米大統領選　バイデン氏が『あつ森』で繰り広げる選挙活動の効果

可愛らしいキャラクターの背景に躍る「TEAM JOE」の文字。これは米大統領候補ジョー・バイデン氏(77)がゲーム『あつまれ どうぶつの森』内で配布している〝バーチャルプラカード〟だ。

「『あつ森』が世界同時リリースされたのは新型コロナが流行し始めた３月20日。英語圏では『Animal Crossing』の名で発売され、３ヵ月で世界総出荷数2240万本超えの大ヒットを記録しました。米国でもゲーム内で中止になった卒業パーティーを行ったり恋人とデートをしたり、すっかり『あつ森』が生活の一部になっています」（米在住ゲーム会社社員）

過去には香港の政治運動家も意見発信の場として利用した、この大人気ゲーム。今回のバイデン氏の『あつ森』内での選挙活動に効果はあるのか。コネチカット州のクイニピアック大学でゲーム・デザイン開発を研究するエレーナ・バートージ教授は次のように語る。

「若者に人気のゲームを使って陣営を盛り上げるのは賢い戦略でしょう。バイデン氏が当選するためには若い世代が投票に行くことが重要で、とくに18～25歳の有権者は一度支持政党が決まると一生離れない傾向がある重要なターゲット。米選挙は『ポリティカル・フェスティバル』とも言われます。勝つために必要なのは祭りのような興奮と熱狂なのです」

販売元の任天堂は本誌の取材に「当社からお話しすることはございません」と回答した。若者に向けたバイデン氏の『あつ森』作戦。はたして功を奏するか。

『FRIDAY』2020年9月25日号より