専門家たちが警鐘!「不気味な揺れ」頻出と首都圏巨大地震の関係 | FRIDAYデジタル

専門家たちが警鐘!「不気味な揺れ」頻出と首都圏巨大地震の関係

今年の地震回数は昨年の2倍以上。専門家が頻発する「不気味な揺れ」の原因を解説

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’16年4月の熊本地震(最大震度7)では、約21万棟の家屋が被害を受け、約8000棟が全壊、約3万棟が半壊した
’16年4月の熊本地震(最大震度7)では、約21万棟の家屋が被害を受け、約8000棟が全壊、約3万棟が半壊した

「最近やけに地震が多いなぁ」

外出自粛期間中、自宅でそう感じた人は多いだろう。それは気のせいではない。下のマップを見てほしい。今年4月~5月に発生した震度3以上の地震の回数は、昨年と比べると2倍以上なのだ。

日本列島各地の地盤で異変が起きていることは間違いない。

特に茨城県と千葉県ではM5クラスの中規模の地震が頻発している。地震学者で東京大学名誉教授の笠原順三氏が語る。

「この地震は、東日本大震災の余震活動です。これは太平洋プレートの沈み込みに関係しているものが多く、首都圏での大地震につながる危険性があります。1923年の関東大震災の際は、その1年ほど前に茨城県の龍ヶ崎でM7クラスの地震が起きている。今の状況はそのときの地震活動にやや似ていると思います」

長野県中部と岐阜県飛騨地方も要注意エリアだ。4月以降、震度1以上の地震がすでに170回以上も観測されている。

東海大学海洋研究所地震予知・火山津波研究部門長の長尾年恭教授が解説する。

「もともと長野と岐阜の県境は地震が起きやすい場所です。太平洋プレートとフィリピン海プレートに日本列島が押されると、このエリアで歪(ひず)みが解放される。ただし今回の群発地震はかなり大きい。身体に感じない地震を含めると4月23日から6月頭までで約1万8000回も起きている。長期化する傾向もあり、震源が浅いために揺れも大きいので、土砂崩れなどに警戒が必要でしょう」

また、下のマップには示されていないが、東京湾を震源とした小規模な地震が多発している。5月20日から21日にかけて、M2.6~3.5の地震が計6回も発生した。このエリアでは珍しい現象だ。

「それらは深さ20㎞ほどまでの浅いところで起きています。首都直下地震に関係していると言えるかもしれません。現段階で、政府が想定している震源ではありませんが、首都圏を襲う地震が起こるメカニズムを持っている場所です」(長尾教授)

その後、東京湾の地震は収まっているが、立命館大学特任教授の高橋学氏(災害史・災害リスクマネジメント)は「それが不気味なんです」と語り、こう続ける。

「それまで地震が起きていなかった場所で集中して発生した後、パタリと静かになる。それから約2ヵ月後に同じ場所でM3程度の地震が来る。その半日~3日後に巨大地震が来るというパターンはいくつも例があります。’95年の阪神・淡路大震災や’04年の新潟県中越地震、’16年の熊本地震、鳥取県中部地震などです。 

東京湾をはじめ、房総半島沖から相模湾にかけて伸びる相模トラフ沿いの地震に要注意です。千葉県や茨城県南部の地震もこれに関係していると思われます。さらに相模トラフが剥(は)がれて南海トラフに連動することもありえる。私は数年以内に相模トラフと南海トラフで超巨大地震が発生すると考えています」 

いつ巨大地震が起きてもおかしくない地域は他にもまだまだある。

「5月~6月に鹿児島の薩摩半島沖で震度4クラスの地震が起きています。これは熊本地震と同じ断層系が要因。今も歪みが溜まっているんです。紀伊水道(紀伊半島と四国の間にある海域)では、’17年から’18年にかけて身体に感じないM7近くの『ゆっくり地震』が発生していました。今年5月17日にもM4.6が観測されています。普段と違う地震が起こっている。これらは南海トラフ地震の予兆の可能性があります」(長尾教授)

前出の笠原氏はこう警告する。

「南海トラフの活動が活発になってきたと懸念しています。ただし南海トラフ地震より先に首都圏直下地震が発生する危険性のほうが高いのではないか。さらに言えば時間的には両方が接近して起きてもおかしくありません。首都圏の地盤が動くことで、南海トラフが動くということも十分ありえます」

地震大国ニッポン。Xデーはもう目前に迫っている――。

『FRIDAY』2020年6月26日号より

  • 撮影濱﨑慎治

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