援助交際経験者も…少女たちが万引きを繰り返す理由
「あ~あ。見つかっちゃった」
店内を見回っていたスタッフが「バッグの中に商品が入っているよね」と問い詰めると、16歳の少女はアッケラカンとして答えた。関西にあるショッピングモールで、日中に起きた出来事だ。スタッフはキョロキョロと周囲の目を気にし、挙動不審な少女を不審に思い声をかけたという。
「事務室で少女のバッグを開けると、つけまつ毛やパウダーなど1万5000円相当の化粧品が入っていました。『これ、盗もうとしたの?』と聞くと、黙ってうなずいた。
彼女は高校に進学せず、スナックのバイトとして働いているそうです。両親はおらず、祖母に育てられているとか。万引きを繰り返す、地元では有名な少女です。穏便にすませようと思いましたが、『欲しかったから盗んだだけ』と反省の様子がなかったため、警察に引き渡しました」(モールのスタッフ)
万引きを繰り返す少女が後を絶たない。警察庁によると刑法犯の未成年女性の数は、ここ数年減少傾向にある。しかし再犯率は15年以降、35%前後で高止まりしているのだ。少女犯罪の約7割が万引きだという。掲載した彼女たちの補導現場写真から、少女事件の背景に迫まる。
家庭環境にも問題が
これまでに5000人以上を捕まえた、「万引きGメン」の伊東ゆう氏が解説する。
「万引きをする少女の大半は、家庭環境に問題があります。両親が離婚したり育児放棄して、カネに困り学校に通えないコも多い。貧しいことへのコンプレックスが強く、より良いモノ、豪華なモノを身につけ優越感に浸りたいという理由から万引きを繰り返しているんです」
北関東の大型書店では、派手なスタジャンを着た10代後半の少女2人が万引きをして店員に捕まった。黒いバッグの中に、人気コミックなど20冊ほどの単行本が入っているのが見つかったのだ。
「彼女たちは無職でした。人気のマンガ本を盗み、中古品買い取り店などで換金し、生計を立てていたようです。カネに困るとネットで相手を探し、年齢を偽り年上の男性に身体を売ることもあったとか。『もう二度としません』と約束しましたが、共犯行為は罪が重く援助交際の前歴も発覚したため、警察に逮捕されました」(書店店員)
いくら補導しても犯行を繰り返される。家庭や貧困問題が解決しない限り、万引きに手を染める少女は今後も後を絶たないだろう。
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