あのアニータが母国で「コロナ対策は日本を見習え!」と叫ぶワケ

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あの騒動から20年以上が経つが…

チリはいま、大変なことになっている

「日本を見習え!」

約14億円ものカネが不正に引き出されていたことが発覚し、世間を大いに騒がせた「青森県住宅供給公社巨額横領事件」から17年。経理担当主幹だった夫から10億円近くを受け取り、日本中から大バッシングを浴びたアニータ・アルバラードさん(47)は、現在チリでレギュラー番組を持つ程の大人気タレントとして活躍している。

その彼女が、母国チリで「日本を見習え!」と繰り返し訴えているのだという。一体なぜか。

日本ではほとんど報道されていないが、チリは世界でも類を見ないほどの深刻なコロナ禍に見舞われている。8月1日現在のチリ保健省の報告によると、チリ国内の総感染者数は35万9731人、そのうち死者は9608人。チリの人口(約1873万人)を鑑みれば、いかに悲惨な状況となっているかがわかるだろう。

実はアニータさん自身も、長男を始め複数の親族が新型コロナウイルスに感染し、伯母を亡くしていた。彼女は、チリが感染者を減らすためのヒントは「日本にある」と語る。長年にわたってアニータさんに取材を続ける筆者が、本人に突撃インタビューを敢行した。

−アニータ、お久しぶりです!チリはいま大変なことになっていると聞いていますが、国内はどういった状況でしょうか?

「チリでは日本と同じく、3月に入った頃から新型コロナウイルスが広まり始めたの。私たち一般市民は、その頃から外出を厳しく制限され始めた。今は少し緩和されたけど、一時期は数時間の外出をするだけでも警察に届け出ないといけないほど厳しかったわ。私の場合は、1ヶ月に一度だけスーパーに行って、急遽必要になったものは通販で頼む、という生活を続けているわ。

3月以降は、一緒に住んでいる5人の子ども達としか会ってないんだけど、その前に新しい彼氏を作っておくべきだったわ!それが私の唯一の失敗ね。求婚してくる人もいたし、候補はたくさんいたのよ」

−お元気そうで何よりです。貴女はチリでタレントとして、多くのメディアやイベントで活躍されていましたが、仕事の方も今はストップしているのですか?

「ええ、まずバラエティ番組がまったく無くなったわ。いま放送されているのは、新型コロナウイルスに関するものばかりね。ナイトクラブで開催していたイベントも出来なくなったから、仕事をやりたくても出来ないのよ。私でもこんな状況だから、チリで失業者はどんどん増えているわ。おカネの回りをよくするための緊急対策として、積み立てていた年金の10%を引き出せるようになったけど、それでもみんないつまで持つかどうか・・・。実は、私の親戚も新型コロナウイルスで一人亡くなったのよ」

−そうだったんですね……お悔やみ申し上げます。

「ありがとう。亡くなったのは従姉妹のお母さんなんだけど、同居していた従姉妹二人も感染してしまい、重症化して入院していたわ。その後回復したんだけど、やはり家族を失ったショックが大きくて。そういった人々の助けになればと思って、精神科医や弁護士と組んで、毎週金曜日20:00からオンラインでPTSD(心的外傷後ストレス障害)解消プログラムを無料提供しているの。私のインスタグラムでも告知しているから、日本の皆さんよかったら一度観にきて欲しいわ」

−貴女は新型コロナウイルスに関して、「チリは日本を見習うべき」という発言を繰り返しています。どういったところを見習うべきと考えていますか?

「日本は、チリに比べたら新型コロナウイルスの感染者も死者も抑えられている。それはやっぱり日本人が清潔で、マスクをする習慣がついていたからよね。正直、政策や医療機関への支援が適切に行われているのかまでは私にはわからないけど、日本人の習慣はぜひ見習うべき。チリではマスクをつけずに外出すると警察が罰金を科すようになって、やっとつけるようになったけど、日本と比べると20年以上遅れてると思うわ。

それに、もっと距離をとって人と接するべきよ。チリではそれをやると“冷たい人間だ”って言われてしまうんだけど、そうじゃない。私の長男も感染してしまったんだけど、その時は家族なのに会いにもいけなかった。大事な人と会うときこそ、距離を取らなければならない――そのことをチリの人にもわかって欲しい。それと、これは遺伝子的なところもあると思うけど、日本人は太っている人が少ないことも羨ましいわ。

チリの人はどうしても太っている人が多いから、それも重傷者や死者が多い原因だと思う。私は今47歳だけど、28歳の頃と変わらない見た目をキープできている。それって日本での経験が大きいのよ。日本人は健康や見た目に気を遣うから、私もちゃんとエクササイズをして、体型を維持することに気をつけるようになったの。筋トレは五輪真弓『恋人よ』を聞きながらやっているわ」

−チリの社会に訴えかける貴女の姿は、政治家のようにも見えます。というのも貴女は以前、「多くの出馬要請を断っている」と話してくれましたから。今後、政治家に転身する可能性はありますか?

「答えはノーよ。たしかに出馬要請は今も来ているし、政治の世界に進もうかと考えたときもあった。だけど、ここ最近の行政の対応を見て、私はもう政治には本当に愛想が尽きてしまったの。子どもも小さいし、まずは家族との時間を最優先にしているわ。でも、社会問題を無視しているわけじゃない。私と同じシングルマザーに対する保証はまだまだ不十分で、小さい子どもを抱えたお母さん達は買い物にも行けないの。

こういった社会問題に、私は政治家ではなく一市民として取り組んでいくつもり。そのために、まずは精神科医や弁護士と配信しているオンライン番組を、チリの地上波で放映させたいの。

あなた、明石家さんまを覚えている?私はね、彼みたいになりたいのよ」

−そうなんですか?!もちろん、彼を知らない日本人はいませんよ。

「あれは青森に住んでいたときのこと。いろんなことが起こってとても気分が落ち込んでいたときに、家に戻ってテレビをつけたら出っ歯の男が床を転げ回ってる姿が映ってね。何を言ってるかもわからないのに一気に心が晴れやかになったのよ。それ以来、私はタレント活動をするときは彼のように振る舞おうと決めているの。気持ちが沈んだ人達が、私の姿をみて元気になる。それ以上の幸福はないわ。

私のことを嫌いな日本人もいるでしょうけど、私は本当に日本が大好き。いつかまた日本に行ける時がきたら、明石家さんまさんと共演することが私の夢よ。だから早くコロナウイルスには消え去って欲しいわ。日本の皆さん、健康を第一に、家族を大事にしてね。また会いましょう!」

再びアニータさんが日本の地を踏むためにも、まずはコロナ禍の一刻も早い収束を願うばかりだ。

  • 取材・文・写真カルロス矢吹

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