感染者70人超…!「ずさん舞台」有村昆らに激怒の声
映画コメンテーターの有村昆が原案・プロデュースを務めた舞台『THE★JINRO イケメン人狼アイドルは誰だ!』(6月30日~7月5日、東京・新宿シアターモリエール)で新型コロナウイルスの集団感染が発生した。日本で初となる舞台でのクラスターが大きな物議を醸している。
有村は初日と千秋楽の2回、同舞台を観劇。その後発熱したためPCR検査を受けたところ、7月12日に陽性と診断された。その翌日、妻でフリーキャスターの丸岡いずみも発熱。15日に陽性が確認された。
主演の山本裕典だけでなく、共演者やスタッフ、さらに客までもが感染。1都9県にまたがり77人(7月16日時点)にまで拡大した。
「入口にサーモグラフィを設置したり、手の消毒やマスク着用などの感染対策は行われていた。しかしそれは表向きだけで、狭い会場に出演者のイケメン13人が舞台に並び、客席とは近かった。座席は間引いて半数にしていたようですが、上演中は換気もされなかった。
しかも中には体調不良の役者もいて、それを主催者サイドも把握していたのですが、中止になることの損害を恐れ押し切ったそうなんです。しかし問題は会場より狭い楽屋でしょう。出演者は寿司詰め状態だったときいています。しかも終演後には出待ちのファンにサインしたり握手したりしている役者もいた。集団感染して当然ともいえる状況にありました」(舞台関係者)
全国からイケメン見たさの女性ファンが連日多く集まり、同舞台の濃厚接触者は1000人近くにのぼる。中には5回観劇した女性もいて、勤務先でも濃厚接触者を拡大したという。
これに対し激怒したのは歌舞伎界だ。尾上松緑はブログで鬼気迫る勢いでこの舞台を罵倒した。
《新宿のと或る劇場で舐めた真似してくれたらしいな》
《全舞台業界のプロフェッショナル達が血を吐き、涙を流しながら、臍を噛む思いで此処まで我慢して、踏ん張って、踏み留まって来た事が今、水泡に帰したらどう責任を取ってくれるんだ》
《覚悟もへったくれも無い世間知らずの小僧共が生半可な気持ちで遊び半分に首突っ込んで掻き回していい世界じゃない》
と、この上ない猛批判を1400文字以上ブログにつづったのだ。
歌舞伎の公演は5か月間休んでいたが、ようやく松本幸四郎や片岡愛之助などが出演する「八月花形歌舞伎」が8月1日から開演することが決まっている。上演中に後方から「高麗屋!」「松島屋!」などと声を張る「大向こう」と呼ばれる掛け声も飛沫防止の観点から禁止され、さらに出演者同士の楽屋挨拶も禁止されるという徹底ぶりだ。
そんな中、あまりにも杜撰な対応で全国に多くの被害を出してしまった有村の舞台。スタッフの対応のまずさに、松緑は怒りを爆発させたのだろう。
「密な舞台が原因で、妻の丸岡さんにまでうつしてしまった。不妊治療の末、代理母という選択で産んだ2歳の長男がいるのですが、丸岡さんは‘18年から表舞台には出ず、子育てに専念していました。子供は幸い陰性だったということで一安心ですが、夫婦そろって今は入院しています。
誰かに子供の面倒を見てもらっているのでしょうが、万が一のことがあったら……。石田純一さんが感染の疑いがあった中で沖縄に行って世間から批判されましたが、この舞台の関係者はそれの比にならないくらい軽率だったと言えます。感染者を責めてはいけないという声がある一方、ずさんな対応は検証されるべきでしょう」(芸能リポーター)
緊急事態宣言が解除され、日本中が希望を持ち始めた中で起きた“舞台クラスター”。連日感染者数は増えていき、すでに東京は第二波が来ているという識者もいる。経済再生に向けた政府の目玉企画のひとつである『GoToトラベルキャンペーン』も、東京発着の旅行は除外されることに決まった。
有村をはじめ、舞台関係者は今回のクラスター発生について、どう考えているのだろうか――。
写真:時事通信フォト