騒動続くも安泰…?ジャニヲタが「smile」に見る幸せな未来 | FRIDAYデジタル

騒動続くも安泰…?ジャニヲタが「smile」に見る幸せな未来

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8月17日、一部で報じられた未成年女性との飲酒疑惑でジャニーズ事務所から処分を受けた山下智久と亀梨和也
8月17日、一部で報じられた未成年女性との飲酒疑惑でジャニーズ事務所から処分を受けた山下智久と亀梨和也

「ジャニーズ、大変ですね」

NEWSの元エース(?)手越祐也の退所、TOKIOのメインボーカル長瀬智也の退所報道に続き、30代ジャニーズ の代表格である亀梨和也と山下智久(以下、山P)に、一連の報道に関する処分が下ったことなど、ジャニーズのタレントが、連日芸能ニュースを賑わしている。

そのせいか、ジャニヲタである筆者に対して、久しぶりに会うマスコミ関係者から、「ジャニーズ、激震ですね」などと話を振られることが最近多い。

だが、正直なことを言うと、長年ジャニヲタをやっていて未だかつてないほど、「ジャニーズの未来は安泰だわ〜」と実感しているのが現状だ。亀梨と山Pが今後、事務所を辞めるようなことになったらそれはそれでショックだが、事務所が「猛省を促す」という対応に出た時点で、2人の退所はないと筆者は見ている。もし、退所するようなことがあっても、その時はその時。本人がどう決断をし、その後どう活動していくかを見守った上で、応援するかどうかを決めるだけだ。

コロナ禍で加速した“ジャニーズの沼”へのハマり方

新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、この3月に「ステイホーム」が叫ばれて以来、ジャニヲタは俄然忙しくなった。

というのも、それまでは「自分が応援しているグループの沼にずぶずぶと浸かりながら、他の気になっているグループも適度に応援する」というスタンスだったのが、3月末にYouTubeでジャニーズの無観客ライヴが配信されたことをきっかけに、長年愛と情熱とお金を注いできた“自担”(自分が応援しているグループまたは個人)の沼だけではなく、“ジャニーズの沼”に、どっぷりとハマってしまったからである。

6月の有料配信ライヴが見応えがあったことはもちろん、嵐、V6、Kis-My-Ft2が過去のコンサート映像を無料で配信し、ジャニーズのSNS解禁後のデビュー組であるSixTONESやSnowManは、SNSを巧みに活用。Netflixでは世界に向けた嵐のドキュメンタリーが制作され、メンバーがインスタライヴを行い、ティックトックを活用するなど、特に嵐に関しては、怒涛のSNS展開が待ち受けていた。こんなことは、少なくとも1年前には想像できなかったことだ。

ただ、この辺りの展開は、コロナ問題がなかったとしても実施されていたに違いないが、3月末からの無料配信ライヴ、6月の有料配信ライヴ、7月末からのジャニーズJr.を中心にした有料配信ライヴ、そしてジャニーズのアーティスト15組75名が集結したチャリティーソング「smile」は、新型コロナに対処するべく発案されたプロジェクトである。

「smile」制作ドキュメンタリーの豪華な中身

「smile」は6月22日に先行配信された際も、ジャニーズアーティストのレコーディング風景がワイドショーなどで公開されたが、8月12日に発売されたCDには1時間越えのレコーディングドキュメンタリーがついていて、それを観ているだけで、「君の笑顔に逢える/それだけで生きていける」という言葉を実感できる。人生の中で一瞬でも、ジャニーズのアイドルに救われた経験を持つ人全員に観てもらいたい、傑作ドキュメンタリーだ。

Mr.Childrenの桜井和寿がソングライティングを手掛けた「smile」は、いわばジャニーズ版「We Are The World」である。1997年には、阪神淡路大震災のチャリティー活動として、ジャニーズ内でも関西出身のメンバーがいるKinKi Kids、TOKIO、V6が結集し、J-FRIENDSという名でCDをリリース。2003年までの7年間で9億円を超える寄付を実現した実績がある。

「smile」の収益も、新型コロナウィルス医療対策支援、自然災害に見舞われた地域への支援に寄付されることになっている。現役で活躍するグループ(山下智久の場合、個人で1グループ計算)が、TOKIOや少年隊を除いても15組もいるというのは、ジャニーズ史上最大だそうだ。「smile」のドキュメンタリーを観ても、2018年デビューのKing&Prince、今年デビューのSixTONES、SnowManの存在はヴィヴィッドで、1時間のドキュメンタリーがあっという間に感じられる。

ドキュメンタリーは堂本剛から始まるが、彼は、こと“音楽”に関してはジャニーズに革命を起こし続けている男だ。KinKi Kidsとしてのアイドル活動の傍ら、ソロでは徹底して「ファンク」にこだわり、地元奈良の東大寺や京都の平安神宮など、スピリチュアルな場所でライヴを行なっているいい意味でウルトラクレイジーなアーティストである(SixTONESのジェシー などを筆頭に、世代をまたいで彼に憧れる後輩は後をたたない)。

それに続くV6も、それぞれにキャラが立っていて、歌にしみじみとした味がある。堂本光一、KAT-TUNの3人、山下智久、嵐の5人、関ジャニ∞の5人。次々に現れるスターたちは、それぞれに声や表情、コミュニケーションの仕方に個性があって、誰も埋もれない。登場人物全員が魅力的だ。

1分にも満たない映像の中に、いるだけで現場が一気に明るくなる相葉雅紀マジックが観られたり、二宮和也の色気がダダ漏れしていたり、松本潤のプロデューサー気質が垣間見られたり。櫻井翔の「All you need is」の後に「love」と言いたくなるというコメントにも、彼の人間性が表出している。大野智や大倉忠義など、カメラを全く意識していないメンバーからは、かえって“素”の静けさが伝わって、その飾り気のなさに安心したりもする。

ジャニヲタ心をくすぐる仕掛け満載

2番以降は、NEWS、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2(以下キスマイ)、Sexy Zone(以下セクゾ )、ABC-Z、ジャニーズWEST(以下WEST)、King& Prince、SixTONES、SnowManと、9グループが歌い分けていて、「自担は1行も歌わせてもらっていない!」ということが不満で、CDを買わなかった人もいるらしい。でも、普段、CDのメイキングといえばダンス系のものがほとんどのジャニーズにあって、レコーディングに特化している映像は超貴重だし、ABC-Z塚田のキテレツサロペット姿を見る限りでは、全員私服だ(多分ヘアメイクは入っている)。

さらに、ミュージックビデオには、大野智と彼を敬愛する知念侑李のレコーディング映像が、画面を2分割して2ショットに見えるように構成されていたりと、ヲタ心をくすぐる仕掛けも満載だ。

また、関ジャニ∞は安田章大が、ジャニーズWESTは神山智洋が最初にレコーディングを行ったらしく、他のメンバーが音程を確認するときのデモテープ代わりに、彼らの歌がちょっとだけ聴けるのも得した気分になる。亀梨和也には、ディレクターがデモテープ代わりに堂本光一の歌を聴かせていたが、そんな短いシーンでも、「確かにこのラインは発声の仕方が似ているかもしれない」などと、ディレクター気分が味わえる。

さらりと歌っているが、ジャニーズWEST濱田崇裕の歌の安定感に驚かされつつ、音痴が一つのキャラクターになっている横尾渉が意外と歌えていたことに安心し、二階堂高嗣を筆頭に、舞祭組の歌のうまさが世間にバレてしまうことはいいのか、ちょっとだけ不安になったり。

でも、結論としては、デビューした全員がボーカリストであるジャニーズのタレントには、声質や歌のうまさに関係なく、全員、歌に心を込めまくっていることが再確認できた。この曲が世に放たれたことを、ジャニーさんも、天国でさぞや喜んでいることだろう。

ステイホーム中、SNSなどを通して、ジャニーズの伝統という沼、ジャニ的なビジュアルという沼、ジャニーズの歌という沼、ジャニーさんという沼にあらためてどっぷりと浸かることになってしまった。

若手の台頭により、キスマイやWEST、セクゾ のような中堅どころが「まだまだこんなもんじゃねえぞ」という気概を見せ、V6やKinKi Kids、嵐がカッコいい大人のあり方を示し、関ジャニ∞やNEWSがかつてない結束力と多くの神曲を武器にリスタートを切っていることを実感する。そこから導かれた結論は一つ。“ジャニーズの未来は明るい”――。

  • 取材・文喜久坂京

    ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。

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