明日のテスラを探せ!コロナで勢いづく「新興株」有力銘柄50

新型コロナで世界が変わった――

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米テスラは上場から10年で、トヨタ自動車の時価総額を超えた

昨年11月、「サイバートラック」を発表する米テスラのイーロン・マスクCEO。GAFAのような企業が今後、日本から生まれるのか 写真:AFP/アフロ、ロイター/アフロ

電気自動車メーカー、米テスラが’10年に米ナスダックに上場した際、初めてついた株価は19ドルだった。それから10年、テスラの株価は今年7月に入ってから急騰し、一時1700ドルを突破。同社は時価総額(株価×発行済み株式数)で世界有数の自動車メーカー、トヨタ自動車を上回ったのだ。

いまや国家よりも強大な力を持つとまで言われるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)も、最初は野心的なスタートアップ企業に過ぎなかった。いち早く企業の将来性を見抜いて投資すれば、投資家は莫大な見返りを手にすることができる。

投資情報会社フィスコのチーフアナリスト、小林大純(ひろずみ)氏がこう話す。

「日本でもZOZOは上場してから株価は軽く10倍以上になっていますし、医療従事者向け情報サイトを運営するエムスリーは、この15年間で株価は100倍になっています。長い目で新興株に注目して投資するのはアリだと思います。

大化けする可能性があるのは、やはりITサービス関連です。以前からあらゆるジャンルでリアルからネットへの転換が進んでいましたが、それがコロナ禍で一気に加速しました。しかも、ITサービスは利益率が高い。物やサービスを提供する一般的な企業は、事業を広げるときに原価や人件費がかかってきます。

それに対してソフトウェアの企業であれば、一度ソフトを作ってしまえば、追加の費用はあまりかかりません。いわゆるクラウドサービスやプラットフォームと言われる企業の上場が最近相次ぎましたが、これらの企業の中から株価が大きく値上がりするものが出てきてもおかしくないと私は思います」

小林氏が注目するのは、クラウドファンディングのプラットフォームを提供するマクアケやオンライン教育のすららネット、医師向けの情報サイトを運営するメドピアといったIT企業だ。

「コロナ禍で資金調達の環境が大きく変わり、なかなか融資がつかなくなっているので、クラウドファンディングの重要性は今後ますます高まるでしょう。その上、クラウドファンディングを通じて、市場投入前にその商品やサービスの価値がわかるという利点もあります。

すららネットはこれまで学習塾の学力が低い生徒向けにオンラインの補助教材を提供してきました。ところが、コロナ禍で対面での指導が難しくなり、急遽、こうしたオンライン教育サービスがひっぱりだこに。塾のみならず、公立学校での採用事例も増えています。政府が生徒一人につき端末1台という政策を推し進めていますので、国策も追い風です。 

メドピアは医師専用のコミュニティサイトを運営して、製薬会社の広告を集めています。さらに経済産業省が実施する『遠隔健康医療相談窓口』に同社の子会社が運営するオンライン医療相談サービスが採択されたことで、利用者が急増したという話もあります。オンライン医療相談は今後普及していくはずですし、引き続き、注目していいと思います。

新型コロナによって、多くの投資家がこれまでのルールが覆る『ゲームチェンジ』が起こっていると意識しています。世界が変わってしまったからこそ、新興企業にもチャンスがあるのです」

病院で新型コロナに感染するリスクがあるため、健康相談だけでなく、オンライン診療も導入されていくだろう。いち早く手がけた企業がメドレーだ。

「昨年12月に上場した当初は、厚生労働省や日本医師会がオンライン診療に後ろ向きだったため、株価も低迷していました。それがコロナ禍で状況が一変し、株価も急上昇しました。いったん、株価は一服しましたが、オンライン診療は今後も増えていく流れになったので、この分野でトップの同社も大きな成長が期待できると思います」(絆アセットマネジメント代表の小沼正則氏) 

新型コロナでエンターテインメントの形も大きく変わることになりそうだ。いまだに多くのアーティストが観客の前でライブを開けずにいる。

「ライブ会場に怖くて行けないファンも多いでしょうが、アーティストを応援したい気持ちはあるはずです。そこでファンクラブの運営やグッズ販売サービスを提供するSKIYAKIの出番です。ファン向けのSNSという新サービスも開始し、今後、ファンが直接アーティストを支援できる仕組みを導入するはずです」(株式評論家の渡辺久芳氏)

AIが世界を変える

新興市場に詳しいマーケット・ウォーク代表の鮎川良氏は、今後の株式市場では「デジタルトランスフォーメーション」(DX)という未知の領域が大きなテーマとなると言う。

「今後、イノベーションが起こるとすれば、自動運転技術やAI技術を活用したデジタルトランスフォーメーションの分野です。企業活動のありとあらゆる場面でデジタル化が進んでいく。各社がAIを活用するため、高性能のコンピュータ・ソフトを納入するHPCシステムズに注目しています。同社はスパコン『富岳』を使って、新型コロナ関連のタンパク質解析の支援も行っています。 

自動運転向け制御ソフトを中核として機械に組み込むシステムを開発するヴィッツは、今後、自動運転が実用化することを考えると株価は低く、お手頃感がある。AIをはじめ、先進的なテクノロジーを用いて、中小企業にクラウド会計サービスを提供するフリーにも注目です」

最も多くの識者が名前を挙げたのが、今年6月に上場したばかりのフィーチャである。投資情報会社ラカンリチェルカ会長の村瀬智一氏が解説する。

「同社は車載カメラなどに向けて画像認識ソフトを開発しています。将来的に自動運転に向けた需要増加が期待できるのみならず、それ以外への転用も期待できます。新型コロナによって人と人の接触機会をなるべく減らす方向に世の中が進んでいますが、そうすると接触せずに相手を識別する装置が必要になるでしょう。そう考えると画像認識ソフトの活用範囲は非常に広いのではないか」 

マーケットバンク代表の岡山憲史氏は、コロナショック以後に上昇に転じた銘柄から上昇率ランキングを作り、その中からある共通点を見出した。

「コロナショック後に大きく株価を上げた銘柄に共通するのは、バイオ、ネット関連、赤字から黒字転換という3つの要素でした。ネット関連と黒字転換の2つの要素を満たしそうなのが、衣料の通販サイト『SHOPLIST』を展開するクルーズです。今年6月から同社の通販サイトに、北欧の人気雑貨ブランド『フライング タイガー コペンハーゲン』のネットショップがオープンしました。同社は過去2期連続で営業赤字でしたが、今期は黒字化の見通しです」 

「5Gの時代」もやってくる

東証1部上場ながら、まだ設立から日が浅い企業も存在する。auカブコム証券チーフストラテジストの河合達憲氏は1部上場企業に注目した。

「エイトレッドは業務手続きを電子化して効率的にするワークフローシステムを販売しています。コロナ禍で多くの企業で在宅勤務が導入され、業務の見直しが進んだため、需要が拡大しています。

PR TIMESは、プレスリリース配信サイトを運営。テレワークの推進に伴って、来場できない記者向けにオンライン会見を開くサービスも提供しています。時価総額も低く、業績次第では株価の高騰もあり得るでしょう」

財産ネット企業調査部長の藤本誠之(のぶゆき)氏は数多くの新興企業の経営者と直接会って経営理念やビジネスモデルを聞くことで、企業の将来性を分析してきた。

「ニッチな分野であってもトップシェアを占めていて、かつ他社と差別化がされていることが重要。差別化ができていれば、大手が参入してきても価格競争を避けられるからです。たとえば、AI CROSSという会社は、将来的に株価が10倍になってもおかしくありません。

同社は、企業から個人へのSMS(ショートメッセージサービス)を活用したメッセージ配信サービスが主力です。一方的に送るだけでなく、双方向でのやり取りも可能。今後、5G(次世代移動通信システム)が当たり前の時代になれば、SMSで動画なども送れるようになり、大きな成長が期待できます。

楽曲の著作権を管理するNexToneはJASRAC(日本音楽著作権協会)に対抗して設立された会社。JASRACよりも手数料が安く、人気ユーチューバーを抱えるUUUM(ウーム)との業務提携を行うなど、ネットとの親和性が非常に高い。巣ごもり生活で音楽を聞く機会も増えているので、株価はまだまだ上がる可能性があります」

新型コロナは個人のスキルアップにも大きな影響を及ぼす。社会人向けオンライン講座が流行しそうだ。

前出の村瀬氏が言う。

「KIYOラーニングは個人向けのオンライン資格講座や、法人向けの社員教育をクラウドサービスで提供しています。コロナ禍で多くの人が職を失ったり、転職を考えたりしたでしょうが、ステップアップのためにオンラインの講座を受ける動きも出てくるでしょう。新しく入った社員に対して、社員教育をオンラインで施すニーズも出てくるはずです。

今回選んだ銘柄の多くに共通するポイントは、株価が上場来高値に比べて大きく値下がりしていること。市場に投資資金が流れてくるようになり、再び注目されれば、以前の高値は比較的簡単に超えていく可能性があります。

ただし、そういった銘柄は一気に株価が暴落する局面もあるので、多額の資産を一気につぎ込むようなことは避けるなど、投資の際には注意が必要です」

今回紹介した50銘柄の中に、未来のテスラはあるのか。表も参考にして、企業の成長性を吟味してほしい。

’19年12月、クラウド会計ソフトのフリーが東証マザーズに上場した

『FRIDAY』2020年8月21・28日号より

  • 写真AFP/アフロ、ロイター/アフロ、つのだよしお/アフロ

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