腎臓移植手術から生還した南部虎弾「それでも舞台に立つ理由」 | FRIDAYデジタル

腎臓移植手術から生還した南部虎弾「それでも舞台に立つ理由」

過激なパフォーマンスで世界中を魅了する電撃ネットワークが結成30周年

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大病を経験した60代後半とは思えないエネルギッシュさの南部虎弾。髪型もずっと変わらない
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「人間は裸一貫で生まれて、裸一貫で死んでいく。どんなに格好悪くても、這いずり回って生きるのが自分の生き様です」

そう語るのは過激パフォーマンス集団『電撃ネットワーク』のリーダーである南部虎弾(とらた)(68)だ。生きたサソリを口に入れる「サソリ男」、鼻から入れた牛乳を目から出す「ミルクマン」など、良い子であろうとなかろうとけっしてマネできない“究極の肉体芸”で彼らはお茶の間を震撼させ続けてきた。そんな『電撃』が今年、結成30周年を迎えた。

「自分たちはこの30年間、テレビ番組のレギュラーが1本もなかったんですよ。それなのに世間に名前を覚えてもらえて、活動を細く長く続けられていることは、ある意味で誇らしいと思いますね」(南部・以下同)

洗剤の一気飲みなど、『電撃』のパフォーマンスはまさに命懸け。ウラではこんなピンチもあったという。

「学園祭に引っ張りダコだった頃、睾丸に巻いた紐をバイクにつけて引っ張るという芸をやっていたのですが、あるステージでパフォーマンスの途中でズルッと“袋の皮”が剥(む)けちゃった。もう痛くてしょうがなかったけど、その日以降も、包帯を巻いて仕事を続けました(笑)。

人間ポンプの芸でピラニアを飲み込んで、なかなか出てこなくて焦ったこともあったね。結局、ステージが終わって3時間後にビールを飲んだら気持ち悪くなって、トイレで吐いたら血だらけのピラニアが出てきたんですよ。次の日、病院に行ったら胃に穴が開いていました」

破天荒な芸ばかり披露するグループが長く続いている秘訣はあるのだろうか。

「反省会を一切やらないことかな。夫婦も同じだと思いますが、お互いに意見を言い合って仲良くやっていこうなんて絶対に無理。ウチのグループはスターがいるわけではなく、それぞれが職人です。口出しする必要はないし、協力しないと芸が成立しない。ステージも30%くらいできればいいという感覚ですね」

そんな南部氏だが、自身が患(わずら)った病(やまい)での入院中には「脱退」の二文字が一瞬だけ脳裏をよぎった。

「’17年3月に糖尿病が悪化して救急車で運ばれました。その時、呼吸が止まっていたんです。なんとか助かって心臓のバイパス手術を受けるために入院。さすがに『もう「電撃」は続けられないかもしれない』と考えていました。さらに昨年5月にはカミさんから腎臓を提供してもらい、移植手術を受けました。『今度こそ、もうステージには立てないかな』と諦(あきら)めかけましたね」

だが、「もう一度、お客さんを楽しませたい」という一心で度重なる手術を乗り越え、南部は昨年夏に復活を果たした。ところが、今度はコロナショックにより、今春の仕事は軒並みキャンセルに――。

7月で69歳。8月には誕生日イベント、さらに10月には結成30周年記念イベントが予定されている。

「これは一人でもやるという気持ちでいます。今、社会がコロナで弱った状態です。ステージで苦しんでいるボクらを見て、自分たちも頑張ろうと思ってもらえるようなネタをやります。どんなときでも、人生は楽しんだ者勝ちですよ!」

大病もコロナも、不死身の男・南部虎弾を止めることはできない。

弊誌の編集長席に座ると、缶ビールを額にくっつけるおなじみの芸を披露してくれた
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20代半ばの写真。髪もフサフサで爽やか。もともとは役者志望で、劇団に所属していた
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英国公演での記念写真。欧米では『TOKYO SHOCK BOYS』の名前で活動し、ステージで爆笑をさらった
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本誌未掲載カット 南部虎弾 腎臓移植手術から生還した″不死身の男″『電撃ネットワーク』リーダーインタビュー
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『FRIDAY』2020年7月3日号より

  • 撮影小松寛之(1・2枚目、5〜8枚目)

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