『やまとなでしこ』 20年ぶり再放送も松嶋菜々子が清々しい理由 | FRIDAYデジタル

『やまとなでしこ』 20年ぶり再放送も松嶋菜々子が清々しい理由

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20年ぶりの放送でも演技に清々しさが感じられる松嶋。反町隆史との夫婦仲も円満なようだ(13年5月撮影) 写真:ロイター/アフロ
20年ぶりの放送でも演技に清々しさが感じられる松嶋。反町隆史との夫婦仲も円満なようだ(13年5月撮影) 写真:ロイター/アフロ

20年ぶりに再放送された、松嶋菜々子(46)主演の伝説の恋愛ドラマ『やまとなでしこ』(フジテレビ系)。前編は視聴率こそ9.7%だったが、SNSのバズり方はすごいことになっている。「20年経っても新鮮。大好きなドラマです!」、「松島菜々子が可愛すぎる♡♡♡」とまさに沸きまくっている。

ストーリーは、松嶋演じる玉の輿に乗りたいスチュワーデス(現在はCAという呼称に変更)・神野桜子の婚活物語だ。しかしこの桜子のキャラがとにかくすごい。お金持ちにしか興味がなく、リッチな男性と見れば、美貌を武器になりふりかまわずアプローチし虜にしていく。決め台詞は「今夜はたった一人の人にめぐり逢えたような気がする♡」だ。桜子はすでに病院の御曹司・東十条(東幹久・50)と婚約しているのだが、それでも満足せず、もっとお金持ちはいないかと日々合コンに明け暮れているのだ。

そんな桜子だったが、元数学学者で、現在は魚屋を営む貧乏な男・中原欧介(堤真一・56)に出会い、お金と愛の間で葛藤し始める……。

このように桜子は、ハッキリ言って強烈なまでの打算的な女性だ。「この世で一番嫌いなものは貧乏。女を幸せにしてくれるのはお金だけ」と言い切り、欧介のこともお金持ちでないと分かった途端、あっさり切り捨てる。しかも自分の部屋が火事になったとき、決死の思いで桜子の洋服を取ってきてくれた欧介に対し「これだけ!?」と言い放つ非情っぷりだ。

時代が桜子に追いついた!?

しかしなぜだろう。20年前にオンタイムでこのドラマを見ていた視聴者からは、こんな声が多く上がっているのだ。「桜子は当時も面白いキャラだと思ったけど、今見ると当時以上に清々しさしか感じない」と……。

その理由は一体何なのか? 某ドラマライターは、「逆に時代が桜子に追いついてきたのでは?」と分析している。

「放送当時から日本は大きく変わり、リストラ、非正規雇用は当たり前、日本全体の年収中央値は360万円という社会になっています。勝ち組・負け組、上級・下級国民なんて言葉も生まれ、今やお金が重要というのは共通認識に。桜子の発言に違和感を覚える人は少ないでしょう。

しかし嘘みたいですが、20年前は本当に『愛があればお金なんて』、『貧乏でも家族がいれば幸せ』といった価値観が主流だった。それだけに『お金が一番』と言い切る桜子のキャラに新鮮さを感じたのでしょうが、今となっては共感しかありませんね」

一方で、婚活記事を多く手掛けるライターは次のようなことも指摘している。

「桜子は高望みをしているようで、実はそうではありません。結婚相手に求めるものはただ一点、お金のみ。後輩たちに『借金まみれのハンサム男と裕福なブタ男、どっちが女を幸せにしてくれると思いますか?』と問い、彼女自身は裕福なブタ男を選ぶと言っているように、妥協しまくっているのです。

しかし現在の婚活市場で結果が出せていない女性の多くは、桜子とは真逆。“そこそこガール”などとも言われているのですが、『年収もそこそこでいい、見た目もそこそこでいい、価値観が合う人なら』と言うのが口グセ。一見高望みしていないようで、あれもこれもと求めている。本気で結婚したいなら桜子を見習えと言いたいですね」

実に学ぶところの多そうな桜子の婚活。さて後編では、彼女はどんな名セリフを吐いてくれるのか? 引き続き大注目だ。

  • 取材・文奈々子

    '72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 写真ロイター/アフロ

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