安倍首相辞任…独自写真で振り返る政権「7年8ヵ月の軌跡」
2週連続で慶應大学病院(東京都新宿区)に通い、健康不安説が広がっていた安倍晋三首相(65)。持病の潰瘍性大腸炎が再発したようだ。8月28日、突然辞意を表明したーー。
安倍首相は、7年8ヵ月にわたり政権を維持。連続在任期間は、佐藤栄作元首相を抜き歴代最長だ。功績の一方で、様々な問題も報じられた。弊媒体は今年3月に独自写真でその問題を振り返る記事を配信したが、それを再掲する。改めて「安倍政権のこれまで」を振り返ってみたい。
安倍政権で特に問題視されたのが、首相主催の「桜を見る会」にからむカネだ。首相が代表を務める地元の政治団体『自民党山口県第四選挙区支部』(下関市)の収支報告を調べると、民間企業の経理部や税務署なら決して通らない「怪しい領収書」が出てきたのだ(20年1月31日号)。
取材したジャーナリストの三宅勝久氏は、こう語る。
「第四選挙区支部は、’13年以降、毎年同じ時期に28万~100万円の『旅費』『航空券・宿泊代』を支出しています。これを高速道路やタクシーの領収書などと突き合わせると、『桜を見る会』の前日に上京していると推認できるのです。しかも’15年の領収書には、旅程が記載されており、『桜を見る会』の日程と一致します。
’18年は95万円で、一人約10万円とすれば10人分。地元の参加者を接待するための事務所スタッフの旅費だとすれば、政府の行事である『桜を見る会』を、自身の政治活動に利用したことになります」
昭恵夫人の「大分集団旅行」写真
安倍首相の“礼賛イベント”に、血税が投入されていたこともわかっている(20年2月28日号)。総理在職日数が歴代最長となったことを記念して、昨年12月に山口県庁で開かれた同県出身の8人の総理を紹介した企画展だ。
「前半こそ8人のゆかりの地や業績を紹介していましたが、後半は『安倍一色』にガラリと変わります。安倍首相の生誕から現在まで詳細な年表から、これまでの政治活動を紹介する写真パネルまで揃っていました。記念撮影ができる安倍首相の等身大パネルまであった。情報公開請求などにより明らかになった契約書によれば、業者に払った金額は300万円だったそうです」(全国紙政治部記者)
問題視されるのは、安倍首相の言動だけではない。夫人の昭恵氏も、たびたび批判の的となっている。20年5月8日号に掲載したのは、コロナ感染拡大で外出自粛が要請されるなか、集団で大分旅行をしていた昭恵夫人の写真だ。
「昭恵さんが約50人のツアー参加者とともに大分の宇佐神宮を訪れたのは、安倍首相がコロナウイルスの緊急会見を開いた翌日(3月15日)のことです。知人の医師が主催し、『人類救済』をうたった講演会が行われたとか……」(地元紙記者)
昭恵夫人を目撃した近隣住民は、こう証言している。
「鳥居に約50人の大集団がたむろしていたので見ていたら、ビックリしましたよ。他人の空似かとも思いましたが、どう見てもご本人……。マスクをしていなかったので、はっきり顔が見えました」
第一次政権同様、持病が辞任の引き金となった安倍首相。長く続けた分だけ、疑念も多く生じた8年間であった。





撮影:鬼怒川 毅 田中俊勝 三宅勝久 横田 一