コロナで感じた「死の不安」と「死後の世界」を原田龍二が探る

ミステリーチェイサー原田龍二の「奇怪倶楽部」file.020

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我々の日常はこれまで以上に死と隣り合わせになってしまった。

新型コロナウイルス感染による日本国内の総死者数は924人(ジョンズ・ホプキンス大学:6月12日調べ)。この数をどう捉えるかは、何と比較をするかによって変わってくる。アメリカの総死者数114.643人(同)と比較すれば圧倒的に少ないと感じるだろうし、死亡者数を人口10万人当たりで換算すると「日本の死亡者数はアジアでワースト2」となり、決して楽観できる数字ではない。

そんな「死」が毎日語られる日々の中で、死後の世界への関心がこれまで以上に高まったと語るミステリーチェイサーの原田龍二が、臨死体験がある生活カウンセラーの鈴木まりと語り合った。

原田「コロナが世間を脅かすようになってすでに4ヵ月ですが、ニュースで毎日、死亡者数の数を聞いたりすることが日常になってしまいました。当初はこれにすごい違和感を感じていましたが、残念ながら今はこれが当たり前になっていて、『死』が僕の想像以上に身近なもので、改めて死後の世界について考えることが多くなっています」

鈴木「そうですよね。私は東北の出身なので、東日本大震災での経験から『死』が一瞬にして人々に襲いかかり、平穏な日々を奪う恐怖を感じてはいましたが、今回のコロナは目に見えない・見えにくい恐怖と戦うという意味ではまた違った恐ろしさがあります。

ただ、命がこの世で消えてしまったことは悲しいけれど、だからといって死後の世界が恐ろしいものなのかというと、そうではないと私は思っています」

原田「それは僕も同じ考えです。これまで何度も未開の地へ旅をして、生きることと死ぬことが地続きの人々を見てきました。

例えばアマゾンのヤノマミ族は、赤ちゃんが生まれたときに母親が人間として育てるか、精霊として森に返すか決めるんです。“精霊に返す”といいますが、人工中絶ができないために生まれてきた赤ちゃんを“精霊に返す”という大義名分でバナナの葉に包んで森の中の蟻塚に入れるのだろうとは思います。

でも、そのような風習が現代において受け継がれているというのは、やはり彼らにとって生と死の境目がないというか、死ぬことが終わりではなく、生き物として大きな自然に還ることと捉えている側面もあるんじゃないかと思います。そして、そこにはきっと不安とか恐怖みたいな思いはないような気がします」

自らのアマゾンの体験で死生観が変わったという原田龍二

鈴木「わからないことって不安を助長させますよね。死後の世界はその存在も含めて、生きている私たちはわからないことばかりですから不安になるのは当たり前だと思います。でも、私は死後の世界を信じたいし、そこに恐怖を感じることはないと断言できます」

原田「それは何か体験をされたのですか?」

鈴木「実は私、高校時代と社会人になってからと、2回臨死体験をしているんです。そのときはもう“鈴木まり”という自分自身とか肉体の感覚は一切なくて、意識しか存在しない感じでした。目の前に木の門が見えてきて、それを抜けた瞬間、青空と緑の草原の丘が広がっていたのを覚えています。

とにかく幸せな気持ちで、丘を歩いていたら、前のほうに私を待っている人がいて、それが阿弥陀如来だったんです! 如来様がなぜか両手に紙袋とキャリーバッグを引きながら私を先導してくれて……。まさか私の荷物なのかな? と思って大爆笑をしていたところで自分の体の意識が戻ってきて、死の寸前に世界から戻ってくることができました」

原田「なんだかものすごいハッピーな話ですよね」

鈴木「そうですよね(笑)。どうしても日本人は幼少期から、死んだ後に天国に行くか地獄に行くか、審判をする閻魔様とか、八大地獄の話を聞いているので怖い印象がありますよね。でも、あんなに死後の世界が幸せなら、死ぬことを恐れて日々を生活することはないな、と気持ちを切り替えるようにしました」

原田「確かにお葬式って地方に行くとちょっとお祭りみたいな感じですもんね。お葬式の後にみんなでお酒を交わすのも、故人の新しい門出をお祝いしているような側面もあるのかもしれないですね」

鈴木「黒澤明の映画『夢』も描かれているように、地方によっては墓場まで参列者が練り歩くような、本当にお祭りのように送り出すところもありますし。そう考えると、今の世界はリハーサルで、まるで死んでからが本番なのかな、と思うことも時々あります」

原田「鈴木先生が先ほどお話をしていた“意識だけの自分”という感覚が僕はよくわかる気がします。僕は時々、今ここにいる原田龍二という“意識”だけが存在をしていて、体は借り物なんじゃないかと思うことがあるんです。人生ゲームのコマに、原田龍二の意識が乗っているというか……。そう考えると本当にこの今の人生はリハーサルというか、“意識の自分”を高めるための訓練のときなのかなとも思います」

鈴木「人生における挫折や、コロナウイルスという大きな脅威も、人生ゲームの中に書かれた、大きな課題と考えることができれば、少しは気持ちが救われることもあるかもしれません。でも、その課題は決してクリアすることだけがゴールなのではなく、結果はどうであれ、私たちが困難に対してどう立ち向かって行ったのか、その行動や思いが大切なんだと私は思います。

友人の話なのですが、父親が重病で入院したのですが、コロナ禍のため積極的な治療をしようにも万一のときに最期を家族が見送れない、ということで、病院での治療を諦めて自宅での緩和ケアに移り、その数日後に亡くなったという話を聞きました。

友人は「家族のためを思って、自宅でのケアという方法もあるのでは?」とお父様に話したため、積極的な治療を選ばなかったのかもしれない。そして、そのことを、お父様が本当は後悔をしていて、無念な思いを抱えたまま亡くなったのではないのだろうかと、落ち込んでいました。

でも、愛する家族と一緒に最期まで過ごしたいという思いから生まれた友人やお父様の行動は決して後悔するものではないと思いますし、原田さんとお話ししたようなことを伝えたところ、“家族を大切にしていた父らしい選択と思えるようになったし、この世から旅立つとき、そして死後の世界が幸せに満ちていると聞いてほっとした“と話をしていました。

世界はこれからも難しい局面に陥ることもあるかと思います。でも、“今は本番に向けて何度も練習を重ねているリハーサルなんだ”という考え方もあると思えば、少しは悲しみも癒されるのではないでしょうか」


死後の世界の存在を信じるか、信じないかは人それぞれだ。

しかし、現世では離れてしまっても、向こうの幸せな世界でいつか出会えるかもしれないという考え方は、生きづらい時代に小さな灯りを灯してくれる希望のひとつになるのかもしれない。

原田龍二(はらだりゅうじ)

1970年生まれ。数多くのドラマやバラエティで活躍。一方で芸能界きってのミステリー好きとして認識されており、近著に世界中のUMA(未確認動物)を紹介する『ミステリーチェイサー原田龍二の謎のいきものUMA大図鑑』がある。現在、「5時に夢中!」(MX)で金曜日のMCを務めるほか、「DAYS」(ニッポン放送)の毎週水曜日13時からのパーソナリティを務める。

鈴木まり(すずきまり)

生活カウンセラー。日本女性ヘルスケア協会長、株式会社ロサ代表取締役、アーユルヴェーダサロンROSA並びにジョホレッチスタジオを運営。大学・専門学校では心理学を専攻。西洋医学、東洋医学、心理学の広い分野から、カラダ、メンタル、環境、生活全般において年間約600名の女性たちの悩みに接している生活カウンセラーでもある。著書『48手ヨガ~江戸遊女に学ぶ女性ホルモンと体力活性法』(駒草出版)。

構成・企画  SUPERMIX

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