分裂抗争が激化…山口組・髙山清司若頭が極秘上京した理由
岡山市内で発生した銃撃戦の決定的瞬間をとらえた動画が流出
20人前後の厳めしいオトコたちが、大通りの歩道に仁王立ちし、周辺に睨(にら)みを利かせていた。時折、タクシーや一般車が近くに路上駐車しようとすると、血相を変えて走り寄っていく。
6月5日の正午前、そんな尋常ならざる緊迫感の中、東京・六本木の一角にあるビルから現れたのは、「六代目山口組」の絶対的ナンバー2、髙山清司若頭(72)である(上写真)。隣には「稲川会」の内堀和也会長。後ろには「六代目」の最高幹部らが続く。ガード役の組員は皆マスクを着用し、直立不動で見守っている。
「このビルは稲川会の総本部です。髙山若頭は清田次郎総裁の誕生祝いに訪れていたんですよ。髙山若頭は普段は名古屋から関東に来る場合は新幹線を利用しますが、今回はクルマだったと聞いています。前日は箱根に滞在していたという情報もありました」(稲川会関係者)
この6日前には、「六代目」の二次団体の幹部が、敵対する「神戸山口組」の二次団体の若頭を岡山市内で銃撃して重傷を負わせ、逮捕されている。
緊急事態宣言が解除されたタイミングで、分裂抗争が再開されたのだ。「神戸」側からの報復が想定される中、なぜ髙山若頭はわざわざ上京したのだろうか?
六代目側の関係者が語る。
「もちろん稲川会との友好関係を重視しているということがあります。そして、白昼堂々と人前に姿を見せたのは、もはや神戸側には『返し』をする力は残っていないから恐れる必要はない、ということをアピールするためです」
暴力団組織を長年取材するジャーナリスト・溝口敦氏はこう指摘する。
「岡山県での銃撃事件も、髙山若頭の意向があったとしか考えられない。実際、神戸側はすでに戦意を失っているでしょう。とはいえ、神戸側のトップが自らバンザイすることは絶対にありえません。今後は抗争の終結を見越して、いままで功績をあげていない六代目側の組が、神戸側に攻撃を仕掛けていくということがしばらく続くと思われます」
抗争は今年に入れば、東京五輪の開催により、一旦、収まると見られていたが、もはや状況は逆。最終局面に入り、さらに激化していくことは確実だ――。
『FRIDAY』2020年6月26日号より
- 撮影:結束武郎