「オムライスおじさん」と仲間たちが厳選! 関西オムランキング

~きっしい&オムスタグラマー、3人の”ゆるい”コメントとともに~

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あるアンケートで、「オムライスが好き」と回答した人はなんと90%超。もはやカレーやラーメンと並ぶ国民食ですね。なのに「オムライス食べ歩き」「オムライスオタク」とかあまり聞かないのは、オムライスがさほど中毒性や偏愛性のない食べ物だからでしょうか。

ちなみに、好きなタイプは卵しっかりの「正統派」45%、「ふわとろ派」39%、それ以外16%。正統派が根強い人気ですね

しかし私が知る限り最もオムライスを飽きずに食べ続けることができる人物がいます。それが、「きっしい」。オムライス歴50年以上、これまでに食べたオム数は800店1400個。1997年より主宰するHP「きっしいのオムライス大好き!?」にその全てを記録しています。

オムライスが好き過ぎて黄色いものばかり買ってしまうというきっしい。優しそうに見えますがなかなか濃いキャラです

最近はテレビやラジオにも出ていますが、別にこの人、オムライスで生計を立てているわけではありません。実はきっしいは、1970年代前後生まれなら誰でも知っているゲームソフトの「ファミスタ」を開発したプログラマーであり、ゲーミフィケーションデザイナーという謎めいた肩書きで講演・講義なども行っています。

ネット上では「オムライス研究所」「オムスタグラマー認定制度」などオムライスの啓蒙活動を展開し、たまに「オムスタグラマーが選んだオムライスグランプリ店 2019」といったどう扱えば良いか分からないプレスリリースを突然送ってメディア各社を戸惑わせたりもする、お茶目なおじさんです。

ちなみにオムスタグラマーとは、インスタでオムライス画像を投稿しているオムライス愛好者の総称で、全国に50人ほどいるそうです。オムライスの投稿数とフォロワー数に応じて1〜3級の等級があります。

今回も、そんなきっしいから「オムスタグラマーが選んだ勝手に関西オムランキング2020」というタレコミが送られてきました。

このランキングの選定者はきっしい含め3人だけ。そんな母数じゃエビデンス(最近みんなこの言葉好きですよね)になんねえよ!と怒るなかれ。彼らのゆるいコメントとともに選定されたランキングがなかなかマニアックで面白いので、コロナ禍でささくれ立っているみなさんの心が少しでも和めばと、ここでご紹介する運びとなりました。

選者はきっしいと、Suzu、たまごちゃん。ちなみにきっしいは関西出身、Suzu(_omuomu_su)、たまごちゃん(oeuf.ome)は関西在住のオムスタグラマー2級(30オム以上投稿&フォロワー数100以上)です。「 」は彼らのコメントです。

〜勝手に関西オムランキング〜 byきっしいと関西オムスタグラマー2人 

10位『ムグニ』(大阪・アメリカ村)

こちら、行列のできるオムライスと一品料理の店。ゴルゴンゾーラドルチェチーズソース&フルーツトマトソースのハーフ&ハーフ1200円(税抜)は「チーズソースが濃厚で、味わい深いソースがかかったオムライス」「ソースとライスがほんとに美味しくて、心はすごく満腹」と褒める一方で、「量は満腹にならない、値段高め」という辛辣なダメ出しも。「店名は夢国」だそうです。

■住所:大阪市中央区西心斎橋2-9-5 日宝三ツ寺会館 1F

9位『たまご丸』(大阪・梅田)

阪神百貨店地下にあるオムライス&カレーの立ち食い店。「おじさん比率高い」とあまり訴求力のない情報は良いとして、「オムライストマトソース、デミグラスソース、ホワイトソースがいずれも410円(税込)でコスパ◎◎」「大阪の良心、最安値だがちゃんと美味しい」。大阪人、安いと評価が一気に上がります。

■住所:大阪市北区梅田1-13-13 阪神百貨店梅田本店 スナックパーク B1F

8位『グリル小宝』(京都・岡崎公園)

平安神宮横にある老舗洋食店です。ドビソース(特製デミソース)のオムライス(小)は680円(税込)。小でもラグビーボール級のサイズ感です。「ウェイターさんの水入れパフォーマンス」とオムライスに全然関係ないコメントですが、なんでも高所から水を注ぐ芸が名物らしいです。

7位『ジャンジャンブル』(大阪・高槻市)

「(こんな住宅街に)開店前から行列必須」「孤高のオムライス専門店」「店名はフランス語でショウガ」。ほほー。「どのオムもボリューミー」で、限定5食ハンバーグオムライスは「S(以前はSS)でもフードファイター気分」だそうです。「お腹苦しすぎて、味あまり覚えてない…」って、食レポ的に全然ダメですね(笑)。

6位『喫茶サンシャイン』(大阪・東梅田)

地下2階にある、自家焙煎コーヒーが自慢のレトロな喫茶店。オムライス650円(税抜)は「具がなんとミックスベジタブル」「お供に福神漬け◎◎」と衝撃を受けたようですが、私はそれよりお店のホームページが明らかにプロの仕事っぽい点にナニワの商人魂を感じました。

5位『長屋オムライス』(大阪・梅田)

大阪駅前ビルの名物店。第1ビルと第3ビルの地下2階にある券売機方式のオムライス店です。プレーンオムライス690円(税込)は「とろとろふわふわ分厚いたまごがどーんと乗ったオムライス」「たまごは割らずにお食べ下さい」と店目線ですが、「チキンライスはブラックペッパーがよく効いている」とたまにはもっともらしいコメントも。「第1ビル店の方が作ってるところが見やすい」。オムスタグラマーは調理風景を見るのがやたらと好きです。

■住所:(第3ビル店)大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第3ビル B2F

4位『JEANA and Pagot』(神戸・元町)

元町にあるオムライスが人気のお店Pagotの姉妹店がJEANAなんですね。「新しいソースを考えることが趣味の、オム愛MAXのオーナー」が営む「女性に大人気のオムライスカフェ」だそうです。「JEANAは15種類、Pagotは12種類のソース」。小エビとアボカドのジェノベーゼクリームオムライス1290円(ランチタイム990円)(ともに税込)は「ステキなフォルムと豊富なソース、バターの香りがするツヤツヤなオムライス」。おっ、コメントに熱が入ってきましたね。

3位『スマート珈琲店』(京都・三条寺町)

新京極の喧騒からちょっと離れた三条寺町、昭和7年創業の老舗喫茶店。「昼だけ2Fでオムライス」「デミオムとハヤシオムが選べるのですが、中のチキンライスが美味です」。きっしいのHPには「甘めデミソース、薄焼き1mmタマゴあぶらぽい」と書かれていますが、カリッとオイリーな卵がまた美味しいと褒めている、と捉えておきましょう。

2位『RED RIVER』(大阪・梅田)

 「駅前第2ビルのB2F、迷いやすい」という絶妙なロケーション。「ワンコインで食べられる」オムライス500円(税込)。「銀皿にのる」。皿重要です。「のむライス」「オレンジ色甘いトマトソース」とのことですが、チキンスープがしみたライスがスルスルと喉を通ると補足しておきましょう。「700円(税込)のチキンオムライスも美味しい」。700円で高いと思ったあなた、大阪スタンダードに染まっちゃってますよ。

■住所:大阪市北区梅田1-1-2 大阪駅前第2ビルB2F

1位『北極星』(大阪・難波)

栄えある一位、ベタだな!と思うなかれ。1922年創業、先代の北橋茂男氏がオムレツと白飯を毎日食べる常連客に「くる日もくる日も同じものではかわいそうだ」と、ケチャップライスを薄焼き卵で包んで出したことからオムライスが誕生。「オムライス発祥の店」とされています。ハムオムライスセット(エビフライ、味噌汁付き)1260円(税抜)は「甘酢しょうがの意外な組み合わせ」「パラパラのご飯としっとりタマゴ」「黒い皿」。やはり皿の色は重要なようです。

 

「総じて、関西のオムライスは関東に比べて安いしボリュームもある」ときっしい。確かに、東京だと3000円近いオムライスもザラで、高級洋食の部類に入っている感がありますね。大阪人は「ご飯と卵だけやのになんでそんな高いねん!」とあからさまに文句を言うのかもしれません。気持ちは分かりますが。

余談ですがきっしいと取材でオムライスを食べ歩いたことがあるのですが、さすがに連日だと凡人は飽きる。打ち合わせのため入ったレストランで「やっとオムライス以外のものが食べられる!」と嬉々としている私を制し、きっしいは当たり前のように「オムライス2つ!」。このおっさんのオムライス好き、ビジネスじゃねえなと驚嘆しました。

あときっしいは物凄い頑固な店主にも物怖じせず、「ねえねえ厨房入っていい?」「あなたにとってオムライスって何?」などと平気でタメ口ききます。ほんと心強え!と感心します。そして驚異の女の子好きです。取材中でも若い女性客にすぐ声かけるので、このスケべおやじー!と心の中でキレたこと多数。あ、ごめんきっしい。

実のところ、この人こんなにオムライスばっか食べてて大丈夫かなと心配になりますが、そんなきっしいのオム愛と独特なキャラをもっと皆さんに知ってほしいと願うばかりです。

ありえないぐらいゆるい書籍「きっしいのオムライス大好き!」(散歩の達人POCKET、交通新聞社)も上梓していますので是非。

 

きっしい(岸本好弘) 1959年兵庫県稲美町生まれ。小学生の頃デパートで食べたことからオムライスに開眼。1996年のインターネット黎明期からHP「きっしいのオムライス大好き!?」にてオムライス情報を発信、24年間で食べた800店1400個のオムライスをすべて掲載。2018年まで東京工科大学メディア学部准教授を務め、現在は「ゲーミフィケーションデザイナー」の肩書でゲームを取り入れた学習法や仕事術を提案。オムライス以外でも幅広く活躍している。

  1. 「きっしいのオムライス大好き!?」はコチラ
  2. 「オムスタグラマー」のインスタグラムはコチラ
  • 取材・文・写真猫田しげる

    1979年北海道函館市生まれ。京都のタウン誌、北海道の新聞地域面、東京の街歩き雑誌、旅行本などの編集・ライター業に従事。2019年4月から拠点を札幌に移動し、ウェブライターとしてデカ盛りから伝統工芸まで幅広い分野で執筆。弱いのに酒好きで、「酒は歩きながら飲むのが一番旨い」が人生訓。

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