『MIU404』ラスボス・菅田将暉の登場に映画化を望むワケ

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敵役ながらドラマ『MIU404』でも存在感を示す菅田将暉(‘19年)

野木亜紀子脚本、新井順子プロデューサー、塚原あゆ子演出といった、‘18年に放送され注目を集めた石原さとみ主演のドラマ『アンナチュラル』のスタッフが再結集。ドラマ『MIU404』(ともにTBS系)のラス前となる第10話が8月28日に放送され、世帯平均視聴率11.3%と初回から10話連続二桁視聴率をマーク。最終回に向けて、期待は益々高まっている。

「綾野剛と星野源W主演のこのドラマ。架空の第4機動捜査隊を舞台に24時間以内に事件解決を目指す1話完結の警察ドラマですが、第9話のラストで2人が追っていた犯人が逮捕された直後にドローンに仕掛けられた爆弾が原因で死亡するといったショッキングな展開を見せ、ドラマは一気にヒートアップ。そんな中、ラスボスとして存在感を見せつけているのが菅田将暉演じる”久住”なんです」(ワイドショー関係者)

菅田演じる”久住”は、顔は勿論、姿形すら見えてこない。まさに”Not found(第10話のサブタイトル)”そのもの。志摩(星野)が呟くように”メフィストフェレス”のように甘い言葉で人間の心につけ入り、魂を奪ってしまう悪魔。彼と繋がった人間は、利用価値がなくなればバッサリと切り捨ててしまう本人曰く”クズを見捨てるクズミ”なのである。

「しかも第10話のラストでは、みずからの存在を追い詰める伊吹(綾野)と志摩を欺き、“ドーナツ”EP(違法ドラッグ)の製造工場を撤収するために都内12箇所に爆弾テロのドローンを飛ばすという壮大なフェイクニュースを仕掛ける様は、メフィストフェレスどころか人間業ではない神のごとき存在感すら醸し出しています」(前出・ワイドショー関係者)

この壮大なフェイクニュースに劇中のSNSは勿論の事、なんと視聴者から「#MIU404」のタグも数多く寄せられトレンド入りするなど、興奮コメントが殺到しているという。

しかし今回の菅田将暉の姿を見て、既視感を覚えているのは私だけだろうか。

「菅田は、‘19年冬期のドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)に出演。そこで教師・柊一颯役を演じ、フェイクニュースによるバッシングで命を絶ってしまった生徒・景山澪奈(上白石萌歌)を思い、生徒を人質にとり”最後の授業”を行い真相解明に挑んでいます。

今回、立場が逆転。フェイクニュースを自在に操る悪魔を演じる姿は、とても印象的。SNSの闇についてもっともリアリティを持って演じられる俳優なだけに、今回の菅田のキャスティングが番組の決め手となりましたね」(制作会社プロデューサー)

名門水泳部のエースでオリンピック代表候補にもなっていた学園のスター景山に、巧妙に仕組まれた「ドーピング疑惑」がネットに浮上。そのフェイク動画がやがて彼女を蝕み、自殺に追い込んでしまうわけだが、そのきっかけは華やかな彼女の経歴を妬む嫉妬心。ところが『MIU404』で菅田演じる久住の心に横たわるのは、そんな人間的なものではない。

ためらう事なく明確な意思を持って犯罪を犯す悪魔なのだから、伊吹と志摩の二人が挑むべきハードルは恐ろしく高い。

「実は脚本を担当した野木亜紀子は、‘18年に全2回のドラマ『フェイクニュース あるいはどこか遠くの戦争の話』(NHK)を手掛けています。このドラマは、大手新聞社からネットメディアに出向している北川景子演じる女性記者が、SNSへの投稿がきっかけで飛び交うフェイクニュースの真相を究明していくというオリジナル作品。その時の経験が今回のドラマでも遺憾なく発揮されているのではないでしょうか」(前出・制作会社プロデューサー)

しかも1話完結で描かれてきた物語がここにきて、無限ループのようにリフレインし始めていることも見逃せない。

例えば、第10話で投下されネット上で見事に弾けた”警察陰謀論”なども、第2話で過去の贖罪から犯人を信じてしまう老夫婦を見て、「人は信じたいものを信じるんだよ」といっていた志摩(星野)のことを、今一度思い起こさせてしまうなど見事としか言いようがない。

「夏ドラマでは、高視聴率を叩き出す『半沢直樹』を始め、多部未華子主演の『私の家政夫ナギサさん』、そしてこの『MIU404』と内容・視聴率共にTBSが一人勝ち。特に『MIU404』は菅田将暉が再登場して以来、過去の放送回を見直す視聴者も続出しています。

このまま次回の最終回で決着がついてしまうのはもったいない。綾野剛、星野源、菅田将暉と豪華俳優陣が揃っているところから、スペシャルは勿論の事、スケール感を増して映画化も期待したいところです」(放送作家)

スタッフが再集結して手掛けた『MIU404』は、もはや『アンナチュラル』をも越えようとしているのかもしれない。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓

  • PHOTO坂本信二

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