圧勝TBSドラマのなかでも『ナギサさん』が最高評価を得る理由 | FRIDAYデジタル

圧勝TBSドラマのなかでも『ナギサさん』が最高評価を得る理由

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今年3月『ナギサさん』のロケ現場をキャッチ。多部未華子(左)と瀬戸康史(右)の息もピッタリだった
今年3月『ナギサさん』のロケ現場をキャッチ。多部未華子(左)と瀬戸康史(右)の息もピッタリだった

『半沢直樹』に『私の家政夫ナギサさん』、『MIU404』と、軒並み二ケタ視聴率を記録し、他局に圧勝したTBSドラマ。その中でもトップを走るのは、文句なしで『半沢直樹』だろう。昨今では稀有な視聴率20%超えを記録し続けている。が、コストパフォーマンスという視点になると、また違った結果が見えてくる。一番の成功ドラマは『私の家政夫ナギサさん』だったと言えるかもしれない。

ドラマ事情に詳しい芸能記者は、次のように語る。

「ドラマ1話の主演のギャラは、若手で60~110万、中堅で100~200万。ベテランになると250万から上は500万を超えると言われています。

『半沢直樹』は視聴率的には大成功を収めていますが、主演の堺雅人(46)のギャラは推定で500万と言われている。『半沢』は他にも香川照之(54)や上戸彩(34)、井川遥(44)、北大路欣也(77)など主演クラスのベテランが大勢出演しているので、役者の出演料だけでも相当な額になっていると思います。むしろ、最低でも視聴率20%を取ってもらわないと割に合わないと言えるかもしれません。

その点、『ナギサさん』主演の多部未華子(31)は、若手と中堅の間のクラス。1話のギャラは推定100万と言われており、そうなら堺雅人の5分の1です。『ナギサさん』は他にギャラの高そうなキャストといえば準主役の大森南朋(48)と、そのライバル役の瀬戸康史(32)ぐらい。彼らも主演クラスではありますが、主演の常連というほどではないので、そのギャラは1話100万いくかいかないかでしょう」

しかしそれ以外の出演者は若手や脇役クラスが多いと、芸能記者が続ける。

「そのため『ナギサさん』は、出演料をかなり抑えることができたと思われます。加えてこのドラマは家政婦ものなので、舞台がほとんど家か職場。毎回大がかりなセットを組む必要もないので、他の2つのドラマに比べて圧倒的にかかっているコストが低いと思われます。それで視聴率は20%に迫る数字を残した。局としてはそのヒットだけでなく、懐も嬉しかったのではないでしょうか」

脇を固めるのも主演クラス

一方で、もっともコスパが悪いと思われるのが『MIU404』だと前出の記者は言う。

「このドラマはとにかくかかっているコストが大きいと思われます。まず主演が中堅の綾野剛(38)と星野源(39)の二人ですから、その時点で出演料コストは大きい。

加えて後半からは、さらに主演クラスの菅田将暉(27)が投入されているだけでなく、脇を固めていた麻生久美子(42)や岡田健史(21)もほぼ主演クラスです。極めつけは、脚本に野木亜紀子、主題歌に米津玄師と、今をときめく2人を起用していること。全11話を通して“人”にかけたコストは相当なものだったのではないでしょうか。

それだけではありません。『MIU404』はアメリカ警察ドラマの日本版のようなところがあり、カークラッシュやドローンからの爆破シーンなど、とにかくその舞台仕掛けが大がかりでした。あれは相当お金も労力もかかったことでしょう。そういった全てを換算すると、何とか2ケタを維持、という視聴率は決して合格ラインとは言えない気がします」

ドラマ愛好家で2ちゃんねるウォッチャーの編集者に聞くと、『MIU404』は2ちゃんねるでも他の2作品に大きく水を開けられていたようだ。

「TwitterなどのSNSに感想を書き込むのはそのドラマのファンが多いので、そこだけ見ると好意的なコメントが目立ちます。が、幅広い人気度は2ちゃんねるのほうが掴みやすいもの。そういう意味では、『半沢』や『ナギサ』さんは2ちゃんねるに書き込まれるコメント量もかなり多かったですし、勢いランキングでも上位に入ってきていました。

でも『MIU』は、書き込みが少なく目立ったスレッドが立っていませんでしたね。オシャレな空気感や力の入ったストーリーからコアファンは得ていたようですが、幅広い層からの支持は獲得しきれていなかったのではないでしょうか」

他局なら大成功ともてはやされて全くおかしくない成績だが、気の毒なことに全話平均視聴率が11.8%では物足りないと感じられてしまう。それくらいTBSのドラマはレベルが高かった、という証だろう。

  • 取材・文奈々子

    '72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影根本麻紀

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