女優・夏菜がツインテールでバラエティ開花 女王・朝日奈央に肉薄

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最近ではバラエティ番組での活躍を見かけるようになった夏菜。番組での対応力は、女王・朝日奈央に匹敵するほどだ(写真:アフロ)

朝ドラ女優ながら今年は主な出演作なし

昔から深夜番組はタレントの登竜門であり、新たなキャラクターの発掘場所だったが、大物の出演が当たり前になった近年では、なかなか生まれにくくなっていた。そんな中、深夜番組で思わぬ人気を集めているのが、夏菜と朝日奈央のユニット「ツインテール姉妹」。

月曜23時台に放送されている『かみひとえ』(テレビ朝日系)に突然現れたツインテール姉妹は、2.2kgのステーキ丼などを大食いし、米とパンの味利きに挑むなど、キュートなルックスと底抜けの明るさで回を追うごとにファンを増やしている。

今年2月にスタートしたツインテール姉妹のコーナーは一躍看板企画になり、31日の放送でも豆腐の味利きに挑戦。同番組は「放送前のVTRをネット上にアップする」という斬新な試みをしているため、すでに31日の放送もテレビ朝日のYouTubeチャンネル「動画、はじめてみました」で見られるのだが、そこでも2人の持ち味が十二分に発揮されていた。

業界内を驚かせているのは、今やバラエティの女王として君臨する朝日奈央にまったく引けを取らない女優・夏菜のバラエティ対応力。夏菜は女優業の最高峰と言われる朝ドラの主演経験がありながらも、今年はここまで連ドラと映画の出演はない。昨年は主演ドラマも放送されるなど、演技の評価が低いわけではなく、知名度もあるだけになぜなのか。やはりツインテール姉妹の姉として登場する夏菜を見ていると、その理由が浮かび上がってくる。

女王を上回るリアクションのパワー

夏菜のバラエティ出演と言えば、その才能が開花した『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)の「本音でハシゴ酒」を抜きにして語れないが、これはあくまで酒の席であり、ダウンタウンと坂上忍の強力なサポートがあってのもの。度胸と瞬発力の片鱗は感じさせても、他の番組で、同年代だけで、「どこまで通用するかはわからない」という声が大勢を占めていた。

その点、『かみひとえ』のツインテール姉妹で頼れるのは自分と朝日のみ。ところが夏菜は、ダウンタウンや酒のサポートがないにもかかわらず、「本音でハシゴ酒」のとき以上のバラエティ対応力を見せている。

夏菜は企画当初から「マジで、ツインテール姉妹って何? ダッセ」と吐き捨て、ツインテールとジャージ姿のロケを「罰ゲーム」と言い切るなど毒気全開。その上で、大きな口を開けて食べたり、おいしさに目をひんむいて驚いたり、立ち上がって妙なポーズを決めたり、味利きの正解に飛び跳ねて喜んだり、「やっぱり人気出てきたわー」と調子に乗ったりなど、リアクションの大きさでは朝日を上回るパワーを見せている。

1つ1つのコメントに目を向けても、的確さでは女王・朝日に敵わないものの、反応の早さや手数の多さでは負けていない。たとえば31日に放送される豆腐の味利きでも、朝日の意見に「バカじゃないの? 絶対違う!」と言い切ってケンカのムードを漂わせておきながら、直後に「これでいい気がしてきた」とコロッと意見を変えて笑わせるシーンがあった。

そんな姿を見た朝日から「芸能界って切り換えの早さが大事なんですね」と感心された夏菜は、「(私は芸能界の)隙間産業で行かなきゃいけないんだから」と断言。バラエティ巧者の朝日に夏菜がついて行っているのではなく、いい意味で互いを意識しながら、持ち味を引き出し合っていることがわかるだろう。

活躍するほど女優業は難しくなる

夏菜がここまでバラエティ寄りの活動をしているのは、決して女優としての資質を疑われているからではなく、「あまりにバラエティ対応力が高いから」にほかならない。あのダウンタウン・松本人志が「女性タレントの中で10指に入る」と称えたのは有名な話だが、夏菜自身もそれに浮かれることなく努力を重ねている。

今春、芸能人のYouTubeデビューが相次いだが、夏菜は昨年5月にいち早くスタート。さらに、よしもとの養成所に体験入学して笑いの基礎を学んだことも明かしている。女優業以上にバラエティのモチベーションが高いから、ジャージだって着るし、大食いだってやるし、朝日と同じようにNG項目が少なく、「トークは何でもOK」という感すらある。

ただ、バラエティをやりすぎると、女優として演じる役の幅が狭まっていくのが悩ましいところ。たとえば、バラエティとのギャップを見せやすい悪役は問題ないが、むしろ普通のOLやコミカルな役の演技は難しくなっていく。どんなに演技力がある女優も、日ごろバラエティで見せている視聴者のイメージを消すことは困難であり、オファーを出す側もためらってしまうからだ。

バラエティの女王・朝日奈央にまったく引けを取らない活躍を見せている今、夏菜の女優業は単発ドラマやゲスト出演などの限定的なものに留まるのかもしれない。ならば思う存分バラエティで活躍してほしいところだが、ツインテール姉妹は番組発の企画のため、他局での出演につながらないだろう。それでも、今年最高級のヒットユニットだけに、テレビ朝日系列のバラエティで思う存分暴れまわってほしい。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月20本強のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

  • 写真アフロ

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