裸の写真散布の真相…韓国のビラが中傷した「金正恩夫人の醜聞」

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塩辛工場を視察した金正恩委員長に同行する夫人の李雪主氏(右端) 写真:アフロ

「脱北者からのビラには、北朝鮮指導者の夫人を侮辱するような写真も含まれていました。わざわざ専門ソフトを使い、下劣な画像を作った。あまりに低俗な内容に、北朝鮮の指導部だけでなく一般住民も強い怒りにうち震える事態となったんです」

6月29日、ロシアの駐北朝鮮大使アレクサンドル・マツェゴラ氏は国営タス通信の取材に対し、このように話した。

韓国の脱北者団体がまいたビラは、北朝鮮の猛反発を招いている。金正恩委員長の妹・金与正氏は、散布を黙認した文在寅大統領を「吐き気がする」「ムカつく」「クズ」と罵倒。平和の象徴である南北共同連絡事務所を爆破してしまった。『デイリーNKジャパン』の高英起編集長が語る。

「以前から日本の卑猥なビデオのパッケージに、正恩氏の夫人・李雪主(リ・ソルジュ)氏の写真を合成した画像がまかれていました。中には、韓国の大統領と身体を密接させる李氏のビラもあったとか。画像を見た韓国の人々は、『こんなものが散布されたら北が激怒するのも当然だ』と話していたそうです。最高指導者やその家族を揶揄するのは、最大の侮辱と言えるでしょう」

転機は7年前の公開処刑

韓国の報道によると、こうした写真がまかれ始めたのは7年前の13年のことだ。高氏は、この時期がポイントだと考える。

「13年は、李雪主氏がかつて所属していた銀河水管弦楽団と旺載山芸術団の楽員9人が、機関銃や火炎放射器で公開処刑された年です。韓国では、二つ事案が処刑理由として報じられました。

一つは、楽員が北朝鮮で禁じられている性的なビデオを作製し、李氏も出演していたというもの。もう一つは、彼らが李氏の過去の異性関係を吹聴したというものです。正恩氏は愛する妻の真偽不明の醜聞に激怒し、楽員たちを公開で殺害したと。李氏の合成写真が韓国からまかれたのは、処刑が行われた時期と重なります。金ファミリーのスキャンダルを揶揄した、韓国側のイヤがらせでしょう」

当時も、北朝鮮は激しく反発。「米帝の犬の卑劣な所業」と韓国を批判した。だが、こうした過剰な反応が韓国側の行動をエスカレートさせていると、高氏は解説する。

「韓国側のビラからは、北朝鮮の人々がいかに非民主的な生活を送っているか知ってもらおうという真摯な姿勢が感じられません。裸の合成写真など、内容が下劣すぎます。一方の北朝鮮は、金ファミリーのスキャンダルということもあり過剰に反応してしまう。無視していれば良いのに、韓国側に下品な写真でも金体制を動揺させるのに十分な効果があると教えているようなものでしょう。低俗なビラが繰り返し散布されるのは、こうした北朝鮮の稚拙な対応も影響していると思います」

悪意に満ちた合成写真が、南北平和の大きな障壁となっている。

  • 写真KNS/KCNA/AFP/アフロ

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