期待・酷評入り交じり…カニエ・ウェスト大統領誕生の可能性
大胆な公約を次々発表し、イーロン・マスクも支持を表明
〈オレたちは今、神を信じることによって、ビジョンを統一し、オレたち自身の未来を作っていくべきだ。米国の約束を実現しなければならない。オレは米大統領選に立候補する!〉

SNSでこう宣言したのは最優秀ラップ・アルバム賞をはじめグラミー賞21冠のカリスマラッパー、カニエ・ウェスト(43)だ。
〈全力で支持する!〉
米電気自動車メーカー・テスラのイーロン・マスクCEO(49)もすぐさまSNSで反応。カニエの突然の立候補は全世界で話題となった。
公約も大胆だ。宇宙船の打ち上げを行うSpaceXのCEOでもあるマスク氏を自身の陣営の宇宙計画の責任者にすることを明言した。

また、敬虔なキリスト教信者のカニエは新型コロナウイルスへのワクチン投与に対して、神を怒らせてはならないと発言。ワクチンは悪魔で、投与を通じて体内にマイクロチップを埋め込むための陰謀であると自説を展開している。
もちろん、このタイミングで大統領選に出馬しても当選は現実的ではない。すでに8つの州では立候補を締め切っており、落選はほぼ確実だ。国際ジャーナリストの山田敏弘氏はこう述べる。
「これまでカニエ・ウェストは自身の新曲やアルバムがリリースされるタイミングに合わせて、世間を騒がす言動を行い、注目を集めました。今回も、間もなくリリースされるアルバムを売るためのパフォーマンスでしょう。いくらカニエ・ウェストがセレブで、そこにイーロン・マスクがついたとしても、それだけで勝てるほど大統領選は甘くありません」
かつてカニエは’16年の大統領選でドナルド・トランプ支持を表明し、’18年にはホワイトハウスでトランプ大統領と面会している。その時カニエは、目の前にいる大統領に一切口を挟ませず、自説を延々とまくし立て、周囲を凍りつかせた。
思えばトランプ大統領も2度目の出馬での当選だった。もしカニエが期日までに所定の手続きを終え、真面目に選挙活動をするなら、4年後にカニエ・ウェスト大統領が誕生するかもしれない。
『FRIDAY』2020年7月31日・8月7日合併号より
写真:CNP/時事通信フォト