三浦春馬さんの悲しい最期に思う、早すぎる成功ゆえの苦悩

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ロンドンでファッションブランドの撮影をした時に見せた笑顔。昨年7月。写真:Splash/アフロ

活躍中だった俳優の三浦春馬さん(30)が亡くなった。警察発表などによると自殺とみられる。仕事は順調、周囲も異変を感じていなかったというだけに、真相はわからない。外側からだけ見れば、人気にも、演技力への評価にも、何の問題もないように見えた。が、本人は微妙な変化や焦りを感じていたのかもしれない。芸能事情に詳しく、三浦さんのことも何度も取材したことがある芸能記者は次のように語る。

「三浦さんが所属しているアミューズは、今でこそ佐藤健さんや神木隆之介さん、星野源さんなど人気俳優が多く育っていますが、設立して初期の頃は音楽に強い事務所でした。アミューズが本格的に若手俳優を育て始めたのは、おそらく2000年に入った頃から。三浦さんは初期の俳優育成期から所属しており、中でも一番といっていいくらい早くに頭角を現した。それだけに事務所は、ものすごく彼を大切にしている印象を受けましたね。

たとえばこんなことがありました。三浦さんは19歳のときに、同じくアミューズ所属で、ドラマ『ブラッディ・マンデー』(2008年、2010年/TBS系)で共演した佐藤健さんと、『HT~N.Y.の中心で、鍋をつつく』というDVDを出しています。このとき二人を取材したのですが、当時は佐藤さんの成長が著しかったものの、事務所からは、まだいまは三浦さんのほうが上、という空気を感じました。タイトルの『HT(春馬のHと健のT)』という順番から見ても、それは分かります」

所属事務所の大功労者

ロンドンでファッションブランドの撮影中にスタッフをパチリ。昨年7月

三浦さんはその時点ですでに、『いま、会いにゆきます』(2005年/TBS系)、『14歳の母』(2006年/日本テレビ系)などのヒットで大きな注目を集めていた。また、新垣結衣演じるヒロインとの純愛を描き社会現象となった主演映画『恋空』(2007年)では、17歳にして日本アカデミー賞新人俳優賞も受賞している。アミューズを注目の俳優プロダクションに押し上げた功労者として、事務所もとても大切に育てていたのだろう。

「三浦さんはその後も変わらず活躍し続けていましたし、その高い演技力を評価する声は多かった。ですが実は、篠原涼子さんと共演した『ラスト♡シンデレラ』(2013年/フジテレビ系)以降は、それを超えるヒット作に恵まれなかった、ともいえます。一方で、同じ事務所内では他にも若手俳優がどんどん育ち、ヒットをおさめるようになっていました。

そういうこともあってか16年頃からは、明らかに活動に変化が出てきた気がします。主演や主演級作品だけでなく、脇役も多く務めるように。それ以外に舞台にも出演、歌手活動も始めるなど、とにかく活動が幅広くなったなと思っていました。

それが事務所の方針だったのか、本人の希望だったのかは分かりません。過去の実績が高すぎただけに、周囲から求められるところはそれと同レベルの結果でした。それゆえ本人は、周囲が思っている以上の焦燥感を抱いていたのかもしれません」(前出・記者)

俳優として、あまりに早くトップに登り詰めてしまったことが、今回の悲劇に少しでもつながっているのだとしたら……あまりにも悲しい。

ロンドンで撮影の合間に髪型を整える。昨年7月
ロンドンの街を自転車に乗って快走。表情が清々しい
映画『進撃の巨人』で共演した水原希子と。15年7月撮影
第70回ベネチア国際映画祭に参加。13年9月撮影
  • 取材・文奈々子

    '72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 写真Splash/アフロ REX/アフロ Rodigo Reyes Marin/アフロ

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