スクープ証言 カジノ汚職疑惑「秋元議員の指示に驚愕しました」

IR汚職事件 初公判終了後に居酒屋で打ち上げ!議員会館でカネを渡した中国企業元顧問が激白

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
東京地裁で初公判が行われた8月26日、紺野被告は友人らと飲み会を楽しんだ。写真は2軒目の炉端焼き店にて(撮影:結束武郎)

「2000万円を積まれ、裁判でウソの証言をするよう持ちかけられたときは、あり得ないだろうと呆れましたよ」

贈賄に関わった中国企業の『500ドットコム』元顧問・紺野昌彦被告(49)は本誌の取材に対し、そう語った。

カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件が今、新たな展開を見せている。

事の発端は、『500ドットコム』が日本のⅠR事業への参入を狙い、国会議員にカネをバラ撒いたこと。IR担当の内閣府副大臣を務めていた秋元司被告(48)は、計約370万円相当を受け取ったとして’19年12月に収賄容疑で逮捕された。さらに保釈中、裁判でウソの証言をするよう贈賄側に買収を持ちかけたとして、8月20日に組織犯罪処罰法違反(証人等買収)容疑で再逮捕されている。

8月26日、贈賄罪で起訴された紺野被告と、同じく『500ドットコム』元顧問の仲里勝憲被告(48)の初公判が東京地裁で開かれた。この夜、本誌は都内の居酒屋で紺野被告が友人10人ほどと“打ち上げ”を行っているとの情報を入手。サラリーマンが溢れる新橋の賑やかな路地で、紺野被告の姿を発見した。

午後6時半頃、庶民的な海鮮居酒屋に入る紺野被告ら。その後一行は、夜8時に近くの炉端焼き店に移動し、夜10時半過ぎ、ようやく店を後にした。紺野被告は笑みを浮かべ上機嫌そうだ。そんな中、彼を直撃すると、一瞬慌てた表情を見せたものの、約30分間にわたり贈収賄事件の詳細を語った。

まずは、秋元被告から偽証を求められたことについて。

「裁判で虚偽の証言をするよう依頼するなんて、信じ難い話です。現職の国会議員が自らの政治生命を危険に晒すほどの罪を新たに犯しているんですからね。初めは、関係者が秋元氏を守るために発案したのだろうと思っていました。しかし、実は秋元氏本人の指示だったことを知り、愕然としました」

そもそも一連の贈収賄事件において、紺野被告の役割は何だったのか。

「秋元氏へ賄賂を贈ることを発案したのは私と仲里氏でした。最終的に決断を下したのは、『500ドットコム』の当時のCEO・潘正明(パンセイメイ)氏と、創業者で大株主の羅昭行(ルオジャオシン)氏ですがね」

贈賄工作の了承を社のツートップから取り付けた紺野被告は、秋元被告へ急接近する。まずは’17年8月、『500ドットコム』主催のIRシンポジウムに秋元被告を招待。被告に講演を依頼し、講演料として200万円を振り込んでいる。

同月に秋元被告がIR担当の副大臣に就任すると、9月には仲里氏とともに議員会館を訪れて300万円を渡した。さらに同年12月、中国・深圳(シンセン)にある『500ドットコム』の本社訪問費用とマカオにあるカジノ視察費用として、計185万円相当を提供している。

翌’18年2月には、秋元被告家族がIR誘致の候補地である北海道留寿都村(るすつむら)を旅行する際の費用76万円相当を、リゾート会社『加森観光』と共同で提供した。秋元被告が支払ったのは、現地で食べたラーメン代だけだったという。こうして秋元被告が受け取った賄賂は総額760万円まで膨らんだ。

多額の贈賄資金は、『500ドットコム』から出たものだとわからないよう、巧みに細工を施されていた。

「’17年9月に秋元氏へ渡した300万円の裏金作りには、マーケティング会社『メタップス』が介在していました。『メタップス』は、『500ドットコム』宛てに来た請求書の金額を勝手に多く書き換え、その水増し分を贈賄資金に充てていたのです。この裏金工作を実行したのは『500ドットコム』の元副社長で『メタップス』の役員でもあった鄭希(ジェンシー)氏です。

ちなみに鄭氏は菅義偉官房長官や他の国会議員らと2度、会食をしています。『500ドットコム』元CEOの潘氏も1度、菅氏に会っています」

淡々と経緯を語る紺野被告。贈賄を行ったことについて罪悪感はないのか。

「10年近く選挙コンサルタントをしてきた中で、私は感覚がおかしくなっていたんです。選挙では革新派候補が優勢と報道された瞬間、保守系を支援していたゼネコンが300万円を持って革新派候補にすり寄ってくるなんていうやり取りが当たり前でした。そのカネは当然、政治資金収支報告書に記載されない。そんなやり取りを見ているうちに贈賄は暗黙のルールだと思うようになっていました」

海外のIR事業開発を手掛ける『ベイシティベンチャーズ』の國領城児氏はこうした紺野被告の主張を一刀両断する。

「ライセンスを持ち実績のあるカジノ企業なら、社内規則や自治体のゲーミング委員会による厳しい規制があるため、贈収賄が起きることはまず考えられません。『500ドットコム』はIRの実績がなく、基本的なコンプライアンスも成立していない企業だったということです」

最後に「今日の飲み会は“3密”では?」と尋ねると、紺野被告は「居酒屋なんてどこもこうでしょう。私だけがやっているわけではない。PCR検査もきちんとしてますから」と話し、立ち去った。

紺野被告にここまで事実を明らかにされた以上、秋元被告も自らの罪を認めざるを得ないだろう。

本誌の直撃に驚き、顔を隠して店内に戻ろうとする紺野被告。この後、腹を決めた様子で約30分間取材に答えた (撮影:結束武郎)
’17年12月に中国・深圳の『500ドットコム』本社を訪れた秋元被告(右から3人目)。白須賀貴樹衆院議員(左から2人目)と、勝沼栄明前衆院議員(同3人目)が同行した。右端は『500ドットコム』の元副社長・鄭希被告/時事=白須賀議員のフェイスブックより
8月20日、秋元被告が再逮捕され、彼の事務所から押収物が運び出された(写真:時事)

『FRIDAY』2020年9月18日号より

Photo Gallary4

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事