文春はOKでスポニチはNG…“手越会見”で見えたブレーンの存在
たった1人のタレントの記者会見でここまでマスコミが過熱するのも珍しい。
ジャニーズ事務所を退所した元「NEWS」の手越祐也が、6月23日に記者会見を行った。
およそ2時間にわたって行われた会見はユーチューブでも配信され、最大130万人が視聴。おなじみ金髪ヘアーで登場した手越は一部で報じられたジャニーズ事務所との確執について「円満に退社した」と強調。増田貴久、加藤シゲアキ、小山慶一郎を「戦友」と称した。
手越は新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言下でたびたび外出。5月末にジャニーズ事務所から無期限活動休止を言い渡され、そのまま退社の運びとなった。
手越が会見で繰り返していたのは、ジャニーズの処分が退所の契機になったわけではないということ。
「5~6年前から男としてチャレンジしたい気持ちがありました。事務所とは今年の3月から話し合っていました。ファンと作ってきた4部作(全国ツアー「STORY」)を終えたタイミングで退所しようと思っていました。男・手越祐也32歳として、もう1度甘えずに、もうワンステップチャレンジしたい」
と述べた。手越は今後のビジョンについて、ツイッター以外のSNS開設やユーチューバー、ボランティアなどを上げ「米国にも攻めていきたい」と怪気炎。会見では終始、絶対なる自信がにじみ出ていた。
「話の内容はともかく、実に計算された会見だった。ユーチューバーとして活躍していく以上、チャンネル登録者の数が絶対条件。ただ会見を行うのではなく、ユーチューブと連動させたことで一夜にしてトップユーチューバーの仲間入りを果たした。
その辺りの助言は会見案内をうまくマスコミに流した人気ユーチューバーのヒカルさんの知恵があったのでは? 彼と手越さんはご近所同士で、以前から交流していましたから」(芸能プロ関係者)
マスコミの「選別」も行われた。テレビや新聞、ネット媒体が総じて入場が許可されるなか、一部の社は取材NGを通達されたという。
なかでも驚いたのは、一連の外出スキャンダルを報じた“文春砲”が会見場に入れて、朝刊紙の「スポーツニッポン」が会場に入れなかったことだ。ワイドショー関係者の話。
「スポニチとジャニーズは昵懇。以前の関係を考えるならば間違いなく会場に入れたはずです。ところが、独立した手越側はスポニチをNG扱いにした。細かい理由まではわかりませんが、スポニチが手越と滝沢秀明副社長の確執説を書いて、これに手越が怒ったという話がある。スポニチもスポニチで会見翌日の紙面では、手越が会見で『コロナうつされても面倒くさい』と話したことにスポットを当て、ボロカス書いていましたね」
ここからわかるのは、独立した手越の周辺に、芸能界やメディアに詳しいブレーンが存在しないということだ。前出のワイドショー関係者は、「芸能に詳しいブレーンがいたなら、今後のメディア戦略を考えて、もし本人が嫌がっているのだとしても、スポニチを遠ざけることはしない。芸能とは違うジャンルの人が背後にいるように思う」と話す。
会見に同席した高野隆弁護士もそうだ。同氏は日産自動車前会長で、保釈中に「海外逃亡」したカルロス・ゴーン被告の弁護団を務めた大物。ネット上ではジブリ映画の宮崎駿氏似の風貌でネタにされているが、手越が大物弁護士を差配できるとは、普通には考えづらい。
フジテレビ系『とくダネ!』の小倉智昭キャスターは
「ジャニーズ事務所が弁護士を双方、立てて話し合いをしましょうという時に、普通だったらこれだけの辣腕弁護士に頼めないですよね。誰かバックボーンになる人がいて、紹介をしたとか、その人がある程度の協力をするっていうことなんじゃないか」
と指摘。舞台裏を知る人物は、
「手越にいろいろと入れ知恵し、人脈を紹介した人物が複数いるようだ。手越個人の交遊関係で出会ったようだが、彼らは手越を使って、全く新しい芸能界の形を描こうとしている。手越はそうした連中の神輿に過ぎないのではと心配している」
と意味深に語る。はたして、旧態依然とした芸能界に手越が風穴を開けることになるのか――。
- PHOTO:蓮尾 真司