台風到来!知っておきたい「暴風豪雨からマイカーを死守する方法」

昨年、関東を襲った台風15号で被害を受けた筆者が語る教訓

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台風シーズン到来。わが身を守るためには、クルマを守ることが大切だ 写真:AFP/アフロ

相変わらず続く熱波。この暑さに続いてやってくるのは台風である。

昨年、千葉県を中心に大きな被害を出した台風15号で、県内在住の私も被害を受けた。あのとき、本当にクルマが役に立った。いざというときに後悔しないためにも、本格的な台風シーズンを前に『マイカーの守り方』について考えてみよう。

マイカーこそ最高の「避難場所」

昨年9月、関東を直撃した台風15号。千葉県では巨大な送電線2本と電柱84本が倒壊し、約2000本の電柱が損傷。県内在住の私はこのとき、約50時間にわたる停電と断水を経験した。とはいえ、これくらいはまだマシなほうで、近所では停電が20日を超えた地域もあったという。

気温が35度を超え、クーラーもまったく作動しないという環境は想像を絶する過酷さだった。断水しているため、水を頭からかぶって身体を冷やすこともできない。私の自宅には高齢の母が同居している。このままだと熱中症になるリスクが高い。

まさに「命の危機」を感じた。

一刻も早くここから抜け出さなくてはならない!

焦りを感じた私がまず避難場所に選んだのは「マイカー」の中だったが、あのときほどクルマのありがたさを痛感したことはなかった。

停電していても、クルマのエンジンをかければ、クーラーの風にあたることができる、ラジオも聞ける。そして、たとえ電車が運休していても、クルマを運転して停電していないエリアに避難することができるのだ。

私はこう断言したい。

「マイカーこそもっとも身近で優れた『避難場所』であり、大切な『移動手段』である」

そこで、以下のポイントを参考に、災害からマイカーを守っていただきたい。

「台風&洪水被害」から愛車を守る4つのポイント

(1)クルマやバイクを早めに高い場所へ移動する

家屋や田畑を安全な場所に避難させることはできないが、クルマやバイクなら運転者の判断で自由に移動することができる。

突然襲いかかってくる地震と違い、台風や豪雨は進路がある程度まで予測できる。気象庁が発表する注意報をチェックしながら、自宅エリアに到来するまでの時間を利用して、できるだけ早くクルマと共に高い場所への避難行動を始めよう。

そのためには、日頃から自宅周辺の「浸水ハザードマップ」を確認しておき、クルマやバイクの避難場所(高所にある駐車場など)を事前に決めておくことが大切になる。

(2)強風を甘く見てはいけない

大型台風が上陸すると、風速50メートル級の強風が吹き荒れる。このクラスになると、走行中の大型車が簡単に横倒しにされてしまう。

事実、昨年9月に発生した台風15号のケースでは、千葉県内にある我が家の近所でも、駐車中のクルマが数十メートルも吹き飛ばされるという被害が発生している。突風や竜巻を予測するのは困難だが、台風の進路や速度であれば予測することができる。

クルマやバイクを駐車するときは、吹きさらしの場所ではなく、建物の影になるような場所を選ぶなど、強風対策も必要だ。

昨年の台風15号の強風により、横倒しになったキャンピングカー 写真:柳原三佳

(3)クルマ避難に必須のグッズはコレだ!

クルマを災害から守り抜いても、ガソリンがなければエンジンはかからない。災害が予想される場合は、早めにガソリンを満タンにしておこう。私はそれでも不安なので、ガソリン専用の携行缶に予備のガソリンを備蓄している(40リットルまでの貯蔵は消防法で許可されている)。

また、携帯電話やパソコンの充電のために、車内には必ず「シガーソケット(12V)用の電源」を常備しておくべきだ。専用のインバーターを使えば、12Vから100Vの交流電源に変換できるので、パソコンなどを使用することができる。また、USBの変換アダプターがあれば、携帯電話やタブレットなどの充電も可能だ。

クルマのトランクに「飲料水と保存食」を備蓄しておくことも大切。ちなみに、昨年の台風の後は停電と断水が長引いたこともあり、私の家の近隣のスーパーからは水や食料が一瞬でなくなった。

(4)自動車保険に車両保険をつける

どれだけ準備をしていても、残念ながら車が被害に遭ってしまう場合もある。そんなときには保険が役に立つ。

自動車保険に「車両保険」をつけている場合は、台風や豪雨などによる損害にも契約した保険金額を上限に保険金が支払われる。ただし、地震や津波による被害は「地震特約」をつけておかなければ保険金が支払われない。せっかく車両保険をかけるのであれば、あと少しだけ保険料を上乗せして地震特約もつけておくことをおすすめしたい。車両保険に未加入の場合は、残念ながら修理代も買い替え費用も自己負担となってしまう。

また、「火災保険をかけていれば、ガレージに停めてあったクルマの損害もカバーされる」と思っている方も多いようだが、それは間違い。火災保険の場合、クルマは補償の対象外だ。

マイカーのない世帯の救済を

一方で心配なのは、マイカーを持っていない世帯の方々だ。

多発する高齢者事故の報道を見て、免許を返納しクルマを手放した、という方もおられるはずだ。

そうした高齢世帯が大規模な災害に見舞われたとき、クルマなしでどうやって生活すればよいのか。たとえば、避難所が遠い場合の移動はどうするのか。給水車で配水された重たい水を運ぶ手段は……。

マイカーを持つ人と持たざる人の間では、大げさかもしれないが「命の危険度」に大きな差が出かねない現状がある。

各自治体は、有事の際に「マイカー所有の有無」をいち早く確認し、マイカーを所有していない世帯の方々には優先的に救済の手を差し伸べるなど、具体的な対策と準備が必要だ。

また幸いマイカーが難を逃れた方は、ぜひ、こうした「クルマを持たない世帯」の被災者に手を差し伸べていただきたい。

台風15号で倒れた電柱。停電が起きた時、クルマに避難すれば猛暑から逃れることができる 写真:柳原三佳
台風15号により、送電線が破壊されたことで、街は闇に包まれた 写真:ロイター/アフロ
東京電力の電源復興車両も出動したが、停電が20日以上続く場所もあった(昨年の台風15号) 写真:柳原三佳
  • 取材・文柳原三佳

    交通事故、冤罪、死因究明制度等をテーマに執筆。著書に『開成をつくった男、佐野鼎』『自動車保険の落とし穴』「焼かれる前に語れ』など多数。https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/

  • 取材協力横浜大輔

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