古い日本のスポーツカーがいま北米でバカ売れする理由
船積みを待つ大黒ふ頭にスカイライン、シルビア、スープラ、ランエボなどがズラり
日産のスカイラインGT‐Rやトヨタのスープラなど、’80~’90年代に青春を過ごした若者たちが憧れた国産スポーツカーがズラリと並んでいた。
上写真は横浜・大黒ふ頭。これから海外に輸出される、船積みを待つ中古車の待機場所である。どれも何世代も前の型落ちで、走行距離は10万㎞前後。日本では見向きもされないが、海外では大人気なんだとか。とくに北米では飛ぶように売れるのだという。
「本来、右ハンドルは例外を除いて北米では登録できません。ただしカナダでは15年、米国では25年、製造から経つと登録可能になるんです。映画『ワイルド・スピード』シリーズやプレイステーションのレースゲームに日本のスポーツカーがたくさん登場したことで爆発的な人気になりました。日本車はもともと性能が高いうえ、2年ごとの車検整備で、メンテナンスがしっかり行われているので、四半世紀を経ても極上の中古車が少なくありません。米国では20万㎞超えの中古車が平気で売られていますから、10万㎞程度では新車みたいなものなんです」(自動車ジャーナリスト・加藤久美子氏)
右ハンドルのちょっと古いスポーツカーが、いま海の向こうで愛されている。
『FRIDAY』2020年7月3日号より
- 撮影:加藤博人