裸合成画像に激怒した金与正が繰り出す「次の一手」

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韓国の文在寅大統領を罵倒し兄・正恩氏並みの影響力を示す金与正氏(左)。写真は18年9月の南北首脳会談の様子

「韓国も北朝鮮も対応がヒドい。脱北者団体が散布したビラの中には、女性の裸の合成写真もあるとされます。事実なら、あまりにも中身が下品すぎる。単なるイヤがらせとしか思えません。北朝鮮も過剰に反応しすぎでしょう。そうした下品なビラでも体制を混乱させるのに効果があると、国内外にアピールしているようなモノですから」

『デイリーNKジャパン』の高英起編集長が語る。

韓国の脱北者団体が北朝鮮に巻いたビラが、波紋を広げている。金正恩委員長や妹の金与正氏、祖父・金日成氏の写真を並べ「民族の殺戮者」と非難。中には与正や、正恩氏の妻・李雪主の裸の合成画像まで含まれているという。金ファミリーだけでなく、自身も侮辱された与正氏の怒りは相当なようだ。

「ゲラ散布を黙認した文在寅政権を『ムカつく』『吐き気がする』と、激しい言葉で罵倒。南北融和の象徴である、南北平和共同事務所を爆破しました。さらに朝鮮人民軍を国境付近に展開し、韓国を挑発したんです。

韓国で大ヒットしているドラマにも、怒りの矛先を向けていると言われます。日本でもブームになっている『愛の不時着』です。韓国の若い女性経営者が乗ったパラグライダーが、誤って北朝鮮に不時着するという内容ですが、北朝鮮では麻薬がはびこり、拷問や処刑が頻繁に行われていると描かれ、与正氏は激怒しているとか。北朝鮮の対韓国宣伝サイトは『虚偽と捏造に満ちた不純極まりないドラマだ』と、痛烈に批判しています」(韓国紙記者)

「青二才の早まった行動」

先頭に立って韓国攻撃を繰り返す与正氏。北朝鮮で存在感を増す一方、意外にも国内で非難の声も上がっているという。前出の高英起氏が語る。

「米政府系の『ラジオ・フリー・アジア』が、北部・新義州の幹部が『(南北平和共同事務所を爆破して)なんの自慢になるのか』と話したと報じたんです。さらに幹部は、こう語ったと言われています。

『北南和解の象徴だった事務所を爆破したことは、政治的、経済的利益も得られず、国際社会の敵対感を大きくする。青二才の小娘の早まった行動だ。事務所が開設されて2年もたっていないのに、頭にきたからと爆破してしまえば、国際社会がわが国をどのように見るか想像できないのだろうか。“雌鶏歌えば家滅ぶ”という、ことわざ通りだ』と。北朝鮮では、年齢を重んじる儒教に傾倒する高齢者や党幹部は大勢います。若い女性の活躍をやっかむ人は、意外に多いんです」

強硬な態度を崩さない与正氏。対して兄の正恩氏は、朝鮮人民軍の行動を「保留する」とし寛容な態度を見せている。

「北朝鮮が得意とする揺さぶりですよ。強硬な妹と寛容な兄という姿勢を使い分け、韓国、さらにバックにいる米国からなんらかの譲歩を引き出そうとしているんです。一見、暴走しているように見えても、北朝鮮は決してデッドラインを超えません。したたかな外交戦略でしょう」(高氏)

平和外交の象徴として、韓国訪問時に微笑みを絶やさなかった温和な女性。一国の大統領を「ゴミ」と罵る冷酷な指導者。果たして与正氏の素顔は、どちらなのだろうか。

  • 写真ロイター/アフロ

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