ウナギも捌く“宮崎あおい似”ユーチューバーMai「人気の秘密」 | FRIDAYデジタル

ウナギも捌く“宮崎あおい似”ユーチューバーMai「人気の秘密」

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昨年6月に、自身のYouTubeチャンネル「1人前食堂」にて料理動画の配信を始め、たったの1年で登録者数25万人超えを誇る、超人気YouTuberへと急成長を遂げたMai氏。

鰻もさばく、24歳のYouTuber・Mai氏(「1人前食堂」より)

小麦不使用のヘルシーなお菓子、ダイエットにおすすめの低糖質ごはんなど、女子ウケしそうなものから、サワラやタラ、さらには生きたうなぎまでさばく超本格的な料理までを幅広く披露。予測不能なレパートリーは、大勢いる料理系YouTuberの中でも唯一無二の存在だ。

また、食材をすみずみまで丁寧に扱う姿勢、匠な包丁さばき、過剰なテロップのない美しい映像、抑揚のない語りが妙に心地いいナレーションなど、見れば見るほど魅力に気づき、どんどん引き込まれていくーー。

そこで、可愛らしいルックスからは想像しづらいほどたくましい料理の腕を持つ、YouTuber・Mai氏の独占インタビューをお届けする。

ーー料理に目覚めたのはいつ?

料理が楽しいと思い始めたのは幼稚園もしくは小学校低学年くらいだったと思います。休日になると母とお菓子作りをしていたのですが、その頃から料理に対して意欲的だったそうです。目分量でちゃちゃっと作る母の姿を、「かっこいい!真似したいな!」と、幼い頃からよく観察してました。

本格的に料理を始めたのは、ひとり暮らしを始めた大学生の頃ですね。我が家は4人兄弟の6人家族。いつも台所に立っていた母に、休日に帰省するたび、ひじき煮やきんぴらなど基本の和食レシピを3品ずつ教えてもらっていました。

ーーその頃から料理関係の仕事に就くつもりだった?

今でも頭の片隅にずっとあるのですが、高校生の頃はとにかく食べることが大好きで、カフェを開くことが夢でした。けれど、我が家の風潮として「料理を仕事にする」という選択肢がなかったので、料理はあくまでも素敵な趣味として楽しむことに。他のご家庭でもよくあることだと思うのですが、小さい頃から「将来的にはいい大学を出て、どこか立派な企業に就職する」ことが理想だと、そう教育を受けていました。

大好きな料理漫画『美味しんぼ』の登場人物たちも会社員として働きながら食を謳歌していたし、「一度は就職してキャリアウーマンもカッコいいな」なんて思ってました。なので、とくに違和感なく就職活動をし、 大学卒業後は“お堅めの会社員”として、やりたかった仕事に就きました。

ーーYouTuberとして活動をし始めたきっかけは?

YouTuberのように何か新しいことを企画したり、映像を作って発信したり。そういう仕事のほうが自分には合っているんだろうなと、わりと早い段階で気づきました。

日々いろいろな仕事をしていると、おのずと責任感も生まれてきますよね。世間に誇れるほどに経験を積むのも、キャリアとしてひとつの手だったとは思います。けれど、「時代は刻一刻と進化しているし、今すぐ行動に出ないとまた状況が変わってしまうんじゃないか」。そう思って仕事はすっぱり辞めました。

それがちょうど1年前のことだったのですが、あと1年遅ければ、コロナ禍の影響で仕事がさらに忙しくなり、辞めづらくなっていたはずです。そして、やはり自粛期間中に料理に興味を持ち、私のチャンネルを見つけてくれる人も多かったと思うので、あの時行動に移したことは奇跡だったと思います。

ーーMaiさんのチャンネル「1人前食堂」のコンセプトは?

動画の中では、黙々とひとり分のごはんを作って楽しんでいますが、紹介する食材やレシピに愛着を持ってもらいたいと思ってやっています。そして、そのときどきで変わるマイブームを、いちはやく動画にしています。過去の配信を見返すと、ブームの遍歴が一目瞭然!

ーー秋鮭をさばいていくらのフルコースを披露したり、天然うなぎをさばいて蒲焼にしたり……料理のスキルはどのようにして磨いたのでしょう?

YouTubeで職人や料理人の方が丁寧に説明してくれている動画があるので、とにかくたくさん観て勉強しました。産地直送の鮮魚5点盛りセットを週末に届くようにして、見よう見まねで黙々とさばいて。毎回、いろいろな種類の魚がランダムに入っているのですが、魚によってさばき方が全然違うので、調べてはさばき、失敗してまたさばいて……をひたすら繰り返しましたね。

釣り好きの祖父が、よく海で釣った魚を家に持って帰ってさばいているのを幼い頃から隣で見てきたし、小さい魚は私がさばくこともあったので、なんとなく「いけるやろ」みたいな自信のようなものがありました(笑)。

ーーたくさんのレシピを紹介されていますが、レパートリーの幅を広げるためにしていることは?

いくつかあるのですが、料理動画や料理本から、いいなと思うポイントをメモしておいて、あとで別々のレシピのポイントだけを組み合わせて新しいレシピを作る、というのはよくしています。また、気になる食材は積極的に使いたいので、相性のいい食材同士の組み合わせや調理法をとにかく試しますね。

買い忘れからレシピが生まれることもあります。例えば、とろとろの中華スープを作りたかったのに、片栗粉を買うのを忘れた……なんてときに、ちょうど余っていたなめこを入れたら、意外とおいしくて、片栗粉よりも糖質が低くてヘルシーな中華スープが完成したり。

今はコロナウィルスの影響でできませんが、大好きなコース料理を食べに行って、そこで料理人の方と仲良くなっていろいろ教えてもらったり、旅先で食べたものを家で再現することも。

ーー1人前とはいえ、結構なボリュームのあるごはんをたくさん食べているのに太っていないのが不思議です。体型維持のために取り入れていることは?

動画でもお話ししていますが、私はごはんが大好きなので、毎日男性の平均摂取量は余裕で食べます。当然ながら、食べすぎるとプクプク太ってしまうので、月に1〜2回、発酵食材や糖質オフメニューを食べ続けるリセット週間を設けてコントロールするようにしています。

ランチ 低糖質・鶏胸肉のキーマカレーと玄米ご飯(「1人前食堂」より)

好きなものを食べるためにはやっぱり出すことが大切! 腸内環境にいいデトックス効果のある食材を意識的に摂るようにしています。とはいえ、やっぱり自炊をするようになって太りにくくはなりました。

夜 低糖質・高タンパク食。鶏胸肉のバンバンジー、もやしと木耳の中華スープ、あさりとひじきのそばパスタ(「1人前食堂」より)

過去の経験から、コンビニごはんだと、心が満たされないので、つい食べ過ぎてしまうんですよね。けれど、1日1食だけでも、本当に食べたいものを丁寧に作って食べると、満足感が得られるので食べ過ぎない。私の場合、自炊をはじめてから、5キロは痩せました。

ーー鮮明な映像美と、ポイントを捉えしっかりと映し出すカメラワーク。撮影のこだわりは?

カメラを2台使い、モニターで自分の姿を確認しながら、すべてひとりで撮影しています。我が家のキッチンは、朝は自然光が差し込み、夜は暖色系のライトがついているので、あまり特別なことをしなくても、いい感じに仕上がるのかも。

こだわっているのは、カメラの角度とカット割り。毎回おいしく見える位置を細かく調整したり、カット数をかなり増やして、おいしく見えるシーンだけを切り取っています。

ーー部屋を選ぶときにキッチンに求めるものは?

動画を撮る前提で選んだ今の家は、オープンキッチンなのですが、やっぱり開放的でいい! 友だちが来ても、話しながら料理ができますし。すっきりさせたいと思いつつ、いろいろなものを置きたいのである程度の広さも欲しいところ。コンロはガス、口も多ければ多いほどいいですね。

大学時代に住んでいた家は、DIYができる古い建物だったので、キッチンに天板をつけたり、マーブルのタイルを貼って楽しんでいました。

ーーストレス発散法、または気分転換は?

編集作業で家でパソコンをずっと触っているとしんどくなってくるので、そういうときは、好きな曲を聴いて、ソファでゴロゴロしながら本を読みます。好きなミュージシャンはたくさんいますがくるりさんが好き。作家は、昔からずっと読んでるのは村上春樹さんと森見登美彦さん。最近は今村夏子さんの作品を読んでいます。

ーー得意料理TOP3を教えてください!

【得意料理】
1位:ハンバーグ
隠し味にマヨネーズを入れるとふっくら仕上がります。ポイントは、お肉と塩を先に結ばせた方が、焼いているときに肉汁が漏れない!

2位:牛肉を使ったカレー
カレールゥで作る家庭的な牛肉カレー。お肉と野菜をしっかり炒めてから、ローリエと水でじっくり煮込みます。隠し味には、蜂蜜と物足りなければ(関西出身なので)ソースを入れて。

3位:豚の角煮
母から教えてもらったレシピがベース。豚の角煮は、調味料の黄金比率(醤油:酒:砂糖は2:1:1)を覚えておけばいいと教わりました。他のお惣菜を作るときもその比率を覚えておけば手軽に作れるから、一人暮らしを始めるときに母の比率を盗みに実家に帰省してました。

ーー好きな調味料は?

ハーブ、最近ハマっている塩麹、甘酒、ナンプラー、こだわりの牡蠣を使ったオイスターソース。あと、私の料理に欠かせないのが、自炊を始めた大学1年生の頃から使っている「ラカントS」。しっかり砂糖の役割をしてくれるのに、糖質、カロリーゼロ。これを使うと罪悪感が軽減されるようで、気にせずたっぷり使えます。あと、「カマダのだし醤油」も欠かせませんね。凝った料理よりも、たまごかけごはんやシンプルな炒め物や麺料理によく登場させます。

ーー最後の晩餐は何が食べたい?

からあげ、エビフライ、トンカツなど、揚げ物を罪悪感なく好きなだけ食べたい!

ーー今後作ってみたいごはんは?

自分で製麺した麺でパスタやラーメンを作りたい。あと燻製、郷土料理を現地で勉強してみたいです。

ーー今後の活動は?

YouTubeで動画を配信しながら、雑誌やウェブメディアでレシピを提供する機会が増えてきました。最新では、レシピ紹介ではないですが、with8月号「『死んでもモノを置かない』を実践してみた」に登場しているので、ぜひ見ていただけるとうれしいです。

なによりもMaiさん自身が楽しみながら料理をしているのが伝わってくる「1人前食堂」。「1人だから何でもいいや」ではなく“自分のためだけにつくるごはん”が、実は最高の贅沢品なのだと気づかされる。

1人前食堂 Mai Cooking geek/ 食材・料理愛好家

大阪府出身、東京都在住。24歳。
2019年から、素敵な食材・ハーブ・スパイス・
頑張り屋のキッチン道具を愛する日々を徒然に発信する
YouTubeチャンネル「1人前食堂」を開始。
料理を通じて、全国の食材と人々をつなげるべく、活動中。
丁寧な料理動画だけでなく、ラジオ動画にも定評がある。

メインチャンネル:1人前食堂

サブチャンネル:1人前食堂 Maiのゆるらじお

  • 取材・文大森奈奈

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