南北施設を爆破…!金与正過激化の裏で「正恩の重病説」再燃

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韓国を「ゴミ」と罵倒し南北共同連絡所の爆破を指示した与正氏。背景には兄・正恩氏の健康不安があるのだろうか

「韓国は、与正氏の強硬な姿勢に大混乱です。対北関係を重視する文在寅大統領は『対決の時代に戻ってはならない』と対話を求めましたが、彼女の言動は過激化する一方。6月16日には、予告通り韓国の事実上の大使館である『南北共同連絡事務所』(北朝鮮南部・開城)を爆破しました。『過ちを認め、なんらかの譲歩をするまで軍事行動も辞さない』という意志の表れでしょう」(韓国紙記者)

北朝鮮の金正恩委員長の妹・金与正氏の言動が、どんどん過激化している。韓国の脱北者団体が5月に散布した、正恩氏を批判するビラに激しく反発。「南朝鮮当局の下、クズどもが最高尊厳(正恩氏)を刺激した」「人間のクズが人間の真似をして、あのような行為をするとは。汚い口で吠え立てる野良犬と同じだ」と口汚く罵倒したのだ。6月13日には北朝鮮の対外宣伝サイト「我々の民族同志で」に、次のような談話を発表した。

「裏切り者たちとゴミどもに、犯した罪の大きさを気づかせなければならない。偉大なる尊厳を傷つけた重大さを、間もなく知ることになるだろう。ゴミはゴミ箱に捨てなければならない」

外交の場で温和な表情を見せてきた与正氏が、過激な発言を連発するのは極めて珍しい。対外的な批判が、北朝鮮国内で大々的に行われるのも異例だ。朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』などに与正氏の談話が載ったため、ビラの存在や正恩氏への批判をすべての人民が認識。北朝鮮全土で、韓国への激しい反発キャンペーンが起きているという。『コリア・レポート』編集長の辺真一氏が、背景を分析する。

「通常、北朝鮮幹部の談話は、正恩氏に委任されるという形で発表されます。しかし今回は異例です。与正氏が朝鮮労働党と国家から全権限を与えられたとして、コメントを出している。権力者として発言をしているんです。米国の“属国”とされる韓国へ強硬な態度を示すことで、自分が正恩氏の後継者であることを国内外にアピールする狙いがあるのでしょう」

3週間の静養を繰り返す正恩氏

だが、正恩氏はまだ36歳。後継者を決めるには、まだ早い印象を受ける。辺氏が続ける。

「正恩氏の健康問題が関係していると思います。正恩氏は5月に約20日ぶりに公の場へ姿を現しましたが、健康不安説は払拭できていません。そもそも北朝鮮で最も大切な日である4月15日(祖父・金日成主席の生誕日)に参拝を欠かしたのは、今年が初めてです。公式活動も激減しています。

昨年は4月から6月上旬にかけて、ロシア訪問をはじめ12回の行事に参加しました。しかし今年、同時期に活動したのはわずか3回。2~3週間の静養を繰り返しながら、公式行事に参加していることになります。再三、足を引きずるような姿も報じられてきました。

与正氏は、正恩氏がなんらかの病気に侵されていることを知っているのかもしれません。そのため、次期指導者として『敵国の暴挙には絶対に屈しない』という強い姿勢を示した。北朝鮮のリーダーは金一族から選ばれるとする『白頭の血統』を引き継ぎ、後継者としての地位確立を急いでいると思われます」

辺氏によると、北朝鮮には過去の教訓があるという。

「08年8月に正恩氏の父親・正日氏が、脳卒中で倒れた時のことです。それまであまり表に出て来なかった、妹の金敬姫(キム・ギョンヒ。正恩氏の叔母)が政治局員として党幹部に抜擢されました。翌年には『大将』の称号を得て軍も掌握。11年12月に正日氏が亡くなり正恩氏に権力が引き継がれるまで、国をまとめたと言われています。与正氏も今年から砲撃訓練など、軍の視察のため正恩氏に同行。すでに軍に対し、大きな影響力を持っていると思われます。

今回、北朝鮮の挑発に対し韓国が譲歩するようなことになれば与正氏の思うツボです。実績を大々的にアピールし、存在感がさらに増すことになるでしょう」

与正氏は、韓国に対して新たな軍事行動も示唆している。対外的な姿勢を過激化させる北朝鮮内部では、権力の移行が静かに行われているようだ。

  • 写真ロイター/アフロ

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