世界最大ダム崩壊危機…!武漢・上海の水没で3億人被災の可能性 | FRIDAYデジタル

世界最大ダム崩壊危機…!武漢・上海の水没で3億人被災の可能性

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記録的な豪雨によって、長江流域をはじめ、中国の各地で洪水が発生している。写真は冠水した広西チワン族自治区の柳州市(7月12日)写真:Getty Images
記録的な豪雨によって、長江流域をはじめ、中国の各地で洪水が発生している。写真は冠水した広西チワン族自治区の柳州市(7月12日)写真:Getty Images

中国・長江の水を堰(せ)き止める世界最大の水力発電施設「三峡ダム」が、豪雨により決壊の危機に瀕している。

現地メディアの報道によれば、警戒水位を大幅に上回っているという。中国の地元紙幹部は本誌にこう語る。

「現在の三峡ダムは、普通のダムが決壊したときと同じレベルの量を放水しています。それでも追いつかず、水位は危険な状態のまま。しかも、毎秒1万7800㎥ずつ水を溜め込んでいる。水には土砂が混じっているので、ダムにかなりの負荷がかかっていると予測されます。近辺では微震が続いていますが、これはダムの地盤に重圧がかかっているからでしょう。まさに悲鳴を上げているんです」

いまインターネット上には’18年に撮影された三峡ダムの堤防が歪(ゆが)んでいる写真(2枚目写真)が拡散し、構造的な不具合や手抜き工事の可能性も指摘されている。さらに6月11日には、中国水利省の次官が、「ブラックスワン(予測不能な事態)が起こるかもしれない」と発言し、大きな波紋を呼んだ。

「かつて著名な学者が三峡ダムの脆弱(ぜいじゃく)性を指摘して22年間の強制労働が課せられたことがあります。それもあって、現在もダムが決壊した場合の被害シミュレーションはタブーなんです。実際、ネットニュースでさえ実名で発言している識者は見当たりませんね」(前出・幹部)

もし三峡ダムが決壊すれば被害は想像を絶する。元住友商事総合研究所・中国専任シニアアナリストで、中央大学政策文化総合研究所客員研究員・中国鑑測家の北村豊氏はこう指摘する。

「他のダムも連鎖的に崩壊し、長江流域に住む3億~6億人が被災することになります。下流にある武漢、南京、上海にまで間違いなく水は流れ込み、都市機能はマヒします。流域のこのエリアは中国のGDPの約半分を占めており、経済的損失は計り知れず、また数十万規模の死者が出る可能性を否定できません。しかも三峡ダムは中国の年間消費電力の1割を発電しています。その点でも被害は甚大です。公開されている情報は少ないですが、『ブラックスワン発言』もあり、いまは楽観できる状況ではないということは、はっきり言えます」

7月半ばになっても中国全土で大雨は降り続いている。Xデーは来るのか――。

現在の三峡ダムの様子。満水状態で、大量の放水が行われている。これ以上、豪雨が続いても耐えられるのだろうか 写真:Imaginechina/時事通信
現在の三峡ダムの様子。満水状態で、大量の放水が行われている。これ以上、豪雨が続いても耐えられるのだろうか 写真:Imaginechina/時事通信
ネット上で話題となっている三峡ダムの「歪み」を捉えたGoogleマップの画像(’18年)。ダムの堤体が変形している
ネット上で話題となっている三峡ダムの「歪み」を捉えたGoogleマップの画像(’18年)。ダムの堤体が変形している
写真・AFLO
写真・AFLO
写真・AFLO
写真・AFLO
2010年にも放流している(写真・AFLO)
2010年にも放流している(写真・AFLO)

『FRIDAY』7月31日・8月7日号より

  • 写真Getty Images、Imaginechina/時事通信

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