巨人・中島、阪神・糸井…アラフォー選手が今季プロ野球の起爆剤! | FRIDAYデジタル

巨人・中島、阪神・糸井…アラフォー選手が今季プロ野球の起爆剤!

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阪神との開幕戦では2安打1打点と活躍した巨人の中島。戦力外の危機から見事に復活している
阪神との開幕戦では2安打1打点と活躍した巨人の中島。戦力外の危機から見事に復活している

6月19日にスタートし、開幕カードを終えたプロ野球。試合は無観客で行われ、ファンはリモートで声援を送っている。そんな中、目立つのが各球団の“アラフォー”選手の活躍だ。巨人で丸佳浩や岡本和真の後を任され打線の中軸を担う巨人・中島宏之(37)、プロ野球史上5人目の40代開幕投手となったヤクルト・石川雅規(40)、打線が不振の阪神で唯一気を吐く糸井嘉男(38)……。3人のベテランが、オジサンになってもモチベーションが衰えない背景を取材した。

原監督の期待がプレッシャーに

「もっといい当たりで打ちたかったんだけどね」

残念そうな言葉とは裏腹に、試合後の中島の表情は明るかった。6月19日の阪神との開幕戦。6番スタメンで出場した中島は、4回2死二、三塁から阪神先発・西勇輝のシュートを三遊間に引っ張る。打球はボテボテだったが、全力疾走で同点となる内野安打とした。

「ナカジ(中島の愛称)は、本当に嬉しそうでしたよ。今季は春のキャンプから好調。新型コロナウイルスの影響で対外試合が自粛なった時は、状態を維持できるか心配しましたが、開幕から結果を出してくれました」(球団関係者)

中島にとって、今季は背水のシーズンだ。’18年オフにオリックスを自由契約となり、昨年1億5000万円で巨人と契約。主力として期待された。たが……結果は散々だった。出場試合数は43にとどまり打率.148、1本塁打、5打点。契約更改では87%の大幅ダウンとなる2000万円(推定)を受け入れざるを得なかった。

「中島の獲得は、原辰徳監督の意向です。原さんが日本代表の監督を務めていた’09年のWBCで、中島は打率.364、6打点と大活躍。日本の2大会連続2度目の優勝に、大きく貢献しました。中島はムードメーカーとして、ベンチでは最前列に立ちチームメイトを鼓舞した。原監督は中島の言動を高く評価し、巨人に入団させたんですよ。監督とはゴルフをともにするほどの仲です」(スポーツ紙記者)

だが、こうした“特別待遇”が逆に中島を苦しませた。

「期待の大きさがプレッシャーになったんでしょう。結果が出ない日が続くと本来の明るさが失われ、チーム内でも徐々に浮いていきました。気軽に話しをするのは、同じ西武に在籍経験のある炭谷銀仁朗ぐらい。本人は精神的に相当キツかったと思います」(同前)

最高出塁率2回、ベストナインを4回獲得した中島も、さすがに危機感を抱いたのだろう。春のキャンプでは、周囲にこう語っていたという。

「自分が甘かった。覚悟が足りなかった。このままでは(獲ってくれた)原監督に申し訳ない」

昨年は速球に差し込まれるケースが多かった中島。今季は始動が遅れないようにグリップの位置を下げ、足の上げ幅も小さくするフォームに改造している。石井琢朗・野手総合コーチから「オマエはパワーがあるんだから力まなくていいんだ」とアドバイスされ、動きを極力シンプルにしたのだ。こうした取り組みでレギュラーを奪取。現在の好調に結びついている。

“恩師”高津監督の指名で奮起

5回表、2死二、三塁のピンチを切り抜けると、身長167cmのエースはマウンド上で「よし!」と小さくガッツポーズを決めた。

6月19日、中日とのオープニングゲームに臨んだ石川。延長でチームは逆転負けを喫したものの、5回3失点と開幕投手の役割を十分に果たす投球内容だった。

「40歳にして開幕投手を務められたのは、今季から就任した高津臣吾監督の存在が大きい。石川がプロ入りした02年は、高津さんがヤクルトの絶対的な守護神として活躍していた時期です。高津さんは後輩思いで、ことあるごとに石川ら若手投手を食事に連れて行き、何かと助言を与えていました。小柄でプロでやっていけるか不安だった石川は、こんな高津さんのアドバイスを胸に171の白星を積み重ねてきたそうです。『小さなオマエが、他の投手と同じように球速を上げようとしてはダメだ。球のキレで勝負しろ』と。

今季は恩師である高津監督から、開幕投手の大役に指名された。石川が奮起しないワケがありません。『オレは野球界のカズ(三浦知良)になる』と、意気込んでいます」(球団関係者)

そうは言っても今年1月に40歳になった大ベテラン。ムリがきく年齢ではないだろう。

「石川は反骨心が強い。若い頃のパフォーマンスができないからと言って、年齢を言い訳にすることはありません。常々、こんなことを言っています。『選手にはケガをしない敏感さと、身体のどこかが痛くてもプレーを続ける鈍感さが大切だ』と。ちょっとケガをしたからと言って『痛い痛い』と言ってはダメ。選手にケガは付きものだから、ある程度は我慢が必要だ若手に話しています。石川自身が満身創痍なのに、弱音一つ吐きませんからね」(同前)

石川は残り29となった目標の200勝も、「今年達成できないことはない」と強気だ。

コメントも衰え知らずの“宇宙人”

「3150! サイコォォォォォォ~~~!」

開幕直前の甲子園球場に、糸井の咆哮が響いた。目を丸くする報道陣。昨秋、手術を受けた左足首の回復具合を記者に聞かれ、糸井は力強く絶叫したのだ。

状態が「3150(最高)」なのは、結果にも現れた。チーム打率.226と打線が低調な阪神の中で、ただ一人打率.333と好調を維持している(6月23日現在)。

「糸井は毎年、ソフトバンクの柳田悠岐やオリックスの吉田正尚ら各球団の主力打者と自主トレを行っています。彼らが活躍を目にするたびに『エグイ』と褒める一方、なぜか自主トレを主導しているのは自分だから『オレはアイツらより上を行けるハズだ』と自信を深めている。7月に39歳になる今季も、身体はオリンピック選手のようにムキムキです。客観的な判断など気にせず、自分の感覚やヒラメキを優先する姿勢が、好調につながっているでしょう」(スポーツ紙記者)

年齢を感じさせないパフォーマンスで、ファンを喜ばせているのは3ベテランとも同じ。ただモチベーションの維持の仕方は三者三様のようだ。

  • 写真時事通信社

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