埼玉中心に被害多数「半グレ窃盗団」が歯科医ばかり狙った理由

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送検される大坂容疑者。千葉県を中心に活動する半グレ集団のメンバーだ

人々が寝静まった深夜。野球帽を目深にかぶった2人の男が、住宅街内にある歯科医院へ近づく。一人の男の手にはバールが。医院の裏手窓を叩き割ると、懐中電灯をつけ素早く内部へ。院内にあった2つの袋を持って出ててくると、一つを見張り役のもう一人の男に渡し逃亡。わずか5分ほどの犯行だったーー。

9月2日、窃盗などの疑いで2人の男が逮捕された。職業不詳の大坂典夫容疑者(33)と、フィリピン国籍の滝田裕介ことデラ・セルナ・ユウスケ容疑者(26)だ。容疑は7月17日の午前2時すぎ、さいたま市内の歯科医院に侵入し、受付付近にあった現金9万円を奪ったというもの。余罪は100件以上にのぼる。

「2人は千葉県を中心に活動する、半グレ集団のメンバーです。警察の調べに対し容疑を認めています。『以前、歯科医院が被害にあう事件をニュースで知り自分たちもできると思った』と動機を語っているとか。

犯行は巧妙です。住所を特定されるのを恐れ、都内のホテルを転々と宿泊。数台の車を乗り分け、窃盗を繰り返していました。大坂容疑者は『同じ車だとバレると思った』と供述しているそうです。1件あたりの被害額は、数万から50万円ほど。総額は1000万円以上になると思われます」(全国紙社会部記者)

埼玉県内では、今年4月から川口市、越谷市、春日部市などの歯科医院で窃盗事件が相次いでいた。だが8月に入るとピタリと止む。代わりに続発したのが、千葉県内での被害だった。この件について大坂容疑者らは、次のように話しているという。

「ニュースで『埼玉県内で歯科医院の病院荒らしが頻発している』と知った。このまま埼玉で犯行を続ければ、逮捕されると思った」

貴重品入れの扉がキレイに壊されていた……

被害にあった、埼玉県内の歯科医院院長が語る。

「朝、病院に来て驚きました。受付近くに置いてある貴重品入れの扉が、キレイに壊され現金がなくなっていたんです。病院を閉めるのは、毎晩8時過ぎ。その時間には銀行もやっていません。翌日の会計のために、常に30〜40万円を貴重品入れに置いていました」

なぜ窃盗団は、歯科医院ばかりを狙ったのだろう。同様の事件を扱った経験のある、元兵庫県警刑事の飛松五男氏が語る。

「医師は裕福な人が多く、狙われやすい。特に歯科医は要注意です。外科や内科医は大きな病院に勤務することが多いですが、歯科医の大半は個人オーナーですから。病院は自宅と別にあり、夜間は誰もいなくなります。どうしても、セキュリティが甘くなるんです。

しかも翌日の釣り銭などを用意しておくため、現金を置きっぱなしにしている病院が多い。窃盗犯にとっては、かっこうのターゲットでしょう。今回の事件を機に、歯科医はセキュリティをしっかりすべきです」

100件以上の事件を、大坂容疑者ら2人でこなしたとは考えにくい。警察は他の半グレ集団のメンバーも関与したとみて、捜査を進めている。

  • 撮影蓮尾真司

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