来たる大震災に備えて、「美味しい非常食」を備蓄せよ!

防災2020「非常食」食べ比べ実食レポート

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9月1日は「防災の日」。コロナ禍の日本全国各地で、避難経路の確認や有事の行動についての訓練が行われた。災害時に備え、また新型コロナウイルス感染拡大予防の#STAY HOMEで、食料品を買い溜めた人も多いだろう。長期保存可能な食糧を備蓄しておくことは今後、一般家庭の「当たり前」になるかもしれない。

いま、非常食=マズいというイメージを覆すような商品が増えている。そこで、今回は「缶タイプ」「そのまま食べられるタイプ」「水で戻すタイプ」の代表的な3タイプから、注目の非常食を実際に食べ、利便性と味をリサーチする。

実食、スタート! まずは「缶タイプ」

保存用食品の定番。通常の缶詰よりさらに長期保存できる。定番から、ご飯おかず一体型や、ふかふかのパンなど多様なメニューがある。

●ブルボン カンパン

内容量:100g カロリー:405kcal メーカー希望小売価格:243円 賞味期限:製造から5年

ニッポンの非常食といえばコレ。素朴ながら奥深い味わい

非常食の定番。あっさりして飽きのこない味でゴマの香ばしさがアクセントに。ついつい手が伸びてしまう。美味しい。キャンデー(氷砂糖の進化形)も入っているので、これを舐めていれば唾液が分泌され、口の中がパサパサになる問題も解決できるという計算しつくされた王道非常食。

吉野家 缶飯 焼塩さば丼 非常用保存食

内容量:160g カロリー:222kcal メーカー希望小売価格:765円 賞味期限:製造から3年

期待に応える吉野家ブランド。「牛丼」もある

内容量:160g カロリー:222kcal メーカー希望小売価格:765円 賞味期限:製造から3年

牛丼の吉野家が販売する非常用保存食。身がしっかりしたサバの切り身がたっぷり。ご飯はブランド玄米「金のいぶき」を使用し、柔らかめの仕上がりに。ご飯おかず一体となり、常温のままでも違和感なく食べられる。サバの塩気もあって、味は濃いめでけっこう喉が渇くのが難。

●こてんぐ おでん 牛すじ大根入り 長期保存 7号缶

内容量:280g カロリー:122kcal オープン価格(購入価格:378円) 賞味期限:製造から5年6ヵ月

メーカーは愛知県で、ダシは関西風。お酒のつまみにもピッタリ

具材は大根、ちくわ、牛すじ、コンニャク、糸コンニャク、さつまあげ、うずらのたまご。ダシは鯛、かつおぶし、コンブなどの旨味が溶け込んだあっさり風味。ほっとする優しい味わいで、冷めたままでも十分美味しい。

●アキモト PANCAN 多国籍ラベル ストロベリー

内容量:100g カロリー:321kcal オープン価格(購入価格:464円) 賞味期限:製造から3年1ヵ月

精神的な満足感あり。だれもが美味しいと思う味

1995年からパンの缶詰を販売してるメーカー。生地はもちろんふっくら&しっとりの状態をキープしていて、ストロベリーの甘い香りが食欲をそそる。子どもから大人まで、誰もが美味しいと思える味わいに仕上がっている。

調理いらずの「そのままタイプ」

災害時には、なるべく手間をかけずぱっと食べられる食品が重宝する。水も貴重になるような本当に緊急なとき、頼りになるシリーズ。

●アルファー食品 安心米おこげ カレー味

内容量:51.2g カロリー:248kcal メーカー希望小売価格:302円 賞味期限:製造から5年

カレー味のパウダーをかけなてくも、十分香ばしくて美味

スナックタイプの保存食。もち米を一口サイズにまとめて揚げたおこげに、カレー味のパウダーをまぶして食べる。カリカリ、サクサクの食感がクセになりそう。カレーのスパイシー感も◎。普段のおやつにもおすすめ。

●HOZONHOZON BOSAI SERIES 海鮮カレーごはん

内容量:280g カロリー:171kcal メーカー希望小売価格:539円 賞味期限:製造から7年

そのまま食べられるが、温めるとより美味しい。パッケージがかわいい

ホタテの風味が生きた、リゾット風のカレー飯。風味のある玄米を使用している。常温でもサラサラと食べられるこのシリーズは、ご飯ものだけで全9品はじめ、「水いらず調理いらず皿いらず」で各種展開。バリエ豊富で子どもやお年寄りにもおすすめ。

●イザメシ デリ 濃厚トマトのスープリゾット

内容量:265g カロリー:158kcal メーカー希望小売価格:540円 賞味期限:製造から3年

平常時なら、冷蔵庫でキンキンに冷やして食べるとかなり美味しい

さっぱり酸味のきいたトマト風味のリゾット。具材には枝豆、コーン、タマネギ、ニンジンを使っていて、食感と彩りが嬉しい。トマトベースのスープで仕上げているので常温でもさっぱりと食べられるが、もう少し旨味がほしいところ……!

●イザメシ 煮込みハンバーグ

内容量:180g カロリー:231kcal メーカー希望小売価格:464円 賞味期限:製造から3年

キノコと肉の旨味を生かすため、できれば温めて食べるのがおすすめです

トマトソースたっぷりの煮込みハンバーグ。常温で食べるとトマトの酸味が際立つさっぱり味。ハンバーグは脂身の少ない肉質固めの仕上がり。あくまでおかずとしてパンやご飯と一緒に食べたい。このシリーズは缶入りうどんやあんこ餅などメニューが豊富。

●井村屋 チョコえいようかん

内容量:275g(55g×5本) カロリー:197kcal(1本) メーカー希望小売価格:702円 賞味期限:5年6ヵ月

食べやすいパッケージにも井村屋の技術力を感じます

和菓子の老舗、井村屋の備蓄専用商品食。味はチョコレートが香る甘さ控えめようかんという新感覚で、好みが分かれそう(ようかん好きには物足りないかも)。特筆すべきは1本55gで197kcalという高カロリーぶり。これ1本で食パン1枚、うどん1杯分のカロリーが摂取できる。

●グリコ 常備用カレー職人 甘口 3食パック

内容量:170g(1食) カロリー:109kcal(1食) メーカー希望小売価格:365円(3食入り) 賞味期限:製造から5年

具が成形肉でなければ美味しいのに…

温めずにそのままご飯にかけて食べられるレトルトカレー。具は豚肉、ニンジン、ジャガイモといったオーソドックスなスタイル。ルーはトロみが少なく、常温でもサラサラしていて油っぽさがない白米に合うタイプ。甘口はスパイス感控えめで万人向きの味に。値段も手頃。

水かお湯を加える「水戻しタイプ」のご飯もの

ご飯ものは大きくアルファ米とフリーズドライ米があり、どちらもお湯がなくても水で戻せるタイプがほとんど。アルファ米は熱湯15分、水60分、フリーズドライ米は熱湯3分、水5分で戻るのが標準的な時間になっている。パッケージからそのまま食べられるようになっているのも便利。

 

●尾西食品 アルファ米 ドライカレー

内容量:100g(出来上がり量260g) カロリー:361kcal メーカー希望小売価格:367円 賞味期限:製造から5年

尾西食品は亀田製菓のグループ企業。米が原料の商品には自信アリ?

コリアンダーシード、ターメリック、ガーリックなどのスパイスの香りが強く、サヤインゲン、タマネギ、コーン、ニンジンといった具材のシャキシャキした食感がよい。味付けは濃いめで食べ応えあり。

●永谷園 フリーズドライご飯 ピラフ味 災害備蓄用

内容量:75g(出来上がり量260g) カロリー:298kcal オープン価格(購入価格:518円) 賞味期限:製造から8年

バターとブイヨンの風味を感じるがどちらも原料に記載なし。試食者の錯覚か、永谷園の技術か

昆布の旨味を生かしたあっさり味で、パセリの香りがほどよいアクセントに。具材はニンジン、タマネギ、コーンといたってシンプル。フリーズドライ米を使用しているので、熱湯3分、水でも5分というスピード感もポイントだが、米の食感はイマイチ。賞味期限が長い。

●尾西食品 携帯おにぎり わかめ

内容量:42g(出来上がり量109g) カロリー:151kcal オープン価格(購入価格:216円) 賞味期限:製造から5年

写真がイマイチですが、シンプル・イズ・ベストなおにぎり。美味しい!

アルファ米使用。パッケージに水を入れると、三角のおにぎりの形になるという、びっくり商品。ご飯の戻り具合もよく、コンビニなどで売られているおにぎりと遜色ない見た目。コメの味もよい。あっさり塩味のシンプルな味付けなので、できればおかずと一緒に食べたい。

非常食「ガチウマ」BEST 3

今回試食したなかで、とくに美味しい、普段でも積極的に食べたい「ガチウマ」ベスト3を選出。日々進化する食品加工技術が実感できる、完成度の高いものばかりです。

●HOKO CoCo壱番屋監修 さばカレー

内容量:145g カロリー:279kcal メーカー希望小売価格:378円 賞味期限:製造から3年

さすがココイチ!の高クオリティカレー

どっしり存在感のあるサバが2切れ入っていて、ルーはざらっとした、スパイスの粉感が残るタイプ。常温でも旨味とスパイスの風味がしっかり感じられる本格的な味わい。山椒、唐辛子、白コショウといった香辛料も入って本格的な辛口の仕上がりに。

●ボローニャ 缶deボローニャ チョコ味

内容量:約100g カロリー:371kcal(100gあたり) メーカー希望小売価格:432円 賞味期限:製造から3年6ヵ月

美味しいボローニャの普通のパンと変わらないクオリティに驚きます

デニッシュで人気の京都「ボローニャ」のパンが缶詰に。ふたを開けた瞬間にチョコレートとパンのいい香りが。生地も、保存食とは思えない柔らかさとしっとり感で、ほんのりした甘さが特徴的。普段の食事としても食べたい逸品。

●サタケ マジックライス保存食 梅じゃこご飯

内容量:100g(出来上がり量260g) カロリー:374kcal メーカー希望小売価格:346円 賞味期限:製造から5年

ボリューム満点。完璧なご飯。水の量を増やせば雑炊風にも

梅の風味とじゃこの旨味がしっかりきいていて、ご飯の戻り具合も完璧。1袋で2~3人前はありそうなボリュームで、残ったらおにぎりにして後で食べるなど、有事に重宝しそう。忙しくて食事の準備ができないような「日常的非常時」用に常備したい。

非常食最前線を振りかえって

非常食を食べ比べ、そのうち16種類についてレポートした。全般に思ったより美味しかった。味付けは濃いめ。災害時は、濃い味のほうが満足感が高いのかもしれない。味は、全般的に「缶タイプ」のクオリティが高く、「そのままタイプ」は、もうひとつな印象。そのまま食べられるという条件のため、開発が難しいのかもしれないが、今後のさらなる味の向上を期待したい。

非常食市場を見ると、井村屋や永谷園といった大手食品メーカーだけでなく、他業種企業の商品も多かった。【HOZONHOZON】はショッピングビル「MORE’S」を展開する横浜岡田屋、【サタケマジックライス】は食品加工機械メーカーのサタケ、【イザメシ】は建築金物卸の杉田エースが作っている。さまざまな企業が防災について考えていると同時に非常食が「売れている」ということの証で、今後も多くの企業がこの分野に乗り出し、さらに多様な商品が開発されるだろう。

かつて「マズくても仕方ない」感じだった非常食が、美味しくなっていることが実感できた今回の実食レポート。非常食は今や、種類や味もバリエーション豊富なので、自分の好みに合った非常食を常備しておきたい。保存期限が3~8年と長い(なかには10年の超長期保存クッキーもある)が、それでも一定期間で買い替えの必要があるので、せっかくなら好みの味を用意して、平常時にときどき食べることを「非常食の基本スタイル」としたい。

災害時、食べ物は栄養を取る目的だけでなく、少しでもほっとできる時間を作るのにも大きな役割を果たすはずだ。使わないで済めばそのほうがいいものだけど、備えあれば憂いなし。ぜひ、好みの非常食を見つけて「美味しい非常食のある暮らし」を楽しんでほしい。

  • 取材・文髙橋ダイスケ

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