「開幕ダッシュに大失敗した阪神」にそれでも期待できる5つのワケ

打ち始めたボーア、守護神・藤川の復活。阪神タイガースはこれから間違いなく浮上していく、これだけの根拠!

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阪神タイガースの浮沈はジャスティン・ボーア(左)のバットにかかっている

開幕から約2週間が経過した今年のプロ野球だが、セ・リーグで大きくつまずいたのが阪神だ。巨人との開幕カードで3連敗を喫すると、続くヤクルト、DeNA、中日とのカードも負け越し、12試合目で早くも10敗に到達した。セ・リーグで過去に開幕12試合以内で10敗に到達したケースは12度あるが、最終順位は全てBクラスとなっている。

今年は開幕が遅れた影響で既にシーズンは10分の1を消化しており、セ・リーグはクライマックスシリーズが行われないこともあって、早くも優勝、日本シリーズ進出は絶望という声も聞こえてくる。ただ、今回はそんな瀕死の虎に少しでも元気になってもらいたいと考え、あえて明るい材料を取り上げてみたいと思う。

①大砲ボーアに浮上の兆し!?

貧打解消の切り札として大きな期待を受けて今季加入したのがメジャー通算92本塁打の実績を誇るボーアだ。開幕から18打席ノーヒットと最悪の滑り出しとなったが、6月24日のヤクルト戦で来日初安打を記録して以降は、スタメン出場した全ての試合でヒットを放っている(※7月5日終了時点)。7月1日の中日戦では、これまで全く打てていなかった左投手から来日初ホームランを放つと、5日の広島戦では満塁ホームランで試合の流れを決定づけた。ボーアが中軸として機能してくれば、得点力不足は大きく改善してくるはずだ。

②梅野がセ・リーグナンバーワン捕手へまっしぐら

阪神がセ・リーグの他5球団と比べて大きな強みと言えるのが、正捕手である梅野隆太郎の存在だ。昨年は捕手としてのシーズン補殺数日本記録を樹立し、2年連続でゴールデングラブ賞に輝いている。補殺とは送球した側の選手に記録されるもので、捕手の場合は盗塁阻止、ゴロを処理したもの、三振振り逃げを狙った走者を一塁でアウトにしたものにカウントされる。目立つ記録ではないものの、それだけ梅野の守備力が高い証明と言えるだろう。

今季はここまで坂本誠志郎、原口文仁との併用が続いているが、7月5日終了時点でまだ盗塁を一度も許しておらず、打率も規定打席未到達ながら3割を大きく超えている。扇の要である梅野が更に存在感を示すことができれば、攻守両面でチームに与える好影響は計り知れないものがあるだろう。

③40歳の守護神、藤川の復調に期待!

昨年のチームを支えたのは間違いなくリリーフ投手陣だった。しかし今年はここまでは中盤以降に突き放されるケースが多い。抑えの藤川球児も6月25日のヤクルト戦では1点リードの場面で登板して逆転サヨナラスリーランを浴び、今季初セーブを挙げた6月27日のDeNA戦でも満塁のピンチを招く不安定な内容だった。

しかし昨シーズンの藤川も調子を上げたのはシーズン中盤以降であり、まだまだ調整段階にあるともいえる。松坂世代では初となる名球会入りの250セーブも目前に迫っており、節目の記録が大きなモチベーションになっていることもプラス材料だ。昨年終盤に見せたような圧巻のピッチングを再び見せてくれることも十分に期待できる。

④若虎が二軍で躍動。西、井上の高校卒コンビの存在を起爆剤に

昨年のドラフトでは指名した6人のうち5人が高校生というこれまでにない戦略を見せた阪神。中でも1位の西純矢2位の井上広大には将来のチームを支える存在として期待が大きいが、ここまで才能の片鱗を十分に見せている。西は7月2日に行われた二軍の広島戦に初先発すると、4回2/3を投げて被安打わずかに1、1失点という見事な投球を見せた。

また井上も同じ試合でプロ入り初となる公式戦ホームランを放っている。二人とも今年の戦力として計算できるわけではないが、今までのチームに不足していた高校卒のスケールの大きい選手が加わったことでチーム全体の雰囲気が明るくなることは期待できそうだ。

⑤苦しいのは阪神だけではない。他の5球団も決め手には欠ける

ここまでは巨人とDeNAが順調な滑り出しを見せているが、変則日程の影響で両チームとも本拠地での試合が多く、そのアドバンテージを生かしただけという見方もできる。先発投手陣のコマ不足はどちらの球団も課題であり、巨人はデラロサが故障、DeNAは山崎康晃が不調と抑えにも不安を抱えている。また広島、中日、ヤクルトの3チームも優勝を狙うための戦力はとても十分とは言えない。どの球団も、今の阪神のように大きく成績が落ち込むタイミングが来ることも大いに考えられるだろう。

最後の⑤については阪神自体の問題ではないが、セ・リーグに関してはどの球団も戦力不足であることは間違いなく事実である。また、阪神は昨シーズン終盤に驚異の追い上げを見せて3位に滑り込んだという経験も大きなプラスと言える。シーズンはまだまだ始まったばかり。ここからファンも驚くような逆襲を見せてくれることを期待したい。

  • 西尾典文(にしお・のりふみ)

    スポーツライター。愛知県出身。’79年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究(PABBlab)」主任研究員。

  • 写真時事通信社

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