まだまだ続く日本テレビの“NiziU推し” 勝算はどこにある? | FRIDAYデジタル

まだまだ続く日本テレビの“NiziU推し” 勝算はどこにある?

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ソウルで大々的に告知された、NiziUのプレデビューアルバム。人気は日本だけにとどまらなくなるだろう(写真・AFLO)
ソウルで大々的に告知された、NiziUのプレデビューアルバム。人気は日本だけにとどまらなくなるだろう(写真・AFLO)

『THE MUSIC DAY』の目玉扱い

まだデビュー前であるにもかかわらず、日本テレビの“NiziU推し”が加速している。

オーディションの段階からHuluで『Nizi Project』、地上波で『虹のかけ橋』を放送していたほか、情報番組『スッキリ』でも今年1月からレギュラー特集が組まれ、現在も各メンバーを掘り下げた企画を放送中。

さらに、12日放送の超大型音楽特番『THE MUSIC DAY』でテレビ初歌唱の舞台を用意し、しかも嵐の次に紹介される目玉扱いで、特番そのもののPRをけん引している。

また、9日の『今夜くらべてみました』では、オープニングからNiziUをフィーチャー。プレデビュー曲の「Make you happy」を流しつつ、さまざまな人々による縄跳びダンスの「踊ってみた動画」を紹介し、さらにリーダーを務めるマコの姉・山口厚子がテレビ初出演を果たした。

同番組は7月29日にも「1時間まるごとNiziU」の特集が組まれたばかり。指原莉乃、DAIGO、近藤春菜、高橋メアリージュン、丸山礼が熱っぽくNiziUへの愛を語り、ファン層の拡大に貢献した。

『ヒルナンデス!』では、MCの南原清隆が何度もプロデューサー・J.Y.Parkのモノマネをしているほか、8日には本人がVTR出演。NiziUをPRするとともに、南原との共演を約束して盛り上げた。

その他でも、『メレンゲの気持ち』などでもピックアップされるなど、今秋に控えたデビュー前のアーティストとしては異例のプッシュをしているのは間違いない。実績のないアーティストのプッシュは「ゴリ押し」と言われやすい上に、そもそも嫌韓派の人々から叩かれやすい韓国発のグループであるなどリスクがある中、なぜ日本テレビは思い切った起用をしているのか。その狙いと勝算を探っていく。

ネット上の若年層を連れてこられる

NiziUは6月30日に配信限定リリースされたプレデビュー・ミニアルバム『Make you happy』が国内87冠、世界23冠の計110冠を達成したほか、YouTubeのMVは公開わずか2か月で再生数1億回を突破。主に10代、20代の女性層をガッチリつかんでいるほか、オーディションの様子を放送し続けた効果と、人格を重んじるJ.Y.Parkの方針から、「娘を応援するようなイメージ」の中高年層ファンも多い。

そんなNiziUは日本テレビにとって、「スポンサー受けがよく広告収入につながりやすい若年層をつかめる」絶好のコンテンツ。また、中高年層のファンもいることで、視聴率の点で大コケするリスクは低く、それを他局にはない独占コンテンツとして放送できるのだから、「NiziUを扱いたい」と考えないほうがむしろ不自然だ。

実際、日テレを含む民放各局のテレビマンたちに尋ねてみると、「できるだけNiziUを扱いたい」「でもウチはまだ無理」などの声が挙がった。ネット上で抜群の結果が出ていて、若年層の視聴者を連れてこられるNiziUを「自局の番組に取り込みたい」と考えるのは当然だろう。

テレビマンたちから見たNiziUの魅力は、才能に加えてレッスンを重ねたアーティストとしての実力はもちろん、「今年最大の新星」と言われるフレッシュさ、プロデューサー・J.Y.Parkの人気など多岐に渡る。

さらに、『今夜くらべてみました』で指原莉乃が語っていたように、オーディション時から蹴落とし合うのではなく、励まし合うような9人の関係性は好感度が高く、コロナ禍で絆や癒しを求める時流にもフィット。たとえ一部の人々から「ゴリ押し」などと言われても、ほとんど影響がないほどの大きな存在となりつつある。

日本人初の世界的アイドル誕生なるか

一方、NiziUサイドとしても、現在はデビューの日が徐々に迫ってきた大切な時期。プレデビューがそうだったように、数字的なインパクトを含むロケットスタートを切りたいだけに、日本テレビにおけるプロモーションは重要な位置づけなのだろう。

ネットの盛り上がりがテレビの盛り上がりにつながり、テレビの反響がネットの反響に還元される。ネットとテレビでの十分なプロモーションを経たデビュー時には、そんな好循環が発生するのではないか。

もしデビューの段階からネットとテレビの両面でファンを獲得できたら、NiziUは“ひさびさの国民的アイドル”となるかもしれない。ただ、NiziUはこれまでのような日本人アイドルグループではなく、世界を目指した“グローバルガールズグループ”を掲げているだけに日本テレビのプッシュは“日本人初の世界的アイドル”となる上でのファーストステップにも見えてくる。

日本テレビには、テレビ朝日の『ミュージックステーション』、TBSの『CDTVライブ!ライブ!』のようなプライムタイム(19~23時)の音楽番組がないだけに、バラエティや情報番組の中でどれだけNiziU絡みの企画を放送できるのか。現在も今後も、アイディアと実行力が試されるだろう。

いずれにしても、「THE MUSIC DAY」のテレビ初歌唱をきっかけに、ますますNiziUの姿を日本テレビの各番組で見られることは間違いない。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月20本強のコラムを提供し、年間約1億PV超を得ているほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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