感染拡大下、日テレが厳戒態勢で進める『24時間テレビ』の舞台裏

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

万全の対策を施すなか、不安の声も

『私たちはどうかしている』

これは日本テレビで8月12日から放送される新ドラマのタイトルだ。最近、同局の局員らは自虐と発奮の意味を込め、挨拶替わりにこのタイトルを口にすると言う。

日本全国で感染者が拡大するいま、誰が感染してもおかしくない。感染してしまっても、それを咎めるものはいない。ただ、日テレのなかではある事情から、「どうか一人の感染者も出てくれるな」と祈るような気持ちだという。

ある事情とは、今月22日と23日の2日間にわたって放送される『24時間テレビ43』のことだ。

いま、日本テレビが小杉善信社長の大号令のもと全力を挙げて取り組んでいるのが『24時間テレビ』の準備だ。夏の風物詩ともいえる同番組、今年度は両国国技館を会場にメインパーソナリティーにV6の井ノ原快彦(44)、NEWS増田貴久(34)らを据えた。24時間の生放送ということで、数多くの出演者やスタッフが同番組に携わることになる。

感染が拡大するなか、本当に実施できるのか不安と疑念が飛び交ったが、小杉社長は7月27日に行われた定例会見で『24時間テレビ43』について質問されると――

「かねてからどんな形であろうとやると宣言しておりました。コロナの状況に合った、感染につながらない形で今回の『24時間テレビ』をやるというのは変わりありません」

と、自信に満ちた表情で語った。

しかし、コロナ禍の局内はさすがに「一致団結」とまではいかないようだ。今回の『24時間―』の実施について、局内でさまざまな意見が飛び交ったという。スタッフや番組出演者らの感染リスクに関して「絶対安全」といえる方策を採ることはできないため、「万一番組放送前後に発症者が出たらどうするのか」といった懸念が出るなど、再考を求める声もあったようだ。

「最終的には決断したのは小杉社長です。番組の使命と社会的意義を幹部らにとうとうと説明し、皆を説得したと聞いています」(制作会社関係者)

こうした上層部の判断のもと、『24時間』の制作に日々追われているのが現場の局員や制作会社のスタッフたちだ。彼らは当然、両国国技館に”3密状態”を作りだし、コロナ感染のリスクを高める不安を抱えている。

「巨大な現場を抱える同番組の準備は、リモートで進めることはほとんど不可能。大勢で顔を合わせて仕事することになるので、子供や老親などの家族を抱えるスタッフのなかには、家族への感染リスクを減らすために、自腹で一人暮らしを始めた者もいると聞きます。ここまで来たら、もう先に進むしかない。準備段階、あるいは本番直前にコロナに感染したら運が悪いと思うしかない。諦めの境地ですね」(同前)

もちろん、日テレサイドもこうした不安を払しょくするため、できる限りのコロナ感染対策を進めている。

「日テレ本局の入口は、現在一か所に限定しており、警備員らが入構証を確認、原則としてサーモグラフィーカメラでチェックを受けないと局内には入れないようになっています。また、玄関口とエレベーター前には消毒液が常備されている。国技館も同じ仕様となる予定です。また、定期的にドアやテーブルなどが洗浄、消毒が実施されています」(日テレ関係者)

制作スタッフもマスクにフェイスガードや手袋の着用が必須となっているという。

「マスクと手袋は8時間おきに替えなけれなりません。極力、スタッフの数を減らす努力もしていますが、大掛かりなセットなどもあるので、スタッフの疲弊が心配です」(同)

さらに、番組制作マニュアルも作成し感染予防に努めている。

「局全体で共有される『感染防止ガイドライン』があります。先月20日に出されたマニュアルで第三稿となります。それとは別に24時間テレビ専用のマニュアルも作られた。時世に合わせ改定版が出されると聞いています」(前出・制作会社関係者)

ところが、こうした日テレサイドの努力とは裏腹に、局員やスタッフの罹患者は増えている。

「7月中旬には取締役の感染が判明。さらに報道局の警視庁詰め記者や『親バカ青春白書』の制作スタッフの罹患も判明した。社内や現場での接触者も少なくないので、今後、感染が拡大しないか心配しています。考えたくはありませんが、潜在的な感染者が増えていて、『24時間テレビ』の制作現場や本番の舞台裏で、クラスター感染を起こしてしまったら…看板番組である『24時間テレビ』のイメージダウンは免れません」(前出・日テレ関係者)

感染拡大下においても、経済は回さなければならないし、すべての仕事を中断するわけにはいかない。それでも、感染リスクを最小にするように努めることが求められるなかで、巨大な現場を必要とする番組作りが進められている。懸念と不安と無事に終わるように祈る気持ちを交えて、「私たはどうかしている」とつぶやく局員がいるのも無理はないだろう。

毎年楽しみにしている人も多い番組だけに、何事もなく進んでほしいが……。

Photo Gallary1

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事