宝くじ専門誌編集長が語るサマージャンボ、ロトを「当てる思考法」
今まで1200万円以上を獲得した“宝くじ”の専門家に聞く、「当てる」コツ
だれもが夢見る一攫千金。〇〇ジャンボ、ロト、ナンバーズといろいろあるが、いったいどれが確率がいいのだろう。当てるためのコツはあるのか。
ナンバーズ3&4で1200万円以上を獲得した、宝くじ専門の月刊誌の編集長、石川修氏に話を聞いた。
ロトは連続数字と下1桁をそろえて1等狙い
売り場、ネットやアプリで買って、あとは抽選日を待つばかり。そんなお馴染みの「〇〇ジャンボ」などの宝くじに対して、自分で当たりそうな番号を考えるのが、「ロト」や「ナンバーズ」だ。
いちばん当せん金額が大きいのが「ロト7」。通常、1等上限は4億円だが、1等の該当がなかった場合や、1等上限で振り分けられた当せん金が余った場合は、次の抽せんにその金額が繰り越され(キャリーオーバー)、最高10億円となる。「ロト6」は通常1等上限は2億円だが、キャリーオーバーがあると、最高6億円になる。一攫千金ならロトだろう。
まず宝くじ売り場に行って申し込みカードを入手。最近は、ネットやアプリもあり、3密を避けて購入することも可能だ。
「ロト7」も「ロト6」も、1枚の申込カードで5パターンの数字が選べる(「ロト7」は1口300円、「ロト6」は1口200円)。
「ロト7」では1から37までの数字の中から7つの数字を選び、「ロト6」では1から43までの数字の中から6つの数字を選ぶ。順番に関係なく、全部の数字が当たれば1等だ。以下、当たる数字の数ごとに「ロト7」は6等まで、「ロト6」は5等まである。
ロトもナンバーズも申込カードに「クイックピック」という欄があり、ここにチェックを入れれば、コンピュータが自動的に数字を選んでくれる。だが、確率が高くなる数字があるなら、ぜひそれで挑戦したい。
そこで、石川さん登場。どんな数字を選べば当せん確率は高くなりますか?
「確実に当たるというわけではありませんが、傾向はあります。たとえばロト6だったら、連続した数字が出る確率は54.7%。下1桁の数字が同じものは78.6%。この要素は絶対いれたほうがいいでしょう」(石川修氏 以下同)
連続した数字とは、11と12、25と26のようなこと。さらに下1桁を合わせると13と33のようなことになる。これで4つの数字が決まる。というわけでもない。17、27、28という数字を選ぶと、3つで2つの条件がクリアできる。
先日発表された第1499回ロト6の当せん番号は、なんと「10 11 27 28 29 37」! 連続数字、下1桁が同じという条件ぴったりだ。当せん賞金は5億3658万5000円。約6億円だ。これでキャリーオーバーはなくなった。
ああ、言うことを聞いて買っておけばよかった……。いや、条件をそろえても、この数字を選ぶかどうかはわからないのだが……。石川さんも言っていた。
「連続数字や同じ下1桁の数字の組み合わせも1組ずつにしたほうがいい」
だがしかし、このときは連続数字が2組(しかも、1組は3連続数字)入っているではないか!
「理論的には1組ずつにしたほうがいいんですが……。だから、むずかしいんです」
組み合わせは無限と思えるほどある。むずかしいのは当たり前だ。が、10億円は魅力だ。いったいこれまでの最高額はいくらなんだろう。
「ロトは同じ組み合わせで10口まで買うことができます。以前同じ売り場で1等が3口でたことがありました。たぶん一人の人が同じ数字で3口買ったのだろうと思われます。そのときはキャリーオーバーで20億円以上あり、さらにそのときの売上金がプラスされて、1等が9億8000万円になっていました。1口の上限は10億円ですが、その人は3口買っていたので、30億円近く手に入れたのではないでしょうか」
30億円!! 使い道さえ思いつかない……。
ナンバーズ3なら、全部違う数字にすると確率が高くなる
では、ナンバーズはどうか。
ナンバーズには、「ナンバーズ3」と「ナンバーズ4」があり、「ナンバーズ3」は3桁の数字を、「ナンバーズ4」は4桁の数字を当てるくじだ。
ロトと同じく申込カードを売り場でもらい、自分の好きな数字をチェックしていく。「ストレート」「ボックス」「セット」の3つがあり、「ストレート」は並びまで一致すると当せんとなり、「ボックス」は、並びと関係なく選んだ数字が一致した場合に当せんとなる。「セット」は、「ストレート」「ボックス」のどちらでも当せんとなるが、当せん金が半額になる。
石川さんはこのナンバーズで1200万円の当せん金を得ている。その達人に数字の選び方を聞くと、
「ナンバーズの場合、まず“シングル”か“ダブル”かを決めます。シングルというのは、全部異なる数字にすること。ダブルというのは同じ数字が2つ入っていること。ナンバーズ3だったら、シングルが出る確率は72%とべらぼうに高い。ダブルは27%です。ナンバーズ4になると、シングルは50.4%、ダブルは43%と、どちらも同じくらいの確率になります」
そして、チェックするのは、“数字の勢い”。
「直近50回の当せん番号を見ると、0は19個、対して7は30個出ている。よく出ている数字は抑えておいたほうがいいでしょう」
以前、ナンバーズ4で「8008」という数字が「ストレート」になったことがある。
「“エンジェル数字”という縁起のいい数字があって、これはエンジェル数字の一つです。ネットでこの数字を調べて買う人も多いです。358というのも、エンジェル数字の一つで当せん番号になりましたが、ふつう当選番号は100口もないのに、このときは400口も当せんした。いかにエンジェル数字で買っている人が多いかということですね」
「ナンバーズ3」には、「ストレート」「ボックス」「セット」のほかに「ミニ」という選択もできる。これは下2桁を当てるというもの。
「当せん確率は100分の1と当てやすく、当せん金額は1万円前後。ナンバーズ初心者なら、まずミニから買うのもいいかもしれません。くじというのは、『当たる』という感覚が大事。ミニで1万円を当てて、それを元手にロトに挑戦していくのもいいと思います」
ナンバーズを買う人にぜひ心がけてほしいのは、気に入った番号があるなら、それを買い続けること。
「当たらないなと思って、買うのをやめたとたん、その数字が出るんです。それで何度悔しい思いをしたことか……」
ナンバーズもロトも申込カードに「継続口数」をチェックする欄があり、同じ数字で「ナンバーズ3」「ナンバーズ4」「ロト6」は10回チャレンジできる(「ロト7」は5回まで)。
ちなみに、「ナンバーズ3」の1等を当てる確率は1000分の1。「ナンバーズ4」は1万分の1。それが「ロト6」では約610万分の1になり、「ロト7」に至っては、約1030万分の1だとか。
「売り上げが16億円あったことがありましたが、そのときはだいたい500万口売れました。それでも1030万の半分にも満たない。つまり、500万口売れても、1等が出るかどうかわからないんです」
「サマージャンボ」、石川さんが買うのはバラ30枚
それならやっぱり宝くじなのか。と思うが、サマージャンボで1等を当てる確率は1000万分の1。
連番を買うか、バラを買うか、それも問題だ。連番だと一瞬のうちに外れたことがわかってしまうが、前後賞も捨てがたい……。
10枚買えば、必ず300円は当たるが、面倒くさくて換金にいかない場合もある。ネットで買えば、自動的に当せん金を振り込んでくれて便利だ。売り場で買うか、ネットで買うかという問題もある。
石川さんはどうしているのか?
「僕は売り場で買います。いつも決まった売り場で買うと、売り場の人とも仲良くなれて、当せん数字の傾向とか、ちょっとした情報を得ることもできる。
買うときは、バラで30枚が多いです。連番だと1枚見て、組数が違うと、もう1等当選の夢が消えてしまう。だけど、バラで買えば、ドキドキしながら30枚を確認することができます。それも宝くじの楽しみ。前後賞は狙えないけど、1億円でも当たればいいと思っているから」
19年前、TOTOくじで1等を当て、次にナンバーズを当てるというビギナーズラックを経験してから宝くじやロト、ナンバーズにはまったという石川さん。これまでつぎ込んだ額はなんと5000万円以上!
「買い続ければ絶対当たる。それを信じて買っています。買わなければ絶対当たりませんから」
石川修 さまざまなジャンルの雑誌の編集を経て、2000年から宝くじ専門の月刊誌「ロト・ナンバーズ『超』的中法」編集に携わる。現在、編集長として雑誌の編集にあたっている。自身も大の宝くじファン、いやフリークで、ナンバーズ3&4だけでも1200万円以上の当選を果たしている。宝くじ高額当せん=「夢」で終わらせないことを実現するために、日々研究、取材に明け暮れている。
- 取材・文:中川いづみ
ライター
東京都生まれ。フリーライターとして講談社、小学館、PHP研究所などの雑誌や書籍を手がける。携わった書籍は『近藤典子の片づく』寸法図鑑』(講談社)、『片付けが生んだ奇跡』(小学館)、『車いすのダンサー』(PHP研究所)など。