結成わずか7か月で台頭…ぼる塾に「『THE W』優勝候補」の声

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連日のバラエティ出演にYouTubeも好調

昨年12月7日の結成からわずか7か月しか経過していないにもかかわらず、女芸人・ぼる塾の快進撃が止まらない。

この一週間だけをピックアップしても、12日に『お笑いG7サミット』(日本テレビ系)、13日に『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)、14日に『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)、16日に『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)、17日に『ネタパレ』(フジテレビ系)と各局から引っ張りだこ。さらにYouTubeチャンネルも登録者数10万人突破間近で、視聴数は900万回を超えている。先輩の女芸人たちをごぼう抜きしそうな勢いを感じてしまうのだ。

YouTube『ぼる塾チャンネル』より

ぼる塾は「猫塾」と「しんぼる」という2組のコンビが合流した4人組。ただ、酒寄希望が育児休暇中のため3人組と思っている人も多いなど、まだまだ謎多き存在であることも含めて、下半期最大の注目芸人と言っていいかもしれない。

彼女たちが「なぜ結成7か月でここまで躍進できたのか」を掘り下げていくと、さらに明るい未来が見えてくる。

あんりの毒舌はバラエティ即戦力

ぼる塾と言えば、やはり目を引くのはビジュアルのインパクト。ツッコミのあんりは身長160㎝・体重92kg、ボケの田辺智加は167㎝・84kgの超ぽっちゃりボディで、登場しただけで笑いを誘うことも多い。さらに、ボケのきりやはるかは細身だが、空気を読まない言動でどこか変人のムードを醸し出している。

その強烈なビジュアルだけに頼ることなく、女性社会の縮図を思わせるネタも魅力の1つ。あんりとはるかは25歳で田辺は36歳と11歳もの年の差があり、それを生かしたトークを武器にしているのだ。

たとえば、あんりは、はるかと友達のようにしゃべり、甘えたことを言うと否定するが、田辺はとことん甘やかす。「さすが田辺さん」「田辺さんはそのままでいい」と持ち上げるのだが、あくまでこれは表向きの言葉。けっきょく「36歳の田辺さん、今さら怒ったって何も成長するわけねえだろうよ」「夢くらいみせねえとかわいそうだろうよ」と本音という名の毒を吐いて笑いにつなげていく。

田辺はその毒に気づかず「まあねー」というお約束のギャグで笑わせるのだが、「否定するのは対等の関係だからであり、肯定するのは見下しているから」という関係性が新しく面白い。

さらに、ぼる塾は霜降り明星、四千頭身、ぺこぱ、ガンバレルーヤ、はなしょーなどのお笑い第7世代との共演でも存在感を発揮しつつある。とりわけ、あんりの毒舌は、まさに即戦力。実際、12日放送の『お笑いG7サミット』(日本テレビ系)では、霜降り明星・粗品、四千頭身・後藤拓実、ぺこぱ・松陰寺太勇ら同世代のツッコミ名手がその腕を競い合う企画で、キレのいい毒舌を連発して盛り上げていた。

また、どんなに毒を吐いても、えびす顔とぽっちゃりボディで嫌なムードにならないのも、あんりの強み。ガンバレルーヤ・よしこ、世間知らズ・西田さおりとの罵倒合戦が粗削りながらも定番となりそうなことも含めて、あんりの毒舌がネタ番組以外への出演が増えるきっかけとなっている。「見た目の面白さに実力が追いついてきた」という称賛の声もあながちリップサービスとは言えないのだ。

日テレ『THE W』にとっても重要な存在

「ぽっちゃり2人+やせ1人のトリオ芸人」で思い浮かぶのは、『女芸人No.1決定戦 THE W 2019』のチャンピオン・3時のヒロイン。彼女たちの武器は得意の歌やダンスを生かした動きのあるネタだけに、ほとんど動かず脱力トークに徹するぼる塾と芸風がかぶることはない。もっと言えば、現時点ではトークで勝負できるぼる塾のほうがバラエティ向きと言えるかもしれない。

’19年の『女芸人No.1決定戦 THE W』で優勝した3時のヒロインのゆめっち(左)&かなで(右)

だからなのか、このところ業界内で「ぼる塾は『THE W 2020』で優勝を狙える」という声がチラホラと聞こえてくるようになった。さらに、活躍の場が飛躍的に広がる中、彼女たち自身も「優勝したい」と公言していることも見逃せない。『THE W 2020』が放送される12月は、ちょうど結成1年の節目だけに優勝したら大いに盛り上がるだろう。

また、『THE W 2020』を放送する日本テレビにしてみれば、ぼる塾は大会を盛り上げるための重要な存在。それだけに現在でも各局の中で最も多くのオファーを出しているが、年末に向けてますます増やしていくのではないか。

ぼる塾が支持されはじめている理由を最後にもう1つ挙げておきたい。彼女たちは11歳もの年齢差がありながら極めて仲がよく、「ネタがウケるかどうか」に関わらず、見ているだけでほのぼのとした気持ちにさせてくれる。

事実、ぼる塾のYouTubeチャンネルは、基本的に「食べて話しているだけ」という日常を映すホームビデオのような動画ばかり。そのまったりとした姿は、現代人の好む「無理して頑張らない」「穏やかで楽しいのが一番」という生き方に近いものを感じてしまう。ネタで笑わせる以前に、見ているだけで笑顔にさせられるのが、ぼる塾最大の強みと言えよう。

13日放送の『深イイ話』では約30分間に渡る密着VTRが映され、最後に「いつでも育休OK。誰か一人が休んでも残りの3人が穴を埋め、母親の経験を積んで復帰したら新たな武器になる」という彼女たちのルールが明かされた。そのルール通り酒寄は「育休中だがネタ作りに参加している」という。今後4人になったら、どんな変化が見られるのか。ぼる塾は既存の女芸人にはないオリジナリティと可能性を秘めている。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月20本強のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

  • 撮影足立百合(3時のヒロイン)

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