部が一致団結してないと、大阪をひとつに出来ないのでは? と疑問がわいてしまいます」

議員らの情報をもとに、維新の会府議団に見舞金の額や、代表選挙直前のごたごたについての事実関係を問い合わせると、「議員団総会等の場を通じて、引き続き、適切に対処してまいります。このたびのご進言と種々ご心配いただきましたことに感謝申し上げます」と、鈴木憲代表名義で返答があった。見舞金の額や出所等については具体的な回答はなかったが、今後、内々で議員らを納得させる説明がなされるのだろうか。

都構想を実現させるつもりなら、今後、明確な説明と透明性が求められることは言うまでもない。まずは議員団のなかでその徹底をはかることが必要ではないか。

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