勝てる可能性が薄くとも…山本太郎はなぜ都知事選に出馬したのか

公約は「都民に10万円配布」「東京五輪の中止」はたして結果は……

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今年3月20日、本誌の取材にも東京オリ・パラの開催反対を訴えていた山本太郎。今回の立候補に際し、公約に「中止」を掲げる

「1400万人いる東京都民に対して生活を直接底上げできる、(コロナ災害で)餓死する寸前だった人たちに対してすぐにでも手立てを打てるんだったら、そりゃ、目の前の東京都知事選に出るでしょうって話なんです」

6月15日、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)は、会見で東京都知事選に立候補する理由をこう力説した。

立憲民主党と共産党、社民党が支援する元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)や、日本維新の会が推薦する前熊本県副知事の小野泰輔氏(46)らがすでに立候補を表明しており、都知事選をめぐる野党の足並みはバラバラだ。

連日のように会見を行って、コロナ対策をアピールできる現職の小池百合子氏(67)の再選は確実視されている。それでも山本氏が立候補した真の理由とは何か――。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が解説する。

「山本氏とれいわ新選組にとって、支持拡大の原動力となるのは街頭集会でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で制限され、困っていました。昨年夏の世論調査で約4%もあった政党支持率は、今や2%もありません。

一方で、日本維新の会は吉村洋文大阪府知事が注目を集めて、野党トップになった。山本氏はネット上で色々とやってみたけど、埋没していく現状に焦りを感じていたのでしょう。目先の政治イベントである都知事選で、れいわ新選組や山本太郎の存在感を再び示したいと考えたのではないか」

たしかに昨年の参院選で、れいわ新選組は9名の候補者を擁立して「れいわ旋風」を巻き起こし、228万票を獲得。2人の重度身体障害者を当選させた。

しかし、コロナ禍の今、往時の勢いはない。

山本氏への取材を続けるフリーランスライターの畠山理仁(みちよし)氏がこう話す。

「れいわ新選組の候補者の『キャラ設定』は、生きるか死ぬか。候補者が負け戦とわかっていても、これだけは訴えたいという熱い思いがあるから、支援者たちも熱狂的に応援する。逆に言えば、熱に触れるイベントがないと、支持を集め続けることが難しいのです。

今回の都知事選で何もせずに座して死を待つよりは、負けを承知で火の中に飛び込む姿を見せて有権者を惹きつけ、乱気流を起こすのが狙いだと思います。今まで投票をしてこなかった人も、新型コロナで経済的に困窮しているところに『10万円を配る』という山本氏の演説を聞けば、足を止めるはずです」

「総理を目指す」と公言している山本氏が都知事選の先に見据えているのが、’21年10月までに必ず行われる衆院選だ。

前出の鈴木氏が言う。

「山本氏も小沢一郎氏から教わっているので、『野党は一つの塊にならないと与党に勝てない』ということはわかっています。だけど、今回の都知事選は山本氏が立候補を表明する前から野党共闘は崩れ、『小池一強』の状態でした。であるならば、自分が出馬して、れいわ新選組と山本太郎の名前をもう一度アピールする。コロナで生活が苦しくなった人には届くでしょう。山本氏が100万票を取って存在感を示せれば、衆院選に向けてプラス材料になると考えているはずです」

「れいわ旋風」を再び起こすことができるのか。山本氏の出馬で、都知事選がにわかに盛り上がってきた。

「『東京大改革2.0』を旗に都民の審判をいただく」と言う小池都知事。4年の実績とコロナ対策が問われる

『FRIDAY』2020年7月3日号より

  • 撮影鬼怒川毅

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