安倍総理辞任で始まる「秋のカオス政局」

新型コロナ対策での失敗と体調不安説で支持率は急降下

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8月17日、慶應義塾大学病院に7時間半滞在した後、私邸に戻る安倍総理。後部座席で苦しそうな表情を浮かべた

安倍総理が突然の辞任を表明するという。永田町では「ポスト安倍」をめぐる揣摩臆測(しまおくそく)が乱れ飛んでいる。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が解説する。

「8月15日に安倍総理は富ヶ谷の私邸で麻生太郎副総理とサシで会っています。このとき『17日に慶應病院で検査をするので、もし重篤な疾患が判明したら、後はよろしくお願いします』というような話をしたのではないか、と言われている。安倍政権の退陣後、自民党の両院議員総会で麻生副総理を自民党総裁に選出し、来年9月に総裁任期が満了した後に改めて総裁選を行うという流れになるでしょう」

安倍総理が後継候補として目をかけてきたのは、岸田文雄政調会長だった。だが、新型コロナ対応で政権支持率は30%台へと急落し、不支持率は50%前後に上昇。今回の「健康問題」で岸田氏への禅譲シナリオは白紙に戻った。

「8月24日には、安倍総理の連続在任期間は2799日となり、大叔父にあたる佐藤栄作元首相を超えて、歴代トップとなります。安倍総理が何を成したのかは別として、歴史に名前は残るでしょう。

その佐藤栄作は長期政権の末にレームダック状態に陥り、意中の福田赳夫を後継総理にできませんでした。結局、福田赳夫は田中角栄に総理の座を奪われた。安倍総理も同様に、引き際を誤ると岸田氏に後を譲ることは難しくなるのではないか」(政治アナリストの伊藤惇夫氏)

福田赳夫に戦争を仕掛け、総理の座を勝ち取った田中角栄を「神」と崇(あが)めるのが、石破茂元幹事長である。安倍政権と対立し、冷や飯を食い続けた石破氏にとっては、千載一遇のチャンスが訪れた。

「総理が辞任すれば、『麻生副総理や岸田政調会長で選挙に勝てるのか』という声が上がるのは間違いありません。その勢い次第では、菅義偉官房長官や二階俊博幹事長が石破氏を担ぐ可能性は十分にあります。来年10月には衆院議員の任期満了が来るわけで、それまでの解散総選挙は避けられない。世論調査を見れば、選挙に負けない総裁候補は石破氏です。

一方で安倍総理は、自分に楯突いてきた石破氏を絶対に後継総理にはしたくないでしょう。であるならば、自らの手で解散総選挙に打って出るしかありません。それだけの体力が安倍総理に残っているのか。いずれにせよ、この秋に大きな政局が訪れます」(前出・鈴木氏)

一般の知名度が一向に上がらない岸田政調会長。安倍総理が任期途中で辞任すれば、禅譲シナリオは白紙に戻る
麻生副総理は安倍総理の体調を心配しつつ、2度目の総理の可能性が取り沙汰されて、まんざらでもない様子だ
長期政権を献身的に支えてきた菅官房長官も「GoToキャンペーン」を仕切るなど、総理の座への野心がちらつく
総裁選出馬を表明しているが、党内の支持基盤は脆弱な石破氏。地方人気は高く、選挙が近づけば注目が集まる

『FRIDAY』2020年9月4日号より

  • 撮影蓮尾真司(安倍氏)、鬼怒川毅(岸田氏、菅氏、麻生氏)、堀田喬(石破氏)

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