『半沢直樹』好演の北大路欣也が77歳でもオファー途絶えないワケ | FRIDAYデジタル

『半沢直樹』好演の北大路欣也が77歳でもオファー途絶えないワケ

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
『半沢直樹』ではクセの強い役者の中で存在感を醸し出す北大路欣也。デビュー当時のキャッチフレーズは『東映城のプリンス』だった(’18年)
『半沢直樹』ではクセの強い役者の中で存在感を醸し出す北大路欣也。デビュー当時のキャッチフレーズは『東映城のプリンス』だった(’18年)

新型コロナの影響で放送開始が遅れたぶん、待ち望んでいた視聴者の期待感も増したのかドラマ『半沢直樹』(TBS系)の勢いが止まらない。視聴率は、第1話が22.00%、第2話・22.1%、第3話・23.2%、第4話・22.9%、第5話はなんと25.5%に達し、5週連続大台を叩き出している。

脚本の面白さもさることながら、それ以上に視聴者を引き付けているのが、主演の堺雅人をはじめ、香川照之、市川猿之助、古田新太ら主要キャストのアクの強さ。苦手だという視聴者もいるが彼らの大仰な台詞回しと演技がこのドラマを盛り上げているのは間違いない。

そんなドラマの中でひときわ存在感を見せているのが、ドラマの舞台となっている東京中央銀行の頭取・中野渡謙を演じている北大路欣也だ。同ドラマでは“特別出演”となっているが、ドラマや映画のキャスト一覧でよく見られるこの特別出演とは、主演クラスの俳優が出演している場合に使われる。

北大路は今年喜寿(77歳)を迎えたが、今期は『半沢~』以外に『刑事7人』(テレビ朝日系)にも出演。ドラマだけでなく、映画『コンフィデンスマンJP』にも出演するなど目にする機会は多い。この年代の俳優でドラマやCMにコンスタントに出演し続けているのは稀有な存在だ。

北大路よりは若いが同じ70代の女優が還暦を迎えた時、こう語っていた。

「ドラマに出ている女優って、60歳を過ぎたころから声がかかることが少なくなるものなんです。その年ですから一応ベテラン女優と言えますよね。だからぞんざいな扱いはできないでしょ。でも、やっぱり歳だから台詞覚えが悪い人もいます。そのくせ細かいことにうるさかったりして、スタッフは扱いにくいと思いますよ。

そもそもなんですが、役者は実年齢で役を演じる必要はないんですね。30代の人が高校生役をすることもよくありますから。20代の人が老人の役をするのは不自然ですが、老人役に本当の老人を使うことは少ないですね。50代の役者が老けメイクで70代、80代の役が演じられますから。これは私たち女優だけでなく、役者全体に言えることだと思いますよ」

北大路は東映出身のいわゆる“銀幕の大スター”だ。デビュー当時のキャッチフレーズは『東映城のプリンス』だった。

俳優デビューは小学校6年生のとき。映画初主演は15歳の時だったからそのキャリアは60年以上になる大ベテランだ。当然出演料も相当な額になると思われる。

上記の女優の言葉を借りるなら、声がかかることも少なくなりそうなのだが……。

それでも北大路へのオファーが途切れない理由をキー局プロデューサーはこう語る。

「まず、北大路さんほどの威厳や貫禄のある俳優さんがいなくなったことがあげられます。昔は藤田進さん、山形勲さん、佐分利信さん、三國連太郎さんなど、総理大臣や頭取、軍人でも将官や参謀など権力者の役がピッタリとはまる役者さんがいましたが、皆さん鬼籍に入られてしまって、最近の役者さんではまる人はなかなかいらっしゃらない。北大路さんは貴重な存在です」

また、北大路に関しては上記の女優が語っていたような心配は無用だという。台詞は完ぺきでNGを出すこともなく、うるさいことも言わず、スタッフも余計な気を遣わずに仕事ができると。そして彼が重宝がられるもう一つの理由が、

「ギャラですね。ドラマ1話200万円から300万円といわれています。決して安い出演料ではありませんが、銀幕のスターと言われた大御所たちのギャラはこんなものでは済みませんでした。

テレビでも時代劇が盛んな頃、松方弘樹さんなどは1話につき700万円というときもありました。それに比べたら格安といってもいいでしょう。ほかにあの存在感を出せる人はいませんね。余人をもって代えがたいということでしょうか」(同・キー局プロデューサー)

時代劇から現代劇まで、しかも重厚な演技だけではない。ソフトバンクのCMではお父さん役の犬の声を担当するなど幅広い活躍をしている北大路。『半沢直樹』第4話での北大路の「どんな場所であっても、輝く人材こそ本物」という台詞は、彼の仕事ぶりにもピッタリ当てはまっていたのだった――。

  • 取材・文佐々木博之(芸能ジャーナリスト)

    宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。現在はコメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

  • PHOTO蓮尾真司

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事