ココイチの「本場インドへ逆進出」が成功しそうな理由

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国内では伸び悩んでいるココイチ。中国など海外ではすでに実績がある

〈1号店を将来への布石として、カレーの本場インドで「ココイチのカレーライス」と「ニコニコ・キビキビ・ハキハキのサービス」を広めていくことに挑戦してまいります〉

8月3日、カレーチェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」(以下、ココイチ)を運営する「壱番屋」は、こんなリリースを発表した。“カレー大国”インドに、逆進出しようというのだ。ルーや米は、日本と同じものを使用。トッピングや辛さを選べるスタイルも同様だ。本場で果たして勝負できるのだろうか。飲食業界では、マイナスな意見が目立つという。

「ヒンズー教やイスラム教の習慣を考え牛や豚の肉を使わず、鶏やヤギを使用するなどインドに対応した対策も考えられています。しかしインドではジャガイモなどの具材によってスパイスを変え、一度に複数の種類のカレーを作るのが一般的です。何種類もの具材を一緒の煮込む日本式は、現地で受け入れられないと思います。刺激を好むインド人には、味もマイルド過ぎると感じるのではないでしょうか。

また値段もやや高め。ココイチは、客単価を550ルピー(約770円)と想定しています。裕福な家庭や収入の多いサラリーマンでないと、頻繁には通えない価格です。新型コロナウイルスの影響で状況も悪化。出店は当初予定の春から、夏にずれ込んでしまいました」(飲食業専門誌編集者)

ココイチの海外進出には、別の理由もあるようだ。経済ジャーナリストの松崎隆司氏が語る。

「国内の売上が伸び悩んでいるんです。21年2月期第一四半期の業績予測は、売上約103億円で前年比19%減。営業利益は約3億円で80%近い落ち込みになります。頭打ちの国内でなく、海外で勝負しようという狙いではないでしょうか」

「カレーという名の日本食」

状況はココイチにとって、必ずしも明るくはない。だが前出の松崎氏は、インド進出は成功すると予測する。

「カレーという同じ物差しで考えるから、ネガティブな予想になるんです。日本のカレーとインドのカレーは、まったく別の料理とみてください。インドの人々にとってココイチの料理は初めての味で、新鮮に感じると思います。

また日本のカレーは、野菜が多く入った健康食として世界的に認知されている。『カレーという名の日本食』として、受け入れられる余地はあると思います」

松崎氏は、実際に「本場に逆進出し日本式が現地でヒットした成功例がある」と続ける。

「中国に進出したラーメンです。熊本に本店を置く『味千ラーメン』は、中国で700店舗を展開しています。どこの店でも行列ができるほどの人気ぶり。中国のラーメンとは別の『日本のヌードル』として、欧米やモンゴル、タイ、マレーシアなどのアジア圏でも大ヒットしているんです。

ココイチは、世界最大のカレーチェーンでもあります。実際に中国では実績を残している。創業者の宗次徳二さんをインタビューしたことがありますが、『毎日食べても飽きない母親が作るカレーが理想』と話していました。ココイチのカレーが、世界の人々にとってメジャーな料理になるのも夢ではないでしょう」

インドの人口は13億人。日本の食文化が、世界有数の市場を席捲しようとしている。

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