東京都知事選2020「一番得した」のはこの人たちだった

圧勝の再選も小池百合子を待つのは茨の都政 結局22人の候補者で一番得したのは誰か?

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
都庁での定例会見で新型コロナ対策を発表する小池百合子氏。選挙期間中は一度も街頭で演説することなく、圧勝した

7月5日20時、東京都知事選の開票開始と同時に、小池百合子都知事の当選確実が報じられた。下馬評通りの圧勝だった。しかし、都政には新型コロナ対策や東京五輪・パラリンピックの延期問題、さらには逼迫(ひっぱく)する財政など、難題が山積みだ。小池氏は会見で「大切な2期目の重責を担っていく」と述べたが、この言葉を真に受ける政界関係者はいない。いつ小池氏が国政に転じるか――それが、永田町の関心事だ。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が解説する。

「小池知事は次の衆院選の直前に何らかの理由をつけて、都知事の椅子を放り出し、国政に転じると言われています。参考になるのが、石原慎太郎元都知事の動きです。石原氏は4期目の途中で辞任し、副知事だった作家の猪瀬直樹氏を後継候補に指名して、国政に転じました。

小池知事が国政復帰を目論んでいるのだとすれば、同じく後継候補に指名できる人材を副知事として登用するはずです。その候補に名前が挙がっているのが、今回の都知事選で争った小野泰輔元熊本県副知事なのです」

小野氏は東京都でまったくの無名ながら、都知事選に立候補。日本維新の会の推薦を受けて活発な選挙戦を展開し、3週間で61万票を集め、得票数4位と健闘を見せた。その小野氏を副知事に抜擢(ばってき)し、国政復帰時の後継候補にするのではないかと、角谷氏が推測する。

「小池知事は今さら自民党には戻れないし、かといって希望の党創設で野党をバラバラにした過去があるので、旧民主党系の政党にも入れません。国政に戻るとなると手を組めるのは維新しかないのです。一方の維新にとっても、大阪と東京両方のトップを手にすることができる、非常に魅力的なシナリオです」

東京と大阪で共闘する可能性

この話を裏付けるような出来事を、国民民主党関係者が明かす。

「今回の都知事選では、新型コロナ対策で全国的な人気を集めている維新副代表の吉村洋文大阪府知事が小野氏の応援で東京に入るはずでした。

しかし、最終的にはオンラインで二人が対談しただけ。新型コロナ対策を理由にしていますが、実際は小池氏と維新の吉村氏が全面対決する構図にならないよう、配慮が働いたと言われています。将来的に東京と大阪のトップが共闘する可能性も否定できません」

小池氏が小野氏を抜擢するかどうかはともかく、これまで大阪の地域政党に留(とど)まってきた日本維新の会にとって、首都圏で存在感を発揮できたのは大きい。

一方、他の野党は危機的状況だ。

「野党が一つになるよう、馬淵澄夫氏や安住淳氏らが水面下で動いています。衆院選までに合流できないと野党は存続すら危なくなる。一方、安倍政権は次の総選挙の目玉として『減税』の検討を始めたとの話もあり、野党は崖っぷちです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)

さらに、野党が一塊になれないネックがある。消費税減税を掲げるれいわ新選組代表の山本太郎氏の存在だ。今回の都知事選では公示直前に「後出しジャンケン」で立候補し、立憲民主党や共産党などが推薦する宇都宮健児氏と票を食い合った挙げ句、共倒れになった。

「山本氏が宇都宮氏よりも多く得票していれば、次期衆院選の顔として、山本氏を前面に押し出す可能性もありましたが、蓋を開けてみれば宇都宮氏が2位。そのため、立民のほうかられいわに歩み寄ることはないでしょうし、れいわも独自路線で行く可能性が高い」(フリーランスライターの畠山理仁氏)

野党が潰し合った今回の都知事選。結局、「真の勝者」は独自候補者を擁立しなかった与党・自民党かもしれない。

投票当日、記者会見を行った山本太郎氏。ラジオ局からの電話取材に応じ、悔しさを滲ませた
得票数4位と健闘した小野泰輔氏。「ネット演説」会場で、スーパークレイジー君こと西本誠氏と互いの健闘を祈った
「実直」を売りに、3度目の都知事選に挑戦した宇都宮健児氏。立民や共産党が支援したが、100万票に届かなかった

『FRIDAY』2020年7月24日号より

  • 撮影鬼怒川毅

Photo Gallary4

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事