これから日本に過去最強級「スーパー台風」が上陸する可能性

台風シーズンはまだこれから 海面水温は紀伊半島沖から関東地方の南東まで異常な高さ

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福岡県福岡市内では工場の屋根が吹き飛ばされて道路をふさいでしまい、地元業者が復旧作業に追われた 写真:時事通信社

台風10号は九州の西側を通過し、一時は約46万4000戸が停電するなど、各地に深い爪痕を残した。

だが、これは台風シーズンのまだ始まりにすぎない。次に日本列島を襲う台風は、さらに甚大な被害をもたらすことだろう。台風の研究を行っている横浜国立大学教授の筆保(ふでやす)弘徳氏はこう指摘する。

「台風が通過すると、水深深くの海水までかき混ざることで、海面水温が1~2℃ほど下がります。10号によって九州近海の海面水温は下がりましたが、東海地方や関東地方の沿岸の海面水温は依然として高いままです。平年差でみると、2℃も高いところが多い。これは何十年に一度の異常な熱さと言えます」

下の図は台風10号が通過した後、9月7日の日本近海の海面水温を示したもの。これを見れば一目瞭然だが、日本の南方の海面水温は30℃を記録している。しかもその範囲が広大だ。今年は猛暑が続いたが、それは日本近海も同じ。太陽を過剰に浴びた海面は、台風9号や10号の通過後も、ほとんど水温が下がっていない。

一般的に海面水温26~27℃の海域で台風は発生し、27℃以上だと発達する。

今後日本の南方で発生し、北上する台風は、高い海面水温によって、風速67m以上の「スーパー台風」となることが十分にありえる。

ウェザーマップ会長で気象予報士の森田正光氏はこう懸念する。

「今年5月、WMO(世界気象機関)は、台風の発生数は減っているが、大型で勢力は強くなると発表しました。まさにその通りになっています。台風は海のエネルギーを吸い取るという側面もあります。つまり、発生数が少ないということは、まだエネルギーが残されているということ。平年の9月の台風発生数は4.8個。これから9月だけでも、2~3個は日本にやってくると考えていいでしょうね」

そして、まもなく風向きが変わる。

前出の筆保氏はこう指摘する。

 「夏場は台風10号のようにまっすぐ北上することが多いのですが、秋になると偏西風という強い西風が日本の上空で吹き始めます。そうすると、台風の進路は北上するのではなく、西から東に動くことになる。つまり、台風が九州に接近するときは、徐々に東へと移動するので日本列島を沿って進むコースをとるんです」

次の台風は四国や関西あるいは東海、関東に上陸する可能性が高いのだ。

また、台風10号の通過後、インターネット上では「思ったより大したことなかった」という意見も散見された。だが、これは不幸中の幸いにすぎない。

「予想されていたルートよりも西へ移動したため、直前の8号や9号の影響を受けて海面水温が低くなった海域を通過して、予測したようには勢力は強まらなかったんです」(筆保氏)

前出の森田氏が言う。

「台風10号は60m/sに迫る最大瞬間風速を記録しています。これは去年、関東に上陸した15号、19号よりもさらに強い。10号と同じあるいはそれ以上の規模の台風が、9月のうちに関東を直撃する怖れがあると思いますね。いま、確実に気象が変わってきています。だからこそ事前の対策や避難がとても重要です」

いざ台風が接近してから、必要な物資を揃えることは難しい。いまから備えよう。

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9月7日の日本近海の海面水温。日本の南方の水温が広い範囲で30℃となっている。(気象庁のデータを基に作成)

『FRIDAY』2020年9月25日号より

  • 写真朝日新聞社、時事通信社

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